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動物病院日誌   作者: じょんどぅ


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木枯らし吹く大通りと、舞い散る白い粉雪、あるいは乾燥の季節に潜む皮膚の小さなひび割れ

木枯らし吹く大通りと、舞い散る白い粉雪、あるいは乾燥の季節に潜む皮膚の小さなひび割れ


### 1. 冷たい木枯らしと、背中の白いフケ


十一月下旬。京都の街に冷たい木枯らしが吹き抜け、空気中の湿度がスッと下がり、いよいよ本格的な冬の足音が聞こえてくる季節の夕方。

今日の午前、診察室にやってきたのは、なめらかな短毛が自慢の4歳のフレンチ・ブルドッグ「レオン」君(男の子)と、少し心配そうな表情の飼い主の山本さんです。


「先生、最近すごく空気が乾燥してきましたよね。お散歩のあとにレオンの体を撫でていたら、黒い背中にまるで雪が降ったみたいに、たくさんの白いフケがパラパラと落ちてきて……! 本人もなんだか背中のあたりがむず痒いのか、後ろ足で体をトントンと頻繁に掻いているんです」


診察台の上で、レオン君の背中の皮膚をルーペで観察すると、皮脂のバランスが崩れて角質がカサカサに乾燥し、細かいフケが発生して皮膚全体がわずかに赤くなっているサインが見られました。


「山本さん、すぐにお連れいただき正解です。これは『秋から冬への急激な乾燥による皮膚バリア機能の低下(乾燥性湿疹・ドライスキン)』ですね。人間にとっても肌がカサカサして痒くなりやすいこの季節、ワンちゃんたちのデリケートな皮膚にとっても、冷たい木枯らしと湿度の低下は大敵なんです」


### 2. なぜ「秋から冬の乾燥」はペットの皮膚を脅かすのか


多くの飼い主さんは「夏はベタベタしていたから、乾燥する季節のほうが皮膚病は少ないだろう」と考えがちですが、季節の変わり目の乾燥にはペット特有の厳しいメカニズムが隠れています。


* **「急激な湿度の低下」による皮脂膜の破壊:** 秋の深まりとともに空気中の水分量が急減し、ワンちゃんたちの皮膚を乾燥から守る「皮脂膜」や角質層の水分が奪われることで、皮膚がカサカサにひび割れてしまいます。

* **「短毛種やシニア犬」における乾燥ダメージの深刻さ:** レオン君のような短毛種は、被毛による皮膚の保護クッションが少ないため、冷たい外気や乾燥した風を直接受けてしまい、皮膚炎や強いかゆみを起こしやすくなります。

* **「室内での暖房器具の使用」による隠れ乾燥:** お部屋の中でエアコンやファンヒーターを稼働させることで室内の湿度がさらに下がり、ペットの皮膚が知らず知らずのうちに深刻な「インナードライ状態」に陥ってしまいます。


### 3. 愛犬を乾燥肌から守る「3つのモイスチャーケア」


「レオンがあんなに乾燥してフケや痒みに悩まされていたなんて……。『寒くなってきたね』と気をつけていましたが、お肌の保湿ケアまで気が回っていませんでした」と深く反省する山本さんに、僕は乾燥から皮膚を守るためのポイントをお伝えしました。


1. **お部屋の「加湿器の活用と適度な湿度(50〜60%)のキープ」:** リビングやペットが過ごすお部屋には加湿器を置き、室内の湿度が下がりすぎないようにしっかりと管理して、乾燥した外気から皮膚を守りましょう。

2. **お風呂やシャンプー後の「セラミド配合の保湿スプレー・ローション」の塗布:** シャンプーの回数を見直し、お風呂上がりや日々のケアとして、動物用のセラミドやヒアルロン酸を含んだ保湿ローションを皮膚に直接優しくなじませて水分を閉じ込めましょう。

3. **お食事からの「オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)の積極的な摂取」:** 獣医師と相談のうえ、皮膚のバリア機能を内側から高めてくれるフィッシュオイルなどのオメガ3脂肪酸を含むサプリメントやフードを毎日の食事に取り入れましょう。


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### 4. 蘇る潤うお肌と、安心のぬくもり


レオン君には、乾燥した皮膚の炎症を鎮めるための優しい保湿成分入りのローション塗布と、お肌のバリア機能を高めるサプリメントの処方を行いました。数日間、お部屋の加湿と毎日の保湿ケアを続けると、背中のフケや赤みはすっかり消え、レオン君はしっとり滑らかな健康肌をとり戻しました。


「先生、お部屋を加湿して保湿ローションを塗ってあげたら、レオンの背中のフケがすっかりなくなって、お肌がツヤツヤになりました! これからは乾燥の季節のスキンケアをしっかり頑張ります!」

山本さんは心からの安心した笑顔で、レオン君を優しく抱きしめました。


### 5. 晩秋の京都に灯る診察室の明かり


窓の外では、京都の街に冷たい木枯らしが吹き抜ける静かな夜が訪れ、家々の窓から漏れるオレンジ色の温かな明かりがすべての生き物たちの息吹を優しく包み込んでいました。

「先生、お疲れ様です。秋から冬への乾燥って、ワンちゃんたちのお肌からあんなに大切な潤いを奪って、フケや痒みの原因を作っていたんですね」

看護師の河野が、動物用の保湿スプレーのボトルを丁寧に棚に並べながら引き締まった表情でつぶやいた。


"本当にそうだね。季節がゆっくりと冬の足音に向かう景色の裏側には、こうした乾燥がもたらす見えない皮膚の試練がそっと隠されている。だからこそ、私たちがしっかりと室内の湿度を整え、毎日の優しい保湿ケアで彼らのピュアな地肌を守り抜くこと。それが、この肌寒い季節を心から安全に楽しむための最高のエールなんだよね"


窓の向こうの冷たい夜空の下、温かな家々の窓から漏れるオレンジ色の明かりが、静かな夜の道を優しく照らし出していました。

木枯らし吹く大通りと、舞い散る白い粉雪が伝える乾燥の罠の中に。

確かなお部屋の加湿と、愛を込めた毎日の優しいモイスチャーケアを。

どんなに季節が巡り、冷たい風が私たちの頬を撫でていこうとも、大好きな家族みんなが笑顔で、いつまでも健やかに心拍を弾ませながら温かな明日へ歩んでいけるように。

僕たちの動物病院の明かりは、今夜もすべての家族のコラボレーションと「安全な笑顔・健やかな日常」を、晩秋の夜風と共に守り続けます。

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