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辺境生まれの小さな天才魔道具師( 旧:辺境伯貴族家の息子、魔道具修理で無双し王女をも救う)【書籍化予定】  作者: まめたろう
3-3章「小型武器の開発」

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第166話「思わぬ反応」

#第166話「思わぬ反応」


 俺は、風魔法の魔石を用いた魔道具武器の実戦での反応を確認するため、ライゼン、エリシアさん、ミアさんの三人を呼んだ。

 すでに一週間ほど使ってもらっているからおよその感触は掴めただろうと思う。


「みんな、風魔法の魔道具武器の使用感はどうかな?」


 まずはライゼンからだ。


「……まだまだ慣れませぬな。どうしても、斬る方が早いと思ってしまいます」


 予想通りの答えだった。まあライゼンは不器用そうだからね。少しの距離ぐらいならば、どうしても、動いて斬った方が早いという感覚になってしまうらしい。


「盾役になる者がおれば別かもしれませぬが」


 なるほど。そういう視点もあるのか。

 現状、ライゼン自身が前に出て盾役に近い動きをしているという。そこで敵の隙をつき、エリシアさんやミアさんが倒す形らしい。

 魔物に対して三人連携という動きは安定感があるけど、その場合にはライゼンが魔道具武器を使うケースはほとんどなさそうだ。

 次にミアさんだ。ミアさんならばライゼンよりも、うまく使ってくれているのではないか?


「私も、まだうまく使いこなせておりません。やはり私も動いた方が早いという感覚になります」


 意外にもミアさんも厳しいらしい。器用そうに見えるのだけどね。ミアさんもライゼンと同じか。

 となると魔道具武器を使うのは戦略的に問題があるのか? それとも慣れれば何とかなるのか? 俺は戦いに出てないだけに判断が難しい。


「魔道具武器に気を取られると、どうしても注意力が散漫になります」


「それは……分かるかも」


 魔道具武器を使うことで普段の戦闘動作に、もう一つ判断要素が増えるのだ。そのまま戦闘する方がいいのか、それとも魔道具武器を使うべきなのか? 慣れるまでは集中力が削がれるだろう。


「この辺りは、慣れるしかないかと」


「そうだね」


 ミアさんは動きが速い。五メートル程度ならば一瞬で間合いを詰められる。ならば魔道具武器を構えるよりも、自分で仕留めた方が早いと感じるのも当然だ。

 だが、これは慣れの問題でもある。もう少し使ってもらって、武器側で改善が必要ならば考えていきたいと思う。

 最後にエリシアさん。


「私には、いい感じで使える補助武器ですね」


「そうなの? 意外だな」


 意外だったのはエリシアさんの評価だ。エリシアさんは魔法使いだから魔道具武器を使わなくても遠距離から相手を魔法で倒せる。

 だから三人の中では一番不要だと思ったのだけど逆だった。


「魔道具武器で倒せる程度の敵ならば、それで処理した方が効率的です。自分の魔力の節約にもなります。完全に同じではありませんが、普通に魔法を使っているのと同じ感覚で倒せるので他のお二人と違うのでしょう」


「なるほど。エリシアさんにとっては、いつもと同じタイプの戦闘だからか」


 どうやら俺は思い違いをしていた。魔法を使えない人の方が魔道具武器は使い勝手がいいと思っていたけど逆だ。

 普段とは違う戦闘を組み合わせる必要があるから、どちらを使えばいいのか判断が難しくなる。

 もちろん慣れれば使い勝手が良くなるかもしれないけど、一週間やそこらで複数の選択肢に慣れるものではないらしい。

 エリシアさんは似たような戦闘に慣れているからこそ、使い分けができるのか。


「うまく扱えれば、別方向にいる敵を同時に牽制できます。戦術の幅は広がりそうです。それは魔法でもできますが、魔道具武器を使うとより効率的になりそうです」


 頼もしい。

 俺としては、魔法を使えない人向きの武器だと思っていたのだけど、短期的に見れば結果は逆だった。

 ただし慣れてからどうなるかは分からない。しばらく使ってもらうしかないだろうな。

 そしてエリシアさんが運用方法について提案してきた。


「もう少し数を増やすことができるならば、魔道具武器の専門部隊を作るのもいいかもしれません。まずは魔道具で一斉射撃をして残りの敵がいれば剣を使うものが対応するなどの戦略が考えられます」


「それが自然な運用方法でしょうな。それならば魔法も剣も苦手な人間でも戦場に出れます」とライゼン。


「私もそう思います」とミアさん。


「なるほど、そうかも。運用方法から考えた方が効率的かもしれないね」


 そうだ、運用方法を考えた方が効率的かもしれない。さっきはライゼンが盾役がいれば使いやすいかもと言っていたけど、盾役と魔道具武器の専門部隊がいるといい感じになりそうだ。

 そもそもこの武器はエレンさんのように武力がない人のために作ったものだ。ライゼンやミアさんのように、すでに強い人にとっては不要なのかも。逆にどちらを選べばいいかと戸惑うだろうからね。


 ともかく、このフィードバックは非常に貴重だ。運用方法、そして今後の武器開発に必ず活きると思う。それぞれに必要な武器の開発も場合によっては進めていくことになるだろう。

 そうそう、その肝心な人の使い勝手を聞くのを忘れていた。


「ちなみにエレンさんは?」


「私の場合は……的に、なかなか当たっておりません」


「エレンさんの場合は、まずは練習だね」


 やっぱり。そんな気もした。どうやら使い勝手以前の問題らしい。エレンさんは武器を構えただけでフラフラするし不器用だ。それは運動不足が原因でもあるだろう。だから、まずは運動不足から直した方がいい気がする。

 せっかくエレンさんのために開発した武器だ。できればきちんと使いこなしてほしいところだね。

いつも読んで頂いてありがとうございます。毎日の投稿を限界まで続けていく予定です。


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