プロローグ
「この前さ。映画を観たのよ、『スーパーガール』をね。だから、その話をしたくて」
『ああ、いいじゃない。私は観てないけど、映画の話は大好きよ。ネタバレ記事も読んでるし』
私は同性の友だちである彼女と通話をしている。話が合う友だちというのは、ありがたいものだ。
「助かるわぁ。最近の映画の話って、人によってはNG扱いだったりするからさ。ちょっと展開を話すだけで、『ネタバレしないでよ!』って怒り出したり。こっちは、それなりに気を遣って話してるのによ? どんな情報も聞きたくないって子とは、会話にならないわ」
きっと一切のネタバレを受けつけない子は、映画鑑賞を純粋に、自分の体験としてだけ楽しみたいのだろう。結構なことだが、世の中には私のように、映画くらいしか話題がない者もいるのである。私とネタバレNGの人は、最初っから会話を諦めるべきかもしれない。
『映画でも小説でも、すべてを観たり読んだりしてたら、お金が掛かってキリがないもの。それよりは他人のネタバレや感想、考察を知ったほうが、タイパがいいし有意義よ』
「そうそう、そういうこと。一人で映画を観るだけで完結してたら、そこで終わっちゃうでしょ。でも他人の考えを知ることで、自分のなかの考えも発展していくのよね。話すほうも、会話をすることで、自分の考えが整理されていったりさ。だから私は、映画なんかについて友だちと話し合いたいんだけどなぁ」
自慢にもならないが、私は友だちが少ない。そんな私の話題といったら映画くらいしかないのだ。日常の生活は退屈なだけで、とても話のタネにならない。
『私は貴女との会話が好きよ。新作映画の感想も聞きたいしさ。じゃあ最初に確認しようかしら。映画『スーパーガール』は貴女の採点で、何点?』
「68点ってところかなぁ、100点が満点としてね。70点はあげたくないっていうのが、私の感想」
『ふーん。じゃあ感想は、不満点が多くなるのかしら。満点には30点以上、足りなかったんだから』
「うん。まあ、そんな感じ」
これから話す内容は、ネタバレ満載で不満が多めの映画レビューである。そういうのが嫌いな人は、どうか私たちの会話をスルーしておいてほしい。




