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熱血!格ゲーマー純  作者: 行者BUSYOU
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第48ターン 音々からのメッセージ

不慮の事故から身体の自由を失った高校生、日乃本純は格闘ゲームのプロを目指して立ち上がる。涙と感動の格ゲー根性物語。

 クセのある、否、クセの塊ナニワAキー坊が使うキャラはこれまたクセの塊、ヨーガマスター、ダラ・シン。


 いきなりトリッキーなコマ技を繰り出し、花崎を威嚇する。精神戦に先勝し狼狽(うろた)える花崎を追い込む。ペシ、パシとキック、チョップを叩き込み、花崎のキャラ、ゲンの体力ゲージが減っていく。


 「落ち着け、ヲタ!やられているほどやられてないぞ!」


 夢原の不可思議な言に花崎は目を覚ました。そうだ、特訓の時にマスター夢は教えてくれた。ダラ・シンの攻撃は一つ一つが軽い。体力ゲージを冷静に見れば、未だ体力はある。


 冷静さを取り戻した花崎が攻守をリセットすべくバックステップで距離を創る。そして、飛び道具、気流拳を連発し反撃の狼煙を上げる。


 すると、今度はダラ・シンが口から火を吹き相打ちにして気流拳を消してしまう。ゲンの攻撃が通じない。


 格ゲーは引き出しだ。どれだけの引き出しを持っているか、準備が整っているか。プランAがダメならプランB、それもダメなら次のプラン。


 しかし、花崎は技のレパートリーがまだまだ少ない。キャリアの分だけ純よりは未だマシだが、ストロングポイントを一つ消されて花崎は早や窮地に立った。


 元来が攻撃型の花崎、堪らず自ら距離を詰めて攻撃の糸口を探る。そこにおあつらえ向きだとダラ・シンのキックやパンチが伸びて来る。


 複数の被弾によりゲンの体力ゲージはゼロになった。ダラ・シン、ウィン!のコールと、例によってナニワ兄弟のハイタッチ。もういっちょ、行く?オース!悪ふざけにも磨きがかかる。


 完全に後が無くなった花崎。あと一敗すれば純と花崎のタッグは敗北し、クー子とその家族の未来が断たれる。


 「ほな、決着、ジ・エンドや。最後の一戦始めよか。」


 そうナニワAキー坊が最後通牒を出した時、黙って闘いを見守っていた純の姉、音々が声を上げた。


 「花崎クン!」


 そして何も話さず、ジッと花崎を見据えて缶コーラを右手から左手に、左手から右手にと繰り返してみせた。


 お姉さん!炭酸、タンサンが!クー子が音々の奇行を慌てて止めようとしたが、夢原は音々の意図をすぐさま見抜いた。


 む、まさか?!しかし、あり得る、仲良しコンビのナニワ兄弟ならばこそあり得る、あの落とし穴が!


つづく

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