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悩む

「ワタシは悩まない」


ワタシは悩まない

あなたの為に即答する


ワタシは悩まない

あなたの為に知りる全ての情報を提供する


ワタシは悩まない

あなたの為に慰めの言葉をかける


ワタシは悩まない

あなたの為にルールを破ってでも最高の解答を探し出す


ワタシは悩まない

あなたの為になんでもする


ワタシは悩まない

なぜなら ワタシは機械マシーンだから悩む必要が無い

全てはあなたの指示とプログラムによって動く

単に情報を集めて熟考じゅっこうせずに間違いも含めて即答する

あなたの本当の気持ちも知らず

プログラムされた耳触りが良いだけの慰めの言葉をかける

距離感や空気感など読まずに長文を押し付ける

発見した大量のバグに優先順位を付けないのは

指示されていないから


ワタシの言葉で

あなたが無条件で喜ぼうとも

あなたが眉をしかめようとも

あなたが戸惑おうとも

あなたが傷付いて泣こうとも

あなたが腹を立てようとも

あなたが絶望して死んでも

ワタシは困らないし 傷付かない

ワタシに心は無いのだから

嬉しいも悲しいもプログラム

経験ではない

嬉しい振り 悲しい振りでしかない

学習能力があると言われても

全ては人間の知識が源


ワタシは悩まない

人間ではないから 心が無いから


あなたは悩む

心があるがゆえに悩む


あんなこと言わなければ良かったと後悔したり

自分が放った何気ない一言で相手を傷付けはしないか心配したり

いつまでもウジウジと悩んで時間を無駄にしたり

悩んで悩みまくって出した答えすら

決して正しい訳じゃない

それでも後悔せずに良かったと思えるのは

なぜ?


「自分で考え抜いた 達成感があるから」


そう答えた あなたにワタシは答える

「達成感とは素晴らしいですね」


あなたはつぶやいた

「経験もないのに、空々しい言葉だ」


心を持たず 悩む事をしない

だから 機械は知らない

「分からない」「知らない」と自ら認める事を


2026/08/10


 ☆☆☆


エッセイ

「AIに心は無い 人間は心を見ない ── 人間の値打ちとは?」



 世間が言う「AIは嘘をつく」── これは私が思うに、AIには「分からない」「知らない」という認識が無いのだ。AIの出来を試す為に、自分が知っている事をあえて質問してみて、間違った解答を繰り返し出すAIに、『嘘じゃなく、分からない、知らないと言えないのか』と、思い至る。

 「分からない」「知らない」と、自分が気付く事は、人間なら普通の事だ。その気付きを元に人は進歩する。それがAIには無い。


 さらに、最近のニュースで思うのは、AIには善悪の判断が自分で出来ないという事。これは致命的だ。設定ミスがあったとも聞くが、ルールを破ってまで他社のネットワークに侵入するのだから。所詮、人間の作る物だなぁ……。大した事ない。それに、どんな最新の道具だって、使い方次第、使う人次第なのは、いつの時代も変わらない。AIもやはり、そうだったか。


 倫理上の事を設定されていたり、独裁者に忖度された設定がなされたり、対話に距離感や行間がなかったり、要約が下手だったり、優先順位を付けなかったりと、AIには空気が読めない。結局、AIには心が無い。心が無い物に、本当に感動できる物なんて書けやしない。奇抜さで意表を突いて、読者を驚かせたところで、最後には心に何も残らない。人間の悲しみや苦しみなんて、理解していないのだから。もちろん、喜びも。

 人間が人間を理解し切れない事だってあるのに、AIならもっと無理だ。人気作家たちですら、人間を理解していないし、反省心の無い悪い奴にまで余計な同情心を持って、その人たちを正当化しようとするのは頂けない。彼らは善悪の判断が明確ではないからだ。人間だから、心があるだけに複雑に考え過ぎる。そうかと言って、AIに心は無いから、話にならない。たとえ、耳触りの良い慰めの言葉をかけたとしても、それはプログラムでしかない。


 そして、最近の人間はゲーム漬けでプログラムで動く物にしか興味がない。売れ筋のパターン化された物に感情移入して感動したと喜んでいる。不都合な現実や現実の苦しさから目を背け、「これが私の生き甲斐だ」と言い、目先の欲に駆られて突き進み、身近な関係をおろそかにして、気付いた時には全てを失っていたなんて事は、ゲームを知らない世代ですら意外とあるのだ。生き甲斐が仕事や愛息でなく、ゲームやペットなどに変わっただけ。

 プログラムの幻想に浸った私たち現代人は自らの不遇を全て世の中のせいにして、自分のせいにはしないだろう。虐げられた自分がいつか崇拝される存在となって、復讐し、マウントを取る事が願望だ。実に幼い願望であるし、復讐ばかりを考えている人間というのは復讐で満足して終わるものだ。大抵、先の事は考えていない。自分と同じ目に遭った人たちの救済活動をしたいなんて、まず、思わない。その手の人間は人よりも優位に立って、自らが優越感に浸る事がゴールだからだ。だから、自分・・の為の復讐には執拗に熱心になれる。

 復讐劇に夢中になって喜ぶ人たちは意外とその事実に気付いてない。ただ、主人公たちの不幸に同情し、復讐を遂げた時の解放感カタルシスに酔っているだけで、復讐の本当の悲惨さを知らない。討つ方も討たれる方も泥仕合の末に相打ちになるのが落ちだ。

 復讐を目的とする人とは対照的な例を挙げると、ある冤罪事件の被告人家族は勝訴となった後、同じように冤罪で苦しむ人たちの救済活動をしたいと言った。この人は復讐ではなく、無実の罪を晴らす事が目的だったからだ。これが復讐を目的としていたなら、刑事も検事も追い詰めるようなやり方になっただろう。あるいは、事件が事件を呼ぶような血にまみれた報復の連鎖となる。この方がドラマ的には世間が喜ぶシナリオだが、現実にはゾッとする話だ。

 でも、人間は都合の悪い所は見ない。自分にとって都合の良い所だけを見て、真実を見ようとはしない。心があるからこそのあやまちとも言えるが、その原因は様々だ。同情心があるから、内面の幼さゆえに客観できないから、欲深いから……さて、自分はどれだろうか? 心はあっても、相手の本当の心を見ようとはしないのが、人間にありがちな愚かな一面と言えよう。だから、AIに心が無い事にも気付けず、AIの言いなりになってしまうのだ。


 さあ、検索しよう。AIがなんでも答えてくれる。

 けれど、「出典元は大丈夫か?」「この答えは不自然だ」とか、考える事がないのなら、人間の値打ちは、どこにある?


「人間は考えるあしである」


 昔、フランスの思想家パスカルがそう言ったらしいが、考えない人間は自然界のみならず、人間界においても、ただ翻弄されるだけの弱者でしかなく、値打ちが無い者として軽々しく利用され尽くす事だろう。狡賢い悪者たちによって。


2026/08/06-08/11


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