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本を書く仕事  作者: 竹仲法順
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最終話

     FIN

 散歩から帰ってきて入浴し、しばらく寛いだ後、夕食を取った。それから録っていたテレビドラマを見て、読書もする。午後九時にはベッドに入り、眠った。蒸し暑い夜を送る。扇風機で何とか凌いだ。翌朝午前五時に起き出してキッチンに入り、アイスコーヒーを一杯淹れる。飲んだ後、朝食を作って食べた。

 後片付けを済ませ、洗面して書斎でパソコンに向かう。昨日に引き続き、原稿のチェックをした。一応、出版社の担当編集者にはこちらが弄った原稿と、先方が作ったゲラを照らし合わせる形で作品を作っていく旨、メールで通知している。互いに知恵を出し合うのだ。もちろん、作者である俺の意見も十分入れてもらう形で……。

 こんな作業は数えきれないほどしている。それに現時点では継続して仕事が出来ていた。問題はない。単に部数が出ないだけで、新刊も幾分苦戦していた。だが、作家生活は続く。売れなくても、そう気にしてない。仮に著作が絶版になっても、出版の記録は残るのだし……。

 今日もこの街は平穏だ。自宅マンション近辺は静かだった。午前中はずっとパソコンに張り付く。ネット小説はここしばらく書いてないのだが、先の方の分まで入稿しているので大丈夫だ。月刊雑誌などの連載原稿も再来月分ぐらいまで、まとめて入稿済みだった。問題はない。

 これからも細々とながら、本を書く仕事は続くだろう。まあ、書けるだけ書いて、死後に全集でも出してもらえれば、御の字だと思う。誤解しないでほしい。あくまで俺自身、売れない無名の書き手なのだから……。

 昼まで掛けて仕事を終え、昼食を食べて、午後から散歩に出かける。晴れ渡る夏空を見ながら歩いた。次の新作が出た後も、また新たな仕事が来て、暇なく日常が回るものと思いながら……。

                                (了)


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