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新月 ひめとたけ

新シリーズ開始です!

『月は隠れ、姫は還る』を楽しんでください。

 狭い狭い竹の節と節の間の空間。そこに三寸ばかりまで小さくされた姫は居た。月の姫として生を受けたかぐやにとって、屈辱的かと思われたが、意外と過ごしやすい。

 自分は月の姫。『蓬莱の薬』という、不老不死の薬を飲んだ罪人だ。月とは穢れのない浄土だ。『死』などもっての他。その場で『不老不死』という汚れを持ち込んだのだ。幾ら月の姫と言えど、追放が妥当だ。

 流石に、父君は娘のことを思ったらしい。一時的に地上という穢れの地に送るだけにしたらしい。いずれ、月に帰れる。そう思うだけで、大分落ち着ける。

 

……

 どれくらい経っただろうか。竹の中は暗く、時間もわからない。柔らかい衣に包まれているが、体が痛い。

(あぁ…外に出たい)

それが穢れていようが関係ない。体を動かしたい。

 そんなことを思っていると、ざくっ、ざくっと何かを踏み分ける様な音がする。こちらに近づいている気もする。

 ガキンッ そう音が鳴って上を向くと、優しそうで少しふっくらした体の髭を蓄えたお爺さんが此方を不思議そうに、同時に慈しみの目で見つめていた。

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