第四話 Embryo 04
Climax Phase
GM: では、クライマックス行きましょう! シーンプレイヤーは嬉野君です。
冬也: はーい。(ダイスを振る)侵蝕率が123%なりました。
月島: 登場!(ダイスを振る)ここに来て10上がったぁ~っ!?
菅野: 登場!(ダイスを振る)127%になった。
伊勢: と~じょ~。(ダイスを振る)76%。でもロイス三つきってる(一同笑)。
GM: では、場所はツインタワー建設途中の鉄骨の上だと思ってください。ある程度組みあがった骨組みの上に君らが立っています。
冬也: はい。
GM: 結構高いんで、強い風が吹き抜けている感じですね。で、アタッシェケースを持った嬉野夏樹君が、キミらの目の前に居ます。
菅野: いやいや、こうして見ると似てるねぇ。
GM: そりゃあ双子だしねぇ。
伊勢: ねぇねぇ、ボク、なんでこんなトコに呼ばれたの?(一同笑)
菅野: 今日はこれで最後だから。
伊勢: そうなのぉ?
GM: 「さて、回答を聞かせて欲しい。冬也。」
冬也: 夏樹。――――オレはお前に死んで欲しくない。
GM: 「勿論俺としてもそのつもりだ。」
冬也: お前がオレの為にUGNを離れたように、今度はオレが、お前を守る為に動こうと思う。
GM: 「……FHである俺をどうするつもりなんだ?」
月島: どこにいっても、元FHという肩書きがついて回る(と、伊勢を見る)。
伊勢: (わたわたしている)
GM: キョドんなっ!!(一同爆笑)
伊勢: だって! だってぇ~!! こんな頑張ってるのになぁ~。
冬也: FHとかUGNは関係ないんだ。オレが、夏樹と一緒に居たいから。
伊勢: そうそう! 関係ない関係ない!!(と月島を見る)
月島: (伊勢を見ながら)そうよ。関係ないのよ?
GM: 「俺とお前の間の話もあるけど、俺としても、FHには育ててもらった義理ってのがあるんだよね……。」
冬也: ……。
GM: 「それに、FHとかUGNは関係ないって言ったけど、じゃあFHやUGNを除いたら、俺らは何処に行けばいいんだ? 俺らを受け入れられる 社会って、他にあんのか?」
冬也: それ、は……。
GM: 「その社会を、無理矢理にでも作ろうとしたのが、“オリジナルシン”だったんだ。その義理を果たす為に、俺はFHに居る。それはもう変えられないんだよ。」
伊勢: ああ~それだったら、いいところがあるよぉ?
GM: 何処?
伊勢: 中東の方。
GM: ああ、デザートミラージュ? 確かにね。
伊勢: あそこにもあそこで組織としてのしがらみとかあるかも知れないけどぉ、逃げるんだったらあそこがいいんじゃなぁい?
GM: ま、あそこにも、ルカーン財団だっけ? 確かそんなのがあるんだけどね。
伊勢: ちゃちゃ入れちゃったね。ゴメンゴメン。賑やかしは黙るよ。
冬也: なんで自虐的なんだ……。
伊勢: だって眠いんだもん。ちなみに、UGNとしてはどう思ってるのぉ?
菅野: ん?
伊勢: 今回の件。
GM: おお、いいアプローチですねー。
菅野: もう“World Embryo”自体は凍結されたんだよね?
冬也: いや、そんなことないですね。
GM: 僕は凍結した、なんて一言も言ってないよ。
菅野: うーん……そうかー……。UGNとして、という言い方をするなら、申し訳ないことにおっさんも知らなかったことなんだけれども、その計画が日本のUGNで行われているとするならば、海外のUGN組織に保護を求めるのも、一つの方法かもしれないね。
伊勢: キミ達二人が幸せになれるんなら、そういう方法もありだよぉ?
月島: 例えば、極端な例だけど、無人島で二人でひっそりと暮らす、っていうのも、ありだよね?
冬也: そ、それは、ちょっと……(笑)。
月島: 人との繋がりに、レネゲイドとかオーヴァードとかって関係ないんじゃないかと私は思っているんだよ。だから、確かに生まれは不幸だけど、頑張って生きてる人ってのは沢山居ると思うんだよ。ちょっと変わったお父ちゃんが買ってきたヘンテコなお土産によって、人生がまるっきり変わっちゃうこともあるんだから、そんなこと気にしちゃ駄目だよ(一同笑)。
GM: 今回は組織や立ち位置によるアイデンティティというのもテーマにしてるんで、自分としてどう責任を取るかっていうところを考えてみるのも面白いかなぁと思ってて。確証があるからこう動く、とかじゃなくて、こうしてやろう、責任を取ってやるからっていう仕事の仕方もありかなと。そういうのも含めてアプローチしてるよ。
菅野: うーん……。
GM: 夏樹が柔軟になるためには、もう一押し欲しいところですね。誰がトリガーを引くかは任せますが。ただ、最後のディレームは彼が持っているので、散布されてしまうとミッションが……となります。
場が硬直していたその時。
「……私、部外者だけど、お話に参加してもいいかな?」
今まで後方で事態を見守っていた月島が、鉄骨の上に登りながら、夏樹に声をかけた。
月島: 弟君は、お兄ちゃんと一緒に暮らしてみたいとは思わないの?
GM: 「勿論、一緒にいたいと思ったから、こちらから勧誘したんだよ。」
月島: それは、FHでなきゃいけないの?
GM: 「FHである必要性は、そんなにない。ただ、ここまで育ててもらった義理はあると思ってるよ。」
月島: その義理を受けた相手は誰?
GM: 「あの人―――――“コマンダー”一ノ瀬、だね。」
月島: あれ? 一ノ瀬が死んだことを彼は?
GM: 知ってます。ただ、そのことに対して、冬也を憎もうとかそんなことは思ってないようだね。どっちかっていうと、早い話がUGNがそういう実験をしてました。こんなトコに居られねぇ、というところで、ある意味保護してくれたのがFHなんですよ。だからどっちかって言うとFHに対して義理を感じてる、って感じだね。
月島: じゃあ、FHのやってることに、あなたは賛成?
GM: 「賛成か反対かって言われると……。」
月島: FHのやってることによって、傷ついたり倒れたりしてる人が居る、っていうのは想像できてる?
GM: 「勿論。ただ、最初に傷つけられたのは俺たちだし。」
月島: 実はそれは、二つの問題がごっちゃになっていて、そのことと今私の話していることとは関係ないの。あなたはこの先、FHに居ることで、誰かを傷つけたり倒したりすることが、続くかもしれない、ということなのよ。
GM: 「それはUGNに居たとしても同じだろ?」
月島: だとしたら、そういうものから一回降りてしまうのが、あなたの望みなのかもしれない。どうかな?
GM: 「…………。」
月島: だから、UGNもFHも関係ない、一人の嬉野夏樹君として生きていくことが、貴方の望みなのかもしれないね?
GM: 「…………。」
月島: ――――私の上司はちょっとあり得ないくらい権力のある人間なの。だから、キミの望む方向にしてくれるかもしれない。あの人、気まぐれだから。でも、責任感のある人より、気まぐれな人の方がちょっと信用できる部分ってあるんじゃない?
GM: 月島の言っていることがある程度分かったのか、夏樹は含み笑いをするね。「まさかUGNの人間に、そんな説得されると思わなかった。」
月島: まあ、私はUGNの人間と言っても、あんまりそういうのに染まらない感じのキャラを中の人が目指してるから……(一同爆笑)。
冬也: 言いすぎ言いすぎ!! 本音を!!
GM: そういった話を聞いて、夏樹はゆっくりと冬也のほうを見ますね。
伊勢: その頃ボクは、《ウサギの耳》で別動部隊が来ないかどうかを知覚しながら、ボルトアクションライフルをかちゃかちゃやってます。ヒマだなぁ~(一同笑)。
GM: 「お前は、どうしたい?FHに所属していた俺と居ると、何かしらのしがらみが出てくるのは間違いないぞ?」
伊勢: 顔を背けます(一同笑)。
冬也: オレのしたいことはもう言ったよ。オレは夏樹と一緒に暮らす。オレは、夏樹を守る。―――――夏樹は、オレと一緒は嫌か?
GM: 「ッ!! そんなわけない!! お前と、一緒に居たいに決まってるじゃないか……っ。」
冬也: だったら、オレのところに来い。
GM: 「……でも、どうする? 八重樫が居る限り、俺がUGNに戻るってのは出来ないと思うぞ?」
菅野: まあ、今はおっさんが代理をしているとはいえ、ヤツの息がかかってる人間は居るわけだしねぇ。
GM: 更に言うと、八重樫が復帰したらどうする? って話です。
菅野: 何にせよ、うちの支部に、ってのは得策じゃないね。だから、頼むとしたら、霧谷とか、嬢ちゃんの上司みたいな、八重樫以上の権限を持っている人物に頼むことになるだろうけどね。
冬也: ――――だってさ、と幼い頃のように笑う。
GM: 「じゃあ……逃げちまうか。」
冬也: うん!
GM: というところでですね……実は、クライマックス終了です。
伊勢: !!!
GM: フラグが立ったので、夏樹は冬也と行動を共にすることを宣言します。
冬也: やった!
菅野: さっきの会話の最後で、夏樹君にロイスを結んでおきます。
伊勢: ボクはマイナーでジェネシフトをします(一同笑)。
GM: はい。えーロイスを結ぶなら、ここがラストチャンスになります。戦闘するパターンもあったんだけどねー。トライブリードってこんな強いんだって思いながら作ってた。
伊勢: では、ここで都築京香に対して、京香さぁん、拍子抜けだよぉ……とシナリオロイスの方をタイタス化します。あーあ。
月島: 私も、桐生をタイタス化しておこう。死んだもんな。
冬也: “コマンダー”はタイタス化しといたほうがいいですよね?
GM: そうですねぇ。一応、死んでるので。
伊勢: あ! GM!! ここでタイタス化した京香さんのを昇華して、セーフハウスの購入判定をしときます~。
GM: あ、それ面白いかも。ただ…そこに行く余裕があるかは別の話だけど。
菅野: え……?
Back Track
GM: さて皆さん、バックトラックをお願いしますー。
伊勢: セーフハウスが、買えました~。
月島: (ダイスを振る)お、ここですら目が走ってる。108から28引いて、80! お、いい感じ~。
冬也: お! 92%まで戻ってきた!! 一倍振り~。
菅野: よし! 一倍振りで96%!!
伊勢: ボクはジェネシフトして92%になって、バックトラックで87%まで戻りました。
GM: ま、皆さん今回は、いっぱい経験点もらっといてください。
伊勢: 次回は戦闘シナリオですよねー?
GM: もちろん!(笑)
Ending Phase
GM: さて、エンディングなんですが、皆さん共通です!
一同: はーい
GM: えー、夏樹の説得が出来たところで、西森さんからメールが届きます。
菅野: 中を見ると?
GM: 「下層にすぐ来て!」みたいな内容ですね。
西森のメールの内容はこうだった。
療養中のはずの八重樫がUGNの下層に居た。
現在、追いかけているが、実は今、UGNの下層にジャームが大量に居て、一人では手が回らない。
すぐにUGN支部の下層に来て欲しい――――。
菅野: なるほどね。じゃあメールの内容を知らせて、おっさんは用事が出来たんでこれから向かうけど、皆はどうする?
伊勢: いってらっしゃぁい♪
GM: ヒドイ……。
月島: 邪魔しちゃ悪いしー(笑)。
伊勢: だってぇ、地下に二人きりでしょぉ?
月島: 代理っ、チャンスチャンス♪
伊勢: 守ってくればいいんじゃないのぉ?
菅野: じゃあ、夏樹君の方をそっちで何とかしてもらえるかな?
月島: っていう話になるよな? 普通(笑)。どうしようか? 一人で行かせるわけにもいかず……。
菅野: でも夏樹君を放っておくわけにもいかないし。
月島: 夏樹君に来てもらうっていうのは?
GM: ちなみに、夏樹なんですが。戦闘データは持ちませんが、君らと行動を共にします。で、夏樹が居ると、次回のUGN下層での戦闘にボーナスがつきます。
菅野: 強制はしないよ? おっさんは。
月島: 次はダンジョンシナリオっぽいね。
GM: そのとおりです。
菅野: 嬉野兄弟で決めるといいよ。
GM: あと、さっきのメールの最後に、一つ分かったことがあると書いてあったんですが、観鏡支部の封鎖のとこで言ってたエアウォールの設置なんですが、完了する素振りすらありません。
菅野: お?
GM: で、何をしようとしてたかが分かったらしいんですが……エアウォールって、垂直に空気の流れを、って話だったじゃないですか。それの向きを変えると何が出来るか想像してみてください。
冬也: 拡散……出来る?
GM: そうなんですね。エアウォールの方向を変えて、観鏡市を中心にして、ウイルスを拡散させようとしていたわけですね。……で、元々ディレームが保管されていたのは何処ですか?
伊勢: そうだ、支部だ!
GM: そういうことがされようとしていると。早く来て止めてくれ、って話だね。
菅野: さて、今回の件、まだ終わってないってことになる。
GM: 「冬也。俺は―――ケリをつけたい。」
冬也: オレも、そう思ってた。
伊勢: みんなぁ。ジャーム化には気をつけてねぇ?
GM: おめーも来いよ。(一同笑)
伊勢: アンチディレーム改も渡すから、ほらぁ。ハイ丁度四人でしょ?
冬也: ああ、PC分しかなかったから(笑)。
伊勢: まあまあまあ、いざとなったら助けに行くって、大丈夫大丈夫。上でやりたいこともあるしねぇ。あっはっはっは。
伊勢はひらひらと手を振る。
菅野は一つ頷くと、踵を反して走り出した――――……。
第五話へ続く




