表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界奴隷兵団  作者: 久保系
第二章 呪術師と社畜の関係
25/26

ネクロマンサー③

「そういうことだから、なんとかしろよクソ呪術師。ここまできて、『実は作戦はこれから考えるんだ』とかは無しだからな」


「ええっ!?なんか言い方がきつくない?ボクと仲良くすることは、ご褒美なんじゃなかったの?」


 そんなのは嘘に決まっているじゃないか。しかし、やる気を落とされても困るので、ここは適当な事を言っておこう。


「それはお前の活躍次第だ。例えば…犠牲者を一人も出さずに勝利できれば、喜んで友達になってやるよ」


 100体を超えそうな敵の数を考えると、”犠牲者ゼロ”はかなり厳しい条件だろう。だが、エリーは困惑するどころか、むしろこの状況を楽しんでいるようにも見えた。


「ふーん。結構無茶な要求をしてくるんだね。でもそういうの、嫌いじゃないよ♪」


 エリーの余裕な様子から、何かとっておきの策を考えているように感じる。この短時間で何か思いついたのなら大したものだ。帝国を追放されるほどの実力を、ここで見せてくれるということだろうか。


「策は考えてあるけれど、みんなの協力が必要だよ。あっ、でも全然難しいことじゃないから安心して。兵士たちには、奴らを門まで誘導してくれれば良いだけだから」


 門に誘導?それって、自ら敵を招き入れるということか?気が進まないにもほどがある作戦だ。


 チーフもさすがに危険な作戦と判断したのか、すかさずエリーに問いかけた。


「その作戦は、どんな仕組みで相手を無力化するんだい?敵を懐に入れるリスクがあるのだが、勝算はどのくらいあるのかな?」


 チーフは関所を守護する責任者として、当然即決はできないだろう。なんといっても、失敗すれば関所陥落の恐れもあるリスクだ。はっきり言って、確実に勝つという約束がなければ採用は難しいだろう。


「門より内側のところに”魔力吸収”の効果がある魔法陣を書いて、そこに死体人形を集めるのさ。一か所に集めて一掃するには、それが一番手っ取り早いからね。奴らは魔法で動かされているから、魔力さえ奪ってしまえば無力化できるよ。…本当は術者を抹殺したいけど、それは難しいだろうね。かなり遠隔から操作しているみたいだし」


 動く死体を無力化する仕組みを聞き、チーフは再び考え込んだ。どうやら、すぐにこの案を却下するつもりはないらしい。


「なるほどねぇ。そんで、上手くいく確率はどれくらいだと考えている?」


「ははっ!ボクを誰だと思っているの?伊達に祖国を追放されてないって。100パーセント成功させる自信があるよ」


「…わかった。キミがそこまで言うのなら、その作戦を採用してみよう。今は迷っている時間が惜しい。だが、その作戦に関するリスクを放置することもできない。万が一失敗したときに備えて、主力部隊は門の内側に配置する。そんで、魔法陣とやらはどれくらいで完成する?」


 チーフの決断はやや時期尚早のようにも感じるが、確かに時間が無い。改めて動く死体どもを確認すると、さっきよりも明らかに近づいている。ここは1秒でも早く行動に移したいところだ。


「5分もあれば十分だよ。今回のやつは、意外と簡単な呪術だからね。その辺に落ちてる木の枝で、落書きみたいに書いていけば準備完了さ」


「了解。それなら時間を稼ぐ必要もなさそうだ。さて、サクマくんにストロス、そして女兵士諸君に早速任務発生だな」


 おや?すっかり傍観者気分でいたのだが、どうやら仕事が舞い降りてきたらしい。一体、どんな雑用を任されるというのだろうか。


「キミたち遊撃部隊には、敵を門まで誘導する役目を任せたい。主力部隊は、門の内側で待機しなければならないからね。オレもキミたちと共に行動するから、よろしく頼むよ」


「えっ!?それってつまり…前線に出るんですか?この俺が?」


 まさか最も危険なポジションを任されるなんて、全く予想していなかった。今まで幸運に頼って生きてこられたが、いよいよここで終わってしまうのかもしれない。


 ―――――『絶対に生きて戻って来なさい』―――――


 さっきアンナさんと交わした約束は、果たして守ることが出来るのだろうか…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ