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旧:転生少女の無双物語  作者: アイアイ
〜記憶喪失編〜
41/56

39.お偉いさんの元へゴー!

「んじゃ、行くよ」


「うん」


フィラルがそういうと、アクアブルーが転移魔法を使った。


「着いたよ~」


「え、ここ?」


「うん。じゃあ、あたしたちは戻るね〜!」


そう言うと、消えていった二人。

…。ありがとうね。っていうか、無駄にでけぇ扉ね。理事長室って書いてあるし、しかも金色だし。目、チカチカするし。


「これさ、絶対たくさんのお金がかかってるよ」


「うん、フィラルちゃんに同感」


フィラルの言葉に賛成するネフライト。


「…んじゃ、ネフィー。行こっか」


「うん」


そうネフライトが言うと、フィラルはネフライトと手を繋いで扉を開けた。


「し、失礼します‼︎」


「誰だ?」


入ってみると、中はあの扉に反して普通だった。

そして、中には理事長と思われる人が背もたれと肘掛付きの椅子に座っていた。


「えっと、フィラルです」


「ネフライトです」


私たちが自己紹介しても無反応な理事長さん。

...ちょっと!なんか反応してよ〜!


「あ〜‼︎」


突然声をあげた理事長さん。


「ねぇ、君」


ん?あたし?

気になって自分を指差すと、理事長らしき人がそうだよと答えた。


「もしかしてフィーちゃんかい?」


「え、あ、はい。...なんであたしの名前を...?」


「僕を忘れた?センリだよ。センリ。...記憶、戻ったんだね」


「ん?あ〜‼︎センリお兄ちゃん⁈なんで記憶のこと...」


しかも何で理事長室にいるの?まさか......。


「そう、そのまさかだよ。僕はここの理事長。それと君の記憶に関しては元最高神のドラグニールから聞いたよ」


「え、知り合いだったの⁈」


「うん。会えて良かったよ~」


「は、はぁ…」


「ま、雑談はここまでにして…。で、何の要件かな?」


さっきまでニコニコしてたセンリお兄ちゃんが、突然真剣な顔をして聞いてきた。

…ひえ〜。いきなり真剣な顔にならないでよ。こっちまで緊張するじゃない。


「えっと、要件はマジェイア学園に入学することを拒否しに来たのですが…」


フィラルの代わりにネフィーが答えた。

お、ネフィーありがとう。


「断るよ」


「え、何故ですか‼︎」


「じゃあ、僕も君たちに質問をするよ。…何故マジェイア学園に入学することを断る?マジェイア学園に入学すれば将来の仕事をいろいろ選べるのに」


「え、だって、ねぇ?マジェイア学園って勉学中心に学ぶでしょう?だからなのよ」


「ふーん。でも勉学中心じゃなくても戦闘訓練中心でも選べるんだよ?」


「あ、そうなんだ。…でも嫌だ。あたしはティフォディオークテ育成学園に入学するよ。何が何でもね」


「…そう。じゃあ、君は?」


「私ですか?…私は、マジェイア学園に入学しようと思ったのですが…。マジェイア学園の教師どもを見て失望しました。だって、フィラルちゃんを処刑しようとしてたんですよ?」


「え、何でそれを知って…」


「それはあとで説明するよ。…まぁとにかく失望したから入学する気失せたんですよ」


「へぇ〜!でも、理由はまだ他にあるんだよね?」


「…‼︎えぇ、理由は他にもありますよ。私はフィラルちゃんと一緒に行けばこんなつまんない日常も楽しくなると思ったのですよ。それに、危なっかしいレボルヴァ公爵家のお姫様を守るという僕の使命がありますし」


…⁈この声って…どっかで…?

あ!ノエル君の声だ!


「ねぇ、ネフィーって、ノエル君、なの?」


「はい、そうですよ。…久しぶりですね。お嬢様」


そう言うと、ネフィーの姿がノエル君になった。

あぁ、本当にノエル君だ…。


「ノエル君…。久しぶりね。ごめん、なさい…。母様と姉様が…!母様と姉様が…」


「はい、事情は承知しております」


「うぅ…ごめん、なさい」


「大丈夫ですよ。ところでお嬢様…。あれから数年くらいたちましたけど、あまりお姿が変わってないような気が…。その前に若返りしました?」


「あれ?知らなかったっけ?あたし、記憶を封じられて年齢戻っちゃたのよ。…知ってたと思ったんだけどな…」


「聞いてないですよ!…このことは旦那様方は…?」


「知らないよ?って、父さまと兄さま生きてたの⁈」


「はい」


「…よかったぁ」


本当、よかったよ。

父さまと兄さままで死んでいたら私ひとりになる…。


「…ねぇ?お取り込み中悪いんだけどさ、僕の話はまだ終わってないよ?」


「あ…」


「ま、いいや。マジェイア学園に入学する件は、えっと、ノエル君だっけ?ノエル君は入学しなくてもいいよ。…でも、フィラルちゃんはダメ。…僕たちはね、こんな能力のある子を手放したくないんだよね〜。だからさ、僕が納得のいくように決闘しようよ?君が勝ったら入学の件は諦める。でも、僕が勝ったら入学してよね?」


…なんで決闘?人族と天使族は戦えないんじゃ…。

まさか、センリお兄ちゃんって天使族…?


「半分正解で半分不正解」


へ?半分正解で半分不正解?


「それってさ…。人間と天使族の血が流れてるってこと?」


「お、さすがフィラルちゃん。物分かりが早くて嬉しいよ。…そう、僕の中には天使族の血が流れてるんだ」


あ、そう。興味ないわ。


「で、いつやるの?」


「興味ないって感じか。まぁいいけどね。…決闘は来週の朝にここでどう?」


「……ん。じゃ、ここで集合ね。バイバイ」


フィラルはそう言うと、ノエルを連れて消えていった。


「…はぁ…。なんか五歳児と話した気がしないよ。まぁ良い。……ごめんね?フィラルちゃん。悪いが今回の決闘は僕が勝利をもらうよ?ふふ、ふふふ」


一人残った理事長室では、理事長が一人不気味に嗤っていた。





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