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転生少女の無双物語  作者: 胡蝶
〜記憶喪失編〜
41/62

41. 再会のノエルと、理事長センリの挑戦状。

「着いたよ~。んじゃ、あたしたちは戻るね!」


 アクアたちが消えた先には、悪趣味なほど金ピカな扉。そこには『理事長室』のプレートが掲げられていました。


「無駄に豪華ね……これ、絶対生徒の学費を注ぎ込んでるわよ」 「同感だよ、フィラルちゃん」


 私とネフィは顔を見合わせ、意を決して扉を押し開けました。


「失礼します!!」


 中にいたのは、豪華な椅子に深く腰掛けた一人の青年。……いえ、見覚えのある「彼」でした。


「……もしかして、フィーちゃんかい?」 「センリお兄ちゃん!? なんで、あなたが理事長室に……」


 センリはかつての優しい笑顔を浮かべましたが、その瞳の奥には鋭い光が宿っていました。彼は元最高神ドラグニールとも知己ちきであり、私の記憶が戻ることも予見していたと言います。

 入学拒否を申し出る私たちに、センリは冷徹に言い放ちました。


「断るよ。こんな才能あふれる子を手放すわけにはいかないからね」


「……あいつら教師どもの腐った根性を見せつけられて、誰が入学なんてするものですか」


 横から鋭い声が響きました。ネフィです。彼女……いいえ、「彼」の口調が突然変わりました。


「お嬢様を守るという、僕の使命がありますから」


「え……その声、まさかノエル君!?」


 驚く私の前で、ネフィの姿が陽炎かげろうのように揺れ、かつての従者・ノエルの姿へと変わりました。


「お久しぶりです、お嬢様。……事情はすべて承知しております」

「ノエル君……ごめんなさい、私、みんなを……母様と姉様を守れなかった……っ!」

「泣かないでください。旦那様も若様も、ご存命ですよ」


 その言葉に、私は崩れ落ちるような安堵を覚えました。父様と兄様は、まだ生きている。……私は、一人じゃないんだ。


「お取り込み中悪いけれど。話はまだ終わっていないよ」


 センリの声が、感動の再会を切り裂きました。


「ノエル君はいいけれど、フィラルちゃん、君はダメだ。……どうしても入学したくないなら、僕と『決闘』しよう。君が勝てば自由にしてあげる」


 センリの体から溢れ出すのは、人間離れした神聖な魔力。


「半分正解……僕には、天使族の血が流れているんだ。決闘は来週の朝。ここで待っているよ」


「……いいわ。その勝負、受けて立つわよ」


 私はノエルの手を握り、センリを真っ直ぐに見据えました。


「来週、後悔させてあげるわ。……行くわよ、ノエル!」


 転移で部屋を去る間際、背後からセンリの不気味な笑い声が聞こえた気がしました。  五歳児の姿をした元令嬢と、天使の血を引く若き理事長。  運命の決闘まで、あと七日――。

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