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†アルヴス アトリエ オンライン†  作者: ネコまっしぐら
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そこは洞窟とは思えない様な環境だった。

煌々と灯る光に、酒、食料、家具、嗜好品、奴隷部屋等、どこかの豪邸を思わせる環境を維持できるのは、光・匂い・声を外に漏れないよう遮断する、マジックアイテムを利用しているからだ。


そして、それでも訪れるモンスターは見張り番達が片付けるし、クリスタルドラゴン等の強力なモンスターなら、奴隷を餌に向きを変えたりモンスターの赤子を使う。


そんな万全を整える彼らは、この洞窟では怖いもの無しであった。

そう、これまでも…これからも……




「……ひゅー…たっ……たし…け」

ーードサッ……

ーーーガタン!

「なっ!」

「敵か⁉︎モンスターか⁉︎」


「いったい見張りは何してやがる!」

仲間である男が肩から右腕を失い、血を吹き出しながら近寄って来る姿に、中にはいた男達は次々と立ち上がり、アジトの中に警戒と怒号が響く。


……その問いに答えれる者は居なかったが、一つの集団が遮断アイテムの結界を超えて静かにやって来た。


「なんだ!てめーら!」

「ここが何処か分かってんのか!おう?」

「けっ、たった3人かよ!」

「……まさか、モンスタートレインから逃げて来たとかじゃねぇだろうなっ⁉︎」


仲間のやられ方と、出てきた敵の少なさに次々と怒声を浴びせ騒ぎ出す男達に、ハーフエルフのリーダーと思われる青年は静かに語り出した。



「やぁ、屑の皆さん。俺はアールヴ・スカンディナ」

「俺の仲間に手を出した、お前達に復讐を、後悔を味合わせに来たんだ。」


「はっ、たかが3人で何ができる!」

「おれたちゃ、50人近くいるんだ、てめーらなんかミンチにして、モンスターの餌にしてやるぜ!げっはっはっは…」

「「「あはははっははは……」」」


…そうか、意外と奥に深くてデカイ横穴なんだな。

俺達を見て侮り馬鹿笑いをする、救えない馬鹿達を1人も逃す事が無いように気を引き締める。


「アージェ、君は無理して殺す必要は無いんだよ?見てるだけでも良いんじゃ?」

「…いえ、私もやります。」

魔法の詠唱を始めるアージェに溜息を吐いて、アリシアにフォローをお願いする。


「ライトニング・アロー‼︎」


アージェの魔法が敵の1人に命中し、そいつは崩れ落ちた。

野盗どもが武器を構え出す。

じゃあ、オレも参戦させてもらおうか!



「召喚士を相手にする事が、どれだけ愚かな事かを思い知らせてやろう!」


しょ、召喚士⁉︎と動揺が広がる中、挨拶がわりに二体のアサシネイトが、最前列の野盗二人をかぎ爪で刺し殺す。


次に、トーチャーオフィサーが出て行き、攻撃してくる敵の武器を弾き飛ばし首をハサミで切り落としていく。


焦り出す野盗達に、キラービーとヘルハウンドが襲い掛かり、針に突き殺される者、毒や火傷でもがき苦しむ者を量産していった。


最後にデスナイトを放つ。

何とかそれまでの攻撃を防いでいた、高レベルの野盗がデスナイトの横薙ぎの一閃で吹き飛び壁に激突し泡を吹いて倒れる。



奴等の顔が徐々に青ざめ、悲鳴が増えて行く。

右往左往し、俺達の所まで逃げて来る奴が居るが、わざと両手足を俺の剣で斬りつけデスペナを与える。

動けなくなった野盗をアージェが魔法で始末する。


淡々と容赦なく潰して行く。

ーービー……ビー…ビー


「っつ!」

なんだろう、頭の奥で音が鳴る……頭が痛い。

…いい所なのに音がウルサイ。


音を無視して、敵を始末しながら奥に進んで行くと三つの部屋に分かれていた。

右手にはアサシネイトを送り、左手にはキラービーとヘルハウンドを送った。

どちらかが奴隷部屋だと思われるので、襲って来る野盗のみ殺すように、忘れず指示しておく。


ーービー……ビー……


まだ聞こえる。ウルサイ!

くそっ、頭が痛い……


何とか振り切って奥の部屋に入る俺達を待っていたのは、戦鎚…と言うのだろうか?槍の先端にハンマーを取り付けたような武器を持つ、軽装鎧を見に纏った男だった。

男は椅子に座りながら、余裕のある表情で俺達を見ている。


「……こんな所までやって来るなんて、なかなかヤルじゃないか!」

「随分と余裕のだな……後はお前位しか残ってないぞ?」

「はっはっは〜。いいじゃないか!久々に本気を出したいと思ってたんだ…こっちの世界に来てから、俺とまともにヤレる奴なんて、ほとんどいなかったからな!」


そう言うと男は椅子から立ち上がって、自己紹介を始めた。

「皆様、初めまして。俺がこの洞窟の支配者ヤサカ・キョウシロウだ。」


……こいつは、「この世界に来て」と言ってた…てことは、俺と同じで転移して来たって事か?

そんなの初めて聞くし、それなら、なぜこんな事をしてるんだよ……



ーービー!ビービー!…ビービー

頭が痛い……音も大きくなって来てる。

なんかヤバイ気がしてきた。

早くこいつを倒して休もう。

転移者かどうかなんて関係ない!こんな組織にいる奴は死んで当然だとなんだ……



「行け!デスナイト、蹂躙しろ!」

「ゔぉぉお!」


「うおっと!…テイマーやネクロじゃねーな……てことは召喚士か⁉︎」

デスナイトの攻撃を軽く躱して、俺の正体を言い当てて来るヤサカにアサシネイトを送り込む。

どうやら、右側は寝室だけだった様だ。


俺の意思を受けて、死角から二体同時に攻撃を繰り出し、デスナイトも追撃を行う。

しかし、ヤサカはバックステップで躱し、アサシネイトを一撃で潰した。


「ぐっ……」

俺のHPとMPが減る。

さすがプレイヤーってとこか…

たけど負けない。


ぶっ殺してヤル……




「ふんっ‼︎…結構、強化されてるけど、低ランクの召喚獣達じゃ、俺の相手はできねぇぞ!」

もう一体のアサシネイトも潰され、デスナイトしか残っていない。


他に敵は居ないようなので、デスナイト以外の召喚は解除した…

「…リブロ」

オリハルコンブックを手の上に出す。


デスナイトは善戦しているが、全てにおいてヤサカの方が上のようだ、

「ペンネッロ」

筆を掴み、書き溜めておいた召喚獣に付加能力を色付けし召喚する。



「出でよ、大天使ミカエル、ガブリエル‼︎」

大きな光が、二体の天使に分かれる。

現れたのは、大きな翼に鉄仮面を着けた男天使ミカエル。

白と黒に分かれた翼を持つ美の化身のような美しさを持つ女天使ガブリエル。


ヤサカも二体を見て、ひゅ〜と口笛を吹く。


「退がれ!デスナイト」

デスナイトがやられる前に天使と交代させ、召喚を解除した。

確実に奴を始末する為、召喚を解除しその余力でもう一体召喚する。


「…これで終わりだ、カーバンクル!」

白い狒々の様な魔物で、額の中心にアメジストの様な宝石を描いている。

こいつは、単体火力は弱いが移動阻害や、盲目・防御力低下等の強力な魔法が使える。



「…おいおい、この数は卑怯だろ……」

呟く、ヤサカの顔色が悪くなっていくのを見て、俺のココロは暗い喜びに満たされていく。


…頭が痛い、

音がウルサイ、

……人の声が聞こえる、

何だ……何を言ってる!

分からない……


ーービービー!ビービー!

ーー緊急警報、緊急警報!

ーー生存者ガイマス。ーー生存者ガイマス。

ーービービー!ビービー!


「……おい……ぞ!」

「…ほん…だ、お…!…っちだ!」



……なんだろう。

体が重い。

目の前が真っ暗だ。

寒い……ヤサカは、アリシアやアージェは何処に行ったんだ…



ーーガシャ! ーープシュー


「おいっ!君、大丈夫か⁈」

「…あっ、ぁぁ……」

「意識があるぞ!こっちだ!良かったな、もう大丈夫だぞ…」

…優しく話し掛けて来る、男の人の声が聞こえる。

警報音に、身体中の痛み、寒気……

そして、救急隊員の人達の暖かさ……











……俺は、現世に戻って来てしまったようだ。








ーーーーーーーー第1章 完ーーーーーーーー

ご愛読ありがとうございました。

一旦、一章で終了とさせて頂きますm(__)m

この先も構想はあるのですが、他の話も作ってみたく、機会があればまた書きたいと思います!

でわでわ。

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