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異世界奴隷兵団  作者: 久保系
第二章 呪術師と社畜の関係
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ネクロマンサー②

死体使い(ネクロマンサー)か…それは厄介だ。やれやれ、どうしたもんかね」


 チーフは顎に手をあて、空を見上げて何かを考えている。おそらく、何か策を練っているのだろう。厄介と言いながらも慌てない様子は、とても頼もしく感じる。さすが、兵士達を束ねるチーフは一味違う。


 俺も何か役に立ちたいのだが、分からない点が多すぎてついていけない。せめて足を引っ張らないためには、現状を把握する必要がありそうだ。不死王についても凄く気になるし(できれば今すぐ引き返したい)。ここは、死体に詳しそうなエリーに聞いてみよう。


「エリーはさっき、あいつらがアンデッドじゃないって言ったよな?でも、ネクロマンサーが操る死体と、どこに違いがあるんだ?」


 どちらも動く死体と言う点で、違いが無いように思うのだが。もしパワーとかに差があるのなら、戦う前に知っておきたい。


「確かに、見た目では判別が難しいね。ボクが違いに気付いた理由は、奴らから強い魔力を感じたからさ。他にアンデッドと違う点といえは…ネクロマンサーが操る死体は、戦闘能力が高いってとこかな。なにせ、魔法で強化されているからね。あと死ににくい」


「なるほど…ん?戦闘能力が高いというのは察していたが、死ににくいってどういうことだ?」


 ”そもそも死んでるし”というツッコミは、今は我慢しておこう。仮に戦闘不能を死と表現したとして、奴らが死ににくいとはどういうことだろう。まさか、不死王ってやつと関係があるのか?


「ああ、簡単に言うと急所が無いんだ。アンデッドなら心臓が核だから、そこを潰せば終わりだ。でもあいつらは、心臓を潰そうが、首を飛ばそうが、構わず動き続ける。当然だね。だって、魔法で外側から動かされている”人形”同然なんだから」


 そういうことか。エリーが奴らを”操り人形”と表現した理由がようやくわかった。しかし、知れば知るほど戦う気が失せる相手だぜ。


 俺のやる気が底をつきかけたとき、先程から考え込んでいたチーフが何かを思いついたらしい。


「魔法で動いてるのなら、エリーになんとかできるかもしれない。なにせキミは、帝国を恐れさせた呪術師だからね。その強大な魔力をもって、奴らを仕留める方法はあるかい?」


「えー。ボクがやるの?うーん、どーしよーかなー。さすがに今回は危険が伴うしなー」


 チーフの協力要請に対し、エリーはわざとらしく悩む素振りをみる。これは、何か条件を付けようとしているに違いない。タダでは動かないその姿勢は、今後生きていく上で参考になるかもしれない。傍から見てると腹立たしいだけなのだが。


「じゃあ、サクマにお願い。あのとき、呪ったこと()()を許してくれるっていったよね?だから、その…ボクと…な、仲良くしてくれるってのを、追加してくれないかな?そうすれば、協力してあげても良いけど…」


「はぁ!?なぜ俺が??」


 ここは、チーフに対して条件を付ける流れじゃないのか!?それに呪いを許す条件は、エリーが戦闘に参加することだ。つまり、今回の協力要請はその条件に含まれているし、追加のお願いなんておかしな話だ。


 すぐに断ろうとしたのだが、チーフが俺の前に立ったことで遮られる。そして、おもむろに跪いて首を垂れてきた。これは一体どういう状況だ!?


「オレからもお願いする。どうか、その条件を受け入れてほしい。兵たちの犠牲を最小限に抑えるためには、キミとエリーの協力が必要なんだ」


 俺の協力とは、エリーの生贄になるってことか?…しかし、条件を受け入れるだけで多数の兵が助かるのなら、承諾するほかはない。幸い、仲良くするってだけの話みたいだし、今回は受けてあげるしかなさそうだ。


「わかりました。どうか顔を上げてください。エリ―と仲良くできるなんて、孤独な俺にはむしろご褒美です!この条件、喜んでお受けしますよ!」


 俺はチーフに恥をかかせまいと、快諾を装って返答する。すると、チーフはまるで神を崇めるかのような表情でこちらを見上げた。


「それは本当かい!?ありがとう。本当にありがとう。キミの勇姿、永遠に忘れることは無いだろう!」


 おい!これから俺が死地に赴くみたいな言い方はやめてくれ!!それともエリーと仲良くすることが、死ぬほどリスキーってことなのか?


 …もういい、どうとでもなれ!エッチな格好の少女に殺されるのなら本望だ!

最近多忙で、なかなか投稿できませんでした…

次回投稿は10月6日の予定です。(来週からは加速していきます!)

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