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ある商店にて、

まだまだ早朝の時間



セーラは飲食コーナーのテーブルに突っ伏して寝ている。



キノは生真面目な顔でゴザの上に商品を並べては、並べ直している。太陽はまだ地平からようやく顔を出しあたり。それでも、この世界では社会活動の始まる時間。




時間が少し進んで、カナタとザックは錬金ギルドから帰ってきた。朝食を食べてから出発したにしては早い。


「ニクスはいつもの?飲みにいくには少し早いんじゃないか。」


帰って来たカナタにティーナが声をかける。

街に入り商売を始めるとニクスはキャラバンに居着かない。寝る時と朝夕の食事時は何故か必ずいつの間にか席に座っているが。へたすりゃ夕食から寝る前の時間にまた飲みに行く。今日はカナタについて錬金ギルドに行ったが途中で居なくなった。錬金ギルドの用事が済むまでは一緒にいたのだが玄関出る前にはいつの間にか消えた。


いつものことと気にした様子も無くそれに触れずに、カナタがティーナに、


「あれはメアリーに怒られるんじゃないか。」


視線の先にはテーブルで突っ伏しているセーラ。


「マスターが居ない間からここの街ではあそこがお気に入り。なんかよくわからないけど客寄せになってるみたいだから放置してる。どうせ言っても聞かないし。」


言われてみればなんだか出ているテーブルがいつもより多いような。あんなにテーブルも椅子も茶碗もあっだんだ。ここより大きな街の時より多いんじゃないか。空いている席もあるがテーブルを増やして正解と思えるくらいは客がついているている。客層も今までとは違うようだ。というか、まだ夜があけたばかりだろ、盛況とはいわないまでも客数が多いだろ。


ひと通りののやりとりの後に荷車の傍らでティータイムのカナタ。ザックは飲食コーナーでクオンとシーラのお手伝い。よく働く子だ。


「これから、また出かけようと思うんだけどウィルかメアリーは手が空いているかな?」


カナタの問いに近くにいたウィルが、


「それでは私が、」


「私も行きたい、」


とクオン、


「じゃあ、私も、」


とティーナ、


「二人は出来ればついてこないほうが良さそうなんだけど…、」


とカナタ


「えー、なんで、」


とクオン、反応が破壊的すぎる。





で負けました。結局クオンとティーナもついてきて、   



で、現在は向かいはちょいポチャの奴隷商人。対面のカナタと両隣にはティーナとクオンが座り、後にはウィルが立っている。ウイルが座るスペースも有るんだから座っとけばいいのにとはカナタ以下身内3人の共通意見。

 

「本日、ご希望の商品はどのようなもので?」


奴隷商人の問いにカナタ、


 「申し訳ありません、訳ありが見たいのですが、」


カナタの答えに奴隷商人の表情が対お客様向けから対ひやかし向けに変わる。



そして向かう訳ありコーナー。ついてくるのは奴隷商人じゃなくて番頭さんぽい見かけの店員。


たどり着いた訳ありコーナーにはいくつもの檻。


だから、この娘達は連れてきたくなかったんだよなあ。とはカナタの心の声。いろんな部位が無い人が並んでいる。中には顔の無い人まで。ちゃんと頭部はついているが顔の判別が出来ないだけ。


見渡すカナタは、今日はハズレっぽいな。出直そうかなどとの考えがよぎり出したころ。視界の端のほうにティーナとクオンが一人の少女を見ている。あの娘は一回見たよなあ。と、もも日本でい一回見ると、いたよいた。探していた能力と違ったいから見逃していた。彼女ら本当に″眼″を持っていないのかとカナタ。


カナタは店員に言う。


「少し席を外してくれないかな。」 


店員は、

 

「目を離したら親方に叱られます。」


カナタは続ける。


「話が聞こえないくらい離れているだけでもいいから、」


まあ、それくらいならと部屋の外で見渡せる場所まで下がる店員。

鍵の開いた入口の前にウイルが立っている。


「商売をした経験はあるかな?」


ズバッと一番聞きたいところから始めるカナタ、


「今さら、」


ボソッっと独り言のようにあらぬ方向に向かって少女。まぶたは閉じられたまま。

少女はさらに続ける。


「この体で何をしろと、」


体全体の動きもどこかぎこちない。


「そこらへんはなんとかなるから。」


カナタの言葉に少女は


「目が見えない。手も足も思うように動かない私に何が出来ると。」


カナタは返す、


「目が見えるようになったら僕のために働いてくれるのかな?」


少しの時間が流れる。カナタは優しく少女を見ている。ふと、何かに思い至ったようで少女は語りだす。

 

「父の代理で仕入れをしたことも。修行で一人で商売をしたことも。」


少女の答えにカナタは返す、


「成人前に見えるけど。」


少女は答える。


「13歳です。」


カナタはさらに問う、


「治ったら、僕のために働いてくれるのかな。」


少しの間を置いて少女は答える、いや、つぶやく。


「私は奴隷ですから。」


さらに続けて、


「帰る場所は無いですから。母はすでになく、頼れる親戚もいない。父と私が一度にいなくなればもはや店は残っていないでしょう。私の…、帰る場は……、」




「この娘を買います。」


遠く離れた店員にカナタが声をかける。

 



場所は変わって奴隷商の玄関。すべての手続きと支払いを終えて少女、シスはウイルにか抱えられている。そしてカナタとクオン。

この場にティーナはいない。だいぶ前に店を出た。一行はドアを開けて店を出る。


「今度は訳ありじゃ無い方も買っていただけると、」


店の主人は外まで見送りに出る。なんの心境の変化だろう。カナタは店主に挨拶をする。


「お世話になりまし。」


外には待っているティーナと荷車。ティーナは一旦キャンプに戻って荷車を取ってきたようだ。

マキシムに優しく荷車の床に横たえられるシス。カナタも荷車に乗り込む。御者台にはティーナ。クオンとウイルは徒歩でついていく。クオンの歩みにも追い越されそうにゆっくり進む荷車。


「あの、」


シスが口を開く


「本当に私でよかったのですか。」


カナタはシスの問いには答えずに、


「とりあえず目だけは、身体はさすがに時間がかかりそうだからキャンプに着いてからね。」


そう言ってシスの目に手を当てる。なんだか優しい温かさとシスは思う。そして数分、手が退けられるてカナタがつぶやく、


「たぶん、終わったんじゃないかと、」



何を言ってるんだろうと思いながらシスはまぶたのあたりの違和感に気づく。この感触はなんだろう。なんだか久しぶりの感触。ふと、何かを思い出したシスはゆっくりまぶたを開ける。


一瞬のまぶしさの後に見えてきのは少年と幼女。


「あなたが私の御主人様ですか、」


しっかりした口調だったが後が続かない。涙が溢れてくる。



クオンが優しくシスの頭をなでている。

御者台にはティーナ。


ウイルが荷車の横を歩いている。




荷車の床には丸くなったケール、



荷馬車はゆっくりキャラバンに向かう。



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