16 班決め
「維月維月〜!一緒の班にしよ!!」
3人の不良の1人が維月に元気よく話しかける。
先程冷たくあしらわれたばかりだと言うのにまったく落ち込む素振りがない。慣れているのだろうか。
朔はうつ伏せたまま頭を動かし様子を横目で見る。
今維月に話しかけたのは3人の中で1番小柄な男子だった。
アッシュグレーの髪にはミルクティーベージュがインナーカラーで入っている。耳元にはカラフルなピアスがいくつもついている。大きめのカーディガンや少し高めな声も相まって可愛らしい雰囲気だ。
「……分かった」
維月は面倒そうに返事をする。朔はいまいち3人と維月の関係性がつかめていない。
(3人は維月に親しげだけど維月は……、よく分からないな。でも気を許しているように見えなくもない?)
朔は寝たフリを続行しながら考える。その間にも隣の席では話が進んでいる。
「んじゃ、男子4人は決まりね〜。あと1人適当に決めるとして…、女子だけど誰か班に入れたい子いる?俺は誰でも良いけど」
別の男子が仕切る。その男子はいかにも不良と言った風貌をしていた。
金髪のウルフカット、耳には数え切れないくらいの数のピアスが輝いている。制服を大胆に着崩している。教室に入ってきた時の発言からも遊び人なのだと推測できる。
「俺は特にいないかな。煌と同じで誰でも。維月と千歳は?」
爽やかな男だと朔は思う。顔には微笑みを浮かべていて、焦げ茶色の髪はほどよく整えられていてサラサラだ。一見すると好感度が高いように感じる。
金髪の男子は煌、小柄な男子は千歳と言うらしい。やはり初耳だ。さすがにクラスメイトに関心を持たなすぎかと朔は反省する。
「凪くんも煌くんもだいたい顔見知りだもんね〜。僕も誰でもいいよ」
「……1人いる」
朔は爽やかな男子は凪と言うのかと1人で驚いていると維月の発言に3人が驚く。朔はそんな隣は気にせずぼーっとする。うつ伏せているが眠れる気はしない。
「おい、起きてるだろ」
維月に声をかけられる。
(え、私か?今、私に声かけたのか?)
朔は自分に声をかけられたのだとワンテンポ遅れて気付く。
「一緒の班にしないか?」
(はん……班!?私と!?)
朔はさらに驚いて飛び上がる。そういえば彩華に同じ班で行くのかと聞かれた事を思い出す。
驚いたのは朔だけでは無かった。維月を取り囲んでいた3人も目を見開いている。
「いやいやいや、維月?え、どしたの?えっと神代ちゃん…だよね?」
「えー、維月くんどういう関係?」
煌も千歳も驚いている。朔は煌の言葉に激しく同感だ。
クラスメイトも驚いて朔の方を見ている。
(どうするもんかね……)
朔は1人返答に迷っていた。




