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第1話その22 『突然手に入れた異能の力でカースト制度を覆す!』

 散り散りになった雲の影に残されたサメジマは一人、天を仰いで考える。



『お前が一体、何を知っているって言うんだ!!!』



("何を知る"、…………だぁ?)



 薄れゆく意識の中でサメジマが思い出していたのは、いつかどこかで聞いた言葉だ。



『君は世界の何を知る』



(……ありゃあ何だったか、何とかって本の言葉か。道徳だったか国語だったかの時に読まされた本の言葉だったか。確かそん中に登場する主人公へ投げられた言葉だったっけか…………)



『君は世界の何を知る』



 その本に登場する主人公が、なんだったかそれまでに自分が見てきた世界には隠されたモノがあって、それを認めきれずに足を止めるって場面だったか。んで、そいつの前に急に変な奴が現れてそう言ったんだか、『君は世界の何を知る』


 ソイツの問いかけに主人公はどっかで答えを見つけて、そんでまた進んでいくって場面だったはずだ。詳しくは覚えてねぇ。



「俺が、一体何を知らねぇって……。テメーは、テメーらは一体何を知ってるって言うんだ…………?」



 一人呟く。その問いかけは風に流され消えていく。誰に届くことも無くひっそりと。あるいは聞く者は必要なく、サメジマは自分に問いかけたのかも知れない。



「……わからねぇ。わからねぇ、が、今は んなもんどうでも良いことだ…………なぁ、お前ら」

「────サメジマくん」


 サメジマが視線を横に向けると、サヤマとイルマが側に来ていた。その後ろの少し離れたところにはA組の面々も集まっている。



「サメジマ……」

「わーってるよ。何度も話しかけんじゃねー。わーってんだよ……」



────そうだ。今は、んなもん関係ねーんだ。その答えがわからずとも、今、一つだけ確かな事は……。



 一つ深い呼吸をおいてから。



「…………悪かった。俺の負けだ」



 サメジマは謝罪した。その言葉は誰に向けられたのかはわからない。サヤマにか、イルマにか、今まで窮屈な思いをしてきた面々にか。わからない。わからないけれど。



────俺は負けたんだ、こいつらに。何も力を持ってねぇサヤマに、つられて現れたイルマに。確かにこいつらに負けたんだ。"負けたなら"謝るってのが当然だ。



「悪かった」



 二度目の言葉は意図して出したモノでなく、自然と口から(こぼ)れたらしい。出した本人はそれに気づかず。



「────うん、私は許す。それと、これで仲直り」



 唐突に、サヤマがサメジマの小指とイルマの小指をくっつけた。


「あぁ!? 何しやがんだテメー! いてぇっ!!!」


 不意な出来事に気が緩んだせいか、サメジマの全身に痛みが広がった。


「ちょっとサヤマさん!? どうして急に」

「……え。ケンカをしてね、決着がついたら仲直り。私は小さい頃からそう教わってきたけれど、それって普通の事じゃないの……?」


 それぞれが見せた反応に、何か変な事でもしたのかと、きょとんとした顔をしてみせるサヤマ。



「いや、ふふ。それは、確かにそうなんだけどさ、はは……ははは、あはははは、いたぃ! ふひひ」


 イルマは腹を抱えて笑っている。しかし激しく体を動かしたせいか、痛みが走るらしい。


「ケッ! やーっぱりテメーはイカれてやがるぜサヤマ」


 サメジマも思うところがあるのかそっぽ向く。そんな光景を離れたところで見ている者たちもまた、それぞれの反応を見せていた。


 歓喜の声を上げる者、感極まって涙を浮かべている者、二人の真似をして小指をくっつける者、それぞれだ。


 そうして賑わいを見せてから少し経ったあと、ポツリポツリと拍手の音がし始める。誰が始めたかはわからないが、クラスのみんなが彼らを称える。



「イルマぁ!」


 サカドだ。イルマとは学園に入ってからの付き合いで、顔を合わせれば挨拶を交わし、用があれば声をかける。そんな程度の付き合いのイルマの隣に座る者。


 サカドが二人を呼び寄せた。


「良くやったなぁ、イルマ! それにサヤマ! お前マジですげーよ! お前らマジですげーよ! あのサメジマを倒しちまうなんて本当にすげーよ! てかイルマ! お前は本当によく生きてたな! あの時、『権力』にやられちまった時はガチで死んだかと思っちまった! ……そんでな」


 サカドを先頭に、後ろでクラスの面々が横並びとなる。


 列に並ぶ者たちは真剣な眼差しを2人へ向けて。


「「「ごめんなさい」」」、声を揃えて深々とお辞儀をした。


「え?」


 サヤマは再びきょとんとした顔をする。横に立つイルマは軽く微笑んだ。


「……オレもさ、サヤマ。オレも知ってたんだよ。てかここにいる皆お前が一人でオレらのことを守ってくれてるの知ってたんだよ。サメジマから。だけど、それでも皆で見て見ぬ振りをしてたんだ! 悪かった! 本当はイルマだけじゃねー、オレたちもお前にお昼出したりするべきだったんだよあの時に オレたちだって本当は力に「わかってる」


 サヤマはサカドの言葉を遮った。きっとこの後にはそれぞれが抱えて来たであろう重圧を言葉に出させる事になるから。サヤマはじっと彼らを見据えて遮った。



「────ッ! サヤマ、イルマッ!!!」

「「「ありがとう! それとこれからは、どうかオレ(私)達とも友達になってくれないか、お願いします!!!」」」



  二人は目を合わせてこう返す。



「「もちろんだとも、俺(私)達の方こそよろしくね!」」




 快晴の空の下、新入生達の笑い声がアマノガワ学園いっぱいに広がった。


 その声は、まるで長く続いた雪を溶かすように暖かく、きっと春の訪れを告げる風の声に間違いない。


 これはきっと、輝かしい時代を照らしていく新星児たちの産声だ。









────かくして4月中旬に、僕たちの戦いは始まった。



総人口1億の高校生が思い思いの日々を暮らす

超巨大学園『アマノガワ』


そこに蔓延する星による階級社会。



『カースト制度』を覆す為の激闘が、その幕を切って落とされた────────。

 





 第1話 『突然手に入れた異能の力でカースト制度を覆す!』 完

ここまでの長い間の御読了?誠にありがとうございます!


うあああああああああ!!!やーーーっと1話完結というの形となりましたぁ!!!


本当にこういった作品作りというのは初めての事でして、まだまだ伝えきれないモノがいっぱいあって悔しい気持ちでいっぱいですが!なによりも!


誰かに読んで頂けていると言う事実が僕にとっては最大の幸福です!

お読み頂いているアナタ様に、ありがとうございます!



そして今回で第1話完という事になりましたが、まだまだ表現出来ていない世界観、人物、能力などなど、ありますので!引き続きの読了の程を是非よろしくお願い致します!


加えて今回登場した、『君は世界の何を知る』これが作品の根幹?に関わる大事なモノになるはずですので、それをしっかりと表現できるように頑張っていきます!


最後に、ここまでをお読みいただいての感想等がございましたらぜひ何でも作者に投げかけてください!それもまた励みになります!質問があれば答えられる範囲で答えます!


本当に、本当に、本当に、ここまでの御読了誠に有難うございます!これからも宜しくお願いします!

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