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†アルヴス アトリエ オンライン†  作者: ネコまっしぐら
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俺が戦場に現れ天使を召喚した事により、一部の召喚を知る者達が一斉に周囲へ情報を伝えて行く。


広場は横に30m位あるけど、人族の軍はかなり押されているように見える。

小太郎中将は追加の部隊を薄くなった列に加えていて、細かく指示も与えているので、優秀な将なのだろう。

俺も負けじと召喚した天使のを兵士の上から敵軍にぶつける。

最低位の天使であるアークエンジェルでは、基本物理攻撃中心で、自己回復用の簡単なヒーリングしか持ち合わせていない。

ただし、斬撃や刺突耐性があるので、ただの兵士が物理で倒すのは厳しいはずだ。



押し寄せる敵軍の中に舞い降りたアークエンジェルは右手に持つ光の剣を一振りする。

普通であれば、どんな怪力を持つ者でも一撃で吹き飛ばす事ができるのは4、5人だと思うが、アークエンジェルはそんな常識を無視するように、剣の射程に入った敵を斬りつけ吹き飛ばしていく。

ここにいる亜人の殆どは猫の特徴を持つケットシーで、それに混じりウエアーウルフの一団も見える。

どちらも身体能力を活かすために軽装鎧が主装備なので、あの一撃を受けると相当なダメージが入るだろう。


アークエンジェルの斬りつけ攻撃とシールドで薙ぎ払う、シールドバッシュと言う二つの技だけで彼等を混乱に陥れているようだ。

体格の良い何人かが勇敢にも挑んでいるが、二撃と持たないのがほとんどな中、亜人では珍しく重装鎧を見にまとった、一体のウエアーウルフがアークエンジェルの攻撃をかろうじて捌いているのが見えた。



都市内への侵入を防ぐ為、兵士で壁を作ってはいるが、少しずつ後退させられたいるせいか、隙間が出来始めている。

このままでは街や民家への被害が避けられないかと思っていると。



………様子がおかしい。


さっきまで、続々と押し寄せていた亜人の兵士達が徐々に引いているように見える。


それに、亜人の比率がケットシーからウエアーウルフの方が多い状態に変化して行っているようだ。

小太郎中将にもう少し踏ん張るように伝え、アークエンジェルへ指示を出す。


いつのまにか数体の重装ウエアーウルフに囲まれていたので、攻撃系で唯一の魔法【フラッシュウォール】を発動させる。

すると、アークエンジェルの周りに眩い光の壁が出来る。攻勢を掛けていたウエアーウルフ達の動きが乱れたのを逃さず、攻撃を再開させる。


抵抗していた敵を粗方片付けると、亜人達の兵が橋を撤退していくのが見えた。

どうやら、追撃もしないようなので、俺も動かなくて大丈夫だろう。

敵の捕縛と味方の救護に走る味方の邪魔にならないよう、アークエンジェルを呼び戻し端の方で状態を確認する。


「だいぶダメージを受けてるなぁ、魔法か属性武器持ちでも居たって事かな…」

出来る範囲の自己回復をさせ召喚を解いた。


………やっぱり初級装備じゃ、無双なんかには程遠いな。こんなんじゃ異世界生活を楽しめないし、キャラ召喚も定型の物しか描けないなんて意味が無い。

一先ず防衛戦は被害も少なく凌げたようだし、ゲーム時代に追いつけるように装備品を充実させて行こう!



そんな事を考えながら、ジェラサード将軍の元へ城下町を歩く。

避難したり、家に篭っていた人達がソロソロと周りを伺いながらお互いの無事を喜ぶ姿は、見ていて嫌な気持ちにはならない。

俺が、この人達を守る手助けをしたのかと思うと少し自分が誇らしかった。




城内に戻ると、近衛兵がやって来て作戦室へと案内される。


部屋に入るなり、いきなり「よくぞご無事で」と美月王女に抱きつかれた。

いい匂いと共に、豊かな双丘の感触が俺のウルフな部分を刺激していた…

これ以上はヤバかったので、大変惜しいが、自分から引き離し戦勝の報告をする。



ジェラサードさんから、どうやら召喚士の存在を確認した事で敵は撤退したようだ。との事を聞いて自分の任務は完遂出来たようだとほっとした。

美月王様からは、今日はゆっくり休んで、褒美に関しては明日改めてという事を告げられた。その後は、前線の状況とアークエンジェルについて、いくつか質疑応答をして部屋を出た。



昼食は王城で採り、午後からは城下の都市散策を行った。

ついでに防具店にも寄って、明日から【王室御用達】になる事を伝えたら、奥さんにエラく感謝された。

……オヤジさんはあまり意味分かってなかったみたいだけど。


その後、しつこく晩飯に誘われたので、半分押し負けて言葉に甘える形で、4人で食卓を囲み楽しく食事を頂いた。

気づかなかったけど、二人には5歳くらいの息子さんが居て、今朝の戦いの話をしてあげると目をキラキラさせて喜んでくれた。

実に可愛い。



その後、王城の貴賓室に戻ると、ベッドの上で泥のように眠った。



ゲーム時代なら、ログインして12時間ぶっ通しで狩りや攻城戦とか平気だったのになぁ…

生身での体験になると、肉体レベルに精神レベルは付いていかないと言う事がよく分かったよ。




「………ふわぁあぁ…よく寝た。」

今朝はうなされる事も無く、スッキリ目覚め、体調もバッチリだ。

身支度を整えていると、メイドさんが朝食の準備ができたと呼びに来てくれたので、一緒に向かい、王族専用の食堂に通される。



………知らないおじさんが………

ぼーっと入り口で突っ立っていると、美月王女が笑いながら椅子に座るよう促してくる。



席に着くと、長テーブルの俺と真反対に座る、体の悪そうなおじさんが口を開いた。


「初めまして、召喚士殿。儂は宗馬・ベーゼ・エル・シッド二世と申す」

「この度は貴殿の働きで、国の平和が守られた事、兵の損害が少なく済んだ事、大変感謝している。」

重々しく、丁寧に話す国王の言葉には確かな威厳を感じ、こちらも丁寧に名乗り返す。

「申し遅れました、私はアールヴ・スカンディナと申します。旅の途中でご縁があり、防衛戦に参加致しましたが、私の力が役に立って何よりです。」



うんうんと数度頷くと、国王は体調が優れないので先に失礼すると部屋を後にした。

国王が座っていた席の右手前に座っていた美月王女が、父は体が良く無くてと申し訳なさそうにしていた。

俺は特に気にならないので手を振っていると、美月王女の向かいに座っているアホ毛がピクンと動いた。

淡いピンク色の髪を肩下まで伸ばしていて、姉譲りの美貌は幼いながらも美しさを醸し出しており、なによりも強い意志を感じる瞳が俺を見つめていた。美咲姫だ。

他にも二人兄弟がいるそうだが、今日は不在とのことで、俺は意を決して席を立つ。



………


美咲姫の前に片膝をつき、「先日は美月王女にご無礼を申し上げ、大変申し訳ありませんでした。」お許し頂けませんか?と聞くと「そちの働きに免じてゆるす!」と返事が帰ってきた。

俺はお礼を言って、これはお詫びの印ですと赤いガラスで出来たブローチを渡した。


「これを割ると、中の魔法が発動して割った人の危機を知らせてくれんですよ。」そう付け加えて席に戻ると、美咲姫は意外と嬉しそうに俺があげたブローチを見ていてくれた。



その後、朝食を採りながら今後について聞かれたので、装備品強化の旅に出るつもりだと説明したら、美月王女にかなり寂しそうな表情をされた…

………もしかして、本当に脈ありなのだろうか…





部屋で旅支度を整え待っていると、近衛兵からお呼びが掛かる。

一緒に謁見の間へ入り、美月王女からお礼の言葉と褒美を頂戴する。


報奨金1000万Gとマジックバックを受け取り、久々のマジックバックの感触に涙目が出そうになる。

今まで、持ち物は布で包んで手持ちだったから、これからの旅に凄く助かる。ちなみにこの世界ではかなり高額アイテムらしい…


あと、王室御用達の件は、取引店目録に追加されているのを見せてもらった。




授与式も終わり、色々とお世話になった人に挨拶していると美月王女がやって来た。

「旅の無事をお祈りしております。」と笑顔で言われ「いつでも戻って来て下さいね。」と小声で追加される。

…いや、ほんとに惚れますって

…なんかイケそうな感じがするは気のせいななか


………


「それでは」と、

意を決して手を回そうと思った俺から離れ、笑顔で見送られる。


作り笑いで返事をすると、俺はアークエンジェルを召喚する。驚く周囲を他所に、俺は美月姫にアークエンジェルを預けると伝えた。

倒されると消えるが、三体まで同時召喚出来るので、また描けば良いので大丈夫ですと笑い掛けた。

少し俯いた後、「大事にしますね」と言ってくれた…なんだか王女様ら頬が赤くなってません?


まぁ、気のせいかと仕切り直して、今度こそ出発する。




見送ってくれる皆に手を振り、まず最初に向かうのは、ここから西に3日程行った所にある、冒険者の都市【シャーリア】だ!!

書いた話を添削してアドバイスしてくれる機能があれば、課金してしまいそうですね…

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