15 はじめましての不良くん×3
5限目。それは昼休みを終え、最も生徒が眠くなる時間帯。
クラスメイトの何人かは眠そうに担任の話を聞いていた。かくいう朔もその1人だ。
(眠………)
一度でも瞼を閉じてしまったら眠りについてしまいそうだ。
その時だった。
ドアが勢いよく開き、3人の男子生徒が入ってくる。3人は目立つ部類の人間のようで、クラスの中でも面識のある生徒が多いようだ。たくさん声をかけられている。
「あれ?間に合った?セーフだよね?」
「ヤッバー。やっぱ遊んでたらまずかったかなー?」
「本当だよ。巻き込まれる俺の身にもなって欲しいね」
その男子生徒は遅刻した挙句、呑気に話しながら席へと向かう。
(誰だ…?)
朔は眠い目をこすりながら様子を眺める。当然ながら3人に見覚えのある人は1人もいない。
朔は3人が席に座ると思ったが違った。3人は維月と面識があるようで、そのうちの1人が維月に声をかける。
「あ、やっほー維月。おひさ〜!」
「うるさいな。黙れ。」
維月は彼らを見ることもなく冷たくあしらう。しかし、朔には普段よりも気を許しているように思えた。
(知り合いか?維月が誰かと喋ってる?の、新鮮だな。)
朔は傍観に徹することにする。
そんな中、担任は彼らを見て少し驚いたようだ。
「ああ、今日からでしたね。遅れてますが何かあったんですか?」
担任が事情を聞く。それに、1人がへらへらと笑いながら答える。真面目に答える気はなさそうだ。
「えー、ちょっとトラブルに巻き込まれて〜」
(お前さっき『遊んでた』って言ってたよな。)
朔は堂々と嘘をつく彼らに驚愕の眼差しを向ける。
担任はその説明を信じているようだ。もしくはまともな説明を期待していないのかもしれない。
そのまま彼らを席につくように促し、クラス全体に向かって説明をはじめる。
「えー、では宿泊学習の班決めをしたいと思います。」
担任の発言を聞いたクラスメイト達はザワザワと騒ぎだす。そんなクラスメイトを軽くたしなめて担任は話を進める。
「班は10人班です。えっと、男子5人、女子5人で一班をつくってください。…はい、どうぞ。動いていいですよ」
その言葉を境に次々にクラスメイトが立ち上がり、友人のところへと向かう。
(さて…、どうしようか。)
朔は考える。
理想はぼっちとしてどこが適当な班に入ることだ。
(やっぱ寝たフリかな?1番簡単だし、わざわざ声をかける人もいないだろうしな。うん、名案だな!)
朔は寝たフリをするためにうつ伏せる。フリの予定だが本当に眠れたらラッキーだ。朔は眠れることを祈ろうと思う。
(これなら楽に5限目が終わりそうだ。終わったら維月に言いたいことが山程あるからな。)
しかし、そう思い通りにはいかないものだと朔はその後すぐに理解させられることになる。




