37. 虹色の輝きと、消えた親友。
「ふわぁ~……」
「こら、フィーちゃん。はしたないわよ。今日は大事な属性検査なんだから、シャキッとしなさい!」
ママのガミガミ攻撃が始まりました。
(だって眠いんだもん……。それにしても、ママに昨日のステータスのこと、絶対に言えないわよね。「人外」が大嫌いなママに、あたしが『天使族』だなんてバレたら……考えただけでおそろしいわ)
「フィラルちゃん!」
救いの声が響きました。親友のネフィです。
「おはよう、ネフィ! あ、ママ、紹介するね。お友達のネフライトちゃんよ」
「よ、よろしくお願いします!」
あえてネフィがエルフ族だとは言わずに紹介すると、ママはにっこりと笑ってくれました。ふぅ、とりあえず第一関門突破ね。
会場に到着すると、私は案内役のミューザから「属性検査の後に全結果の発表がある」という情報をゲットしました。
「よし、サクッと終わらせてきましょう!」
✽・:..。o¢o。..:・✽・:..。o¢o。..:・✽
会場の正面には、虹色にまたたく不思議な水晶が置かれていました。
〔二十七番、前へ!〕
ついに私の番です。
「やり方は簡単。水晶に手をかざして、魔力を流し込むだけです」
説明を聞き、私は迷わず水晶に触れました。
「ていっ!」
――その瞬間でした。 ドォォォォォン!! という衝撃と共に、水晶から爆発的な虹色の光が溢れ出し、広い会場の隅々までを真っ白に染め上げました。
「な、なにごと!?」 「ま、眩しい……!」
やがて光が収まると、水晶の上には、あり得ない数の文字が浮かび上がっていました。 【火・水・雷・花・星・風・岩・氷・土・光・闇・無】
「ぜ、全属性……!? 全属性だと!?」
試験官の叫び声で、会場はハチの巣をつついたような大騒ぎになりました。
マズい。目立ちたくなかったのに、これは完全に「やってしまった」感があります。
「……フィラル様、こちらへ。特別室へご案内します」
ミューザの冷ややかな、けれどどこか焦ったような声に促され、私は足早に移動を始めました。ふと、客席で待っているはずのネフィを振り返ります。
(……え?)
そこには、誰一人として座っていませんでした。 さっきまで確かにそこにいたネフィの姿が、かき消えるようにいなくなっている。
「ミ、ミューザ……あそこにいた女の子は?」 「何のことでしょう。あそこには最初から、どなたも座っていませんでしたよ?」
背筋に、氷を押し当てられたような戦慄が走りました。
ネフィはどこへ行ったの? そして、彼女は本当に「エルフの女の子」だったの……? 困惑を抱えたまま、私は王都の奥深くへと連れて行かれるのでした。
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