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とある中年男性の転生冒険記  作者: うしのまるやき
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第15話 ほう、勉強になります。けど活かせるかどうかは別です。

今回は短め+台詞なしです。台詞は読んでくださる方がそれぞれ想像してもらえると嬉しいです。

 オークの襲撃から1ヶ月後、私達は未だにゴブリンのムラでお世話になっていた。予定ならここを拠点として人里へと向かうつもりだったが、そうはならなかった。なぜって? まず、ムラに人が来たことは一度もなく私が初めてだそうだ。というわけで、ここを拠点にしばらく探索が必要というわけです。もう一つの理由としてこちらの方が大きいのだけど、何よりゴブリンとはいえ、前世リアルチートの転生者がいるんだよ? いろいろ話しを聞きたいじゃん? 今後に活きてくるかわからないけど、というより活きない方がいいに決まっているけど知りたいじゃん? ということで、ちょこちょこ訪れては話しを聞いて回っていた。当然そればかりではなく、たくさんものを運べるように馬車ほどではないにしろ、大きなそりを作ってもらったりムラのゴブリン達と一緒に採集に行ったりといろいろやりましたよ。


 私があの3人達と話しをするときは、マーブルはゴブリンの子供達と遊んでいた。最初こそおっかなびっくりだったゴブリン達もだんだんとあのカワイイ姿もあってなじんでしまい、今ではマスコット的存在だ。まあ、あのかわいさなら当然だろう。親ばかじゃないぞ。一緒にいられないのは少し寂しい気もするが、マーブルは楽しそうだったので、それはそれでよし。


 話しによると、このムラは以前から何度も襲撃に遭っていたらしい。それもオークばかりではなく他のゴブリン族やコボルト族だけでなくウルフ族なんかからも襲われていたらしい。今はともかく以前の戦力で考えるとどう考えてもムラのゴブリン達では荷が重い。それを撃退し続けていられたのもあの3人が中心となって作戦を立てたのが大きいと思う。とはいえ、ちょこちょこ襲撃を受けていればそれだけ疲弊した様子を見せているはずなのだが、ここでお世話になり始めていたときもそういった表情はなかった。これは長のカムドさんが上手くやってくれているおかげだと3人はそろって言っていた。


 3人の話しでは戦いこそ自分たちの方が優れているが、他のことに関してはカムドさんの方が一枚も二枚も上手らしく、そういうカムドさんだからこそ長に相応しいそうだ。また、前世と比べると長が暴走せず戦いに関してはこちらに完全に任せてくれるのは非常にありがたいそうで、そのおかげで安心して作戦に専念できると嬉しそうだった。最初こそ転生した上に人ではなかったことに驚いたそうだが、今ではこちらの生活の方が楽しいと3人は言っていた。私の方も、生活こそ多少不便なところはあれど、マーブルと一緒にいられる今の生活の方が楽しいと思っている。逆にマーブルが一緒でなかったらどうなのだろうか。


 3人にそれぞれ教義、いわゆるドクトリンを教えてもらっていた。それぞれ得意分野があるので三者三様なのかなと思っていたが、それは大きな間違いであった。基本的な部分は3人とも同じで、違いは枝葉の部分だけだった。とはいえ、説明の仕方は3人とも違っていたが、みんな丁寧に教えてくれた。ただ、難しすぎて理解できない部分も少なからずあった(泣)。あんなん、覚えられるかい。覚えられこそできなかったが、マーブルがいつの間にか闇魔法から録画できる魔法があったので、それを使って録画しておく。後で暇なときにメモしておくためだ。その前に紙やペンになるものを見つけないとな。


 意外に思ったのは、基本的部分こそわかりやすく説明してくれたが、一番聞きたい枝葉の部分に関しては3人とも感覚的なものがほとんどだったことだ。3人とも意地悪でそう言っていたのではなく、こればかりは経験とカンが大きいとのことだった。さらに意外だったのはエーリッヒさんが一番擬音を使っていて、ハインツさんが一番理論的に説明してくれたことだ。とはいえ、重要だからもう一度言います。3人とも非常にわかりやすい説明でした。どんな知能をしているのだろう、私では無理だ。あの知力のステの高さはどういう基準でああなっているのだろうか。というのも、3人のステはムラのゴブリン達よりは高いが驚くほど高いわけではない。鑑定はちょくちょくしていたが、それはレベルやスキルを確認するためで、ステータスに関しては限界値がここのゴブリンの達はそれほど差はなかったので、あまりそちらを見ることはなかった。まあ、いいか、いずれわかることでしょう。わからないままなら、それはそれでよし。


 もちろん、3人から話しを聞くばかりでは無く、私の時代での3人の扱いについて話しておいた。前世の世界的に公開されている動画での扱いだ。私がハマっていた転生者達による潜水艦隊の動画でのエルヴィンさんの活躍、あるゲーム動画でのハインツさんは大食いキャラだったこと、エーリッヒさんはどこのゲーム動画でも堅物の知将扱いだったことなどだった。3人とも一番興味を持ったのが、いわゆるアイドル戦記でのアイドルとの絡みと自分たちの位置づけだった。知っている限りのことを話すと3人は楽しそうに聞いていた。戦争がテーマとはいえ、そういうノリだったら大歓迎とも言っていた。いいのか、それで?


 いろいろとためになる話しを聞いてある程度満足したので、ついにここを離れて人里を目指すことにする。もちろん、ちょこちょこ寄らせてもらいますよ。まだまだ聞きたいこともたくさんありますし、住む家も頂いたことですしね。何より折角仲良くさせていただいているのですから、お別れなんて勿体ないです。そんなことしたら罰が当たりますよ。


 カムドさんに人里を目指すためここを出ることを話したら、嬉しいことに引きとどまるよう言ってくれた。元々ここは人里を目指す途中で偶然見つけたところだったが、居心地があまりにもよかったため長く滞在させてもらったこと、まだまだいろいろと見て回りたいから出るのであって、いいものを見つけたら交換しにここに戻ってくることなどを説明したら、渋々納得してくれた。また、マーシィ像はここに置いておくことも話した。


 それならと、娘のカムイちゃんが同行したいと言ってくれたが、人里に行くのにゴブリンがいたらどうなるかわからないので、様子がわかってから同行してもらうことで納得してもらった。それまでに訓練をして強くなっておくと力強く言っていた。カムイちゃんは盗賊系のスキルが凄いのでお供として役に立つのは間違いないと思うけど、人の住んでいるところにゴブリンが来てしまうと余計な厄介事が増えてしまうので、できればそれを避けたい。罠やその解除はともかく、索敵なら私とマーブルでも十分できますしね。


 旅の準備もできたことですし、明日から出発です。ムラのみなさん、大変お世話になりました。でも、長期の出張のようなもので別れではないですよ。生きていたらちょこちょこ戻ってきますよ。決してフラグじゃないですよ。そこのところお間違えのないようにお願いしますね。


 では、マーブルおやすみ。


毎度お読みいただきありがとうございます。もし気に入っていただけたのならできれば好評価をお願いします。

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