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第1章/勇者降臨?

どうも!長らくお待たせしました!

本当だったらもうちょっと早く投稿する予定でしたがいろいろと誤算があって遅れてしまいました。

ともかく『私と世界が始まった日~壊れかけの世界編~』スタートです!!

                   ~   Ⅰ    ~


 ・浮遊大陸アルビレオ中央部世界樹(イグドラシル)上層庭園



 「ん、・・・んぅ・・・あれ?ここは・・・どこ?」

私、風見疾花(かざみはやか)は桜の木の下で光に包まれて意識を失った。改めて周りを見回すときれいな見たことのない花、マンガや映画などで見たことのある神殿などで使われていそうな柱と白い壁。少なくとも入院していた病院にはこんな施設はなかった。というかここはほんとに日本?

「やっと目が覚めた様ね?」

「え?」

声のするほうを見ると見知らぬ女の子が立っていた。腰まで伸びた黒髪とどこかの学校の制服。どういう訳か解らないが彼女からは気配が感じられなかった。

「いつまで座っているつもり?いい加減立ったら。」

「あ、ああ、うん。ところであなたは誰?」

「忘れたの、世界樹(イグドラシル)よ。」

「え!あなたが!?」

「正確には貴女が話しやすいような姿を映し出しているだけだけどね。」

「そうなんだ・・・・って、なんで私は呼ばれたの?」

一番の疑問だ。何のとりえもなくその上病弱な薄幸(自分で言うのもなんだが)少女の私が誰かのため、しかも異世界の神様を助けるなんて・・・・・・・

「そうね・・・結構一方的だったからどんな人が来るかわからなかったけど・・・・・平気かしら、この子で・・・・・・?」

「ちょぉとおおぉぉぉ!!!」

「冗談よ、貴女でよかった。呼び出した理由は簡単、この世界を救ってほしいの。」

クスクス笑いながら異世界の神様はトンデモナイことをさらっと言ってくれた。だから困るって・・・ひ弱なただの女の子に世界を救えって・・・・・・。

「大丈夫、そんなに心配しないで。」

「それで何をすればいいの?魔王を倒す?それとも世界をまとめる?」

「ううん、違う。もっと簡単・・・・・・私を殺してほしいの。」

「は・・・・?」

「正確には世界樹(イグドラシル)システムを破壊してほしいの、そうすればこの世界は救われるわ。」

「ちょ、ちょっと待ってよ!もし世界樹(イグドラシル)システムってやつを壊したらあなたはどうなるの・・・・・?」

「・・・・・・・・・・・・・・消えるわ。」

待て、ちょっと待て。私は見ず知らずの人間(?)を殺すために異世界に召喚されたのか?そして彼女は自分を殺させるために自分を呼んだ?なんで、なんでなの?

「うーん、私だけ願いをかなえてもらうのはなんだしなー、・・・・・そうだ!あなたの願いをかなえてあげるよ!何がいい?」

「い、いやいきなり言われても・・・・・」

それにあなたの願いをかなえるって言ってないし。

「じゃあ貴女の体質を変えてあげる。・・・・・ほら!」

そう言って彼女が両手を広げると光が生まれ、私の中に吸い込まれていった。そしたら胸の奥にあった苦しかった元(?)のようなものが無くなりとても爽快な気分だった。何年振りだろ?

「どお、よくなったでしょ?ついでに身体能力も大幅に高めといたから。」

「あ、ありがとう」

「そろそろ旅立ちの時間ね、これを」

渡されたのは古びたナイフだった。

「ねぇ、まだ聞きたいことが・・・・」

「ほら、行きなさい。すぐに私の意識も目覚めるから。」

「まって!!」

そういった時にはすでに私の体は光の渦に飲み込まれており、自分の声すら聞こえなくなっていた。そして完全に視界が光に覆われていった。


               ~     Ⅱ     ~


 ・中央大陸メルティッド南部聖王国ハウリ領ラーダ平原西の遺跡内部ほこら周辺



光の渦に飲み込まれたと思ったら、視界が戻った。が、一瞬だけ浮遊感に包まれたその直後に周りの状況を把握した。

「なんで浮かんでるの!?」

そんな叫びが虚しく響いた時に既に私は地面に頭を強く打ち付けて声にならない声を上げながらのたうち回っていた。

―――数分後・・・・・

「どこのバカだ!体を強くしておいた何て言ったヤツは!!」

「失礼ね、ちゃんと強くしておいたわよ。普通だったら今ので死んでるわよ?」

「あなた、さっき別れたばっかりじゃなかったけ?」

ジト目で見た先には心からの叫びに応えてくれたかのように自称世界樹(イグドラシル)管理・統括プログラムの女の子が立っていた。

「ええ、確かに別れたわ。じゃあ簡単に説明するね。ここにいる私は貴女の遺伝子の一部を形成してる私のプログラムから発現しているものよ。ほら、さっき貴女の体を作り替えたじゃない。そのときに本体が道先案内人として私のことを作ったんじゃないかな?」

「そうなんだ。じゃあこれからどうすればいいの?」

「そうね、まずこの場所を離れましょ。人外が来るわよ。」

「人外?」

そのときだった。突然後ろの茂み2mはあるだろう人の体に狼の頭を強引にくっつけたような毛むくじゃらの不気味な生物が飛び出してきた!

「な、何よこれ!」

「人と似て非なるもの、人外よ。逃げましょ、今の貴女じゃ倒せないわ。」

なんていっているうちにあっさり取り囲まれてしまった。背後には古びた壁、逃げ道は狼人間の後ろ。・・・・ああ、万事休す・・・

そう諦めかけたとき、突風のようなスピードで何かが突っ込んできた次の瞬間、目の前の狼人間がぶっ飛ぶ、それが地面に落ちたときには首がおかしな方向に曲がり絶命していた。残りのやつらは危険を感じてか突っ込んできた何かから距離をとりはじめた。

「そこのあなた、怪我はない?」

「はい、だ、大丈夫です・・・・」

突っ込んできたのはなんと人間、しかも女の子!?

「すぐに終わらせるからちょっとまってて。」

それだけ言って、その黒髪の女の子はあの狼人間の方へ駆け出す。襲いかかる長い爪を難なく避け、狼人間の懐に潜り込み鳩尾に一撃。怯んで前屈みになったところに容赦なく顔面に膝蹴りを食らわせ脊椎を破壊し、まず一匹を仕留める。もう一匹はというと恐れをなしたかすでに逃げ出していた。

「歯ごたえのない連中・・・・・クロードは何してんのかしら。」

「あの、助けてくれてありがとうございました。」

「ううん、どういたしまして。私はエステル・ブライト、あなたは?」

「風見疾花です。」

「カザミハヤカ?変わった名前ね。ああ、ごめんなさい。失礼だったね。ところでハヤカちゃんはなんでここにいるの?今ここは立ち入り禁止のハズよ?」

「ええっとそれは・・・・・・・」(ねえイグドラシル、今までのこと話してもいいかな?)

(そうね、いいんじゃない。貴女の冒険には協力者がいた方がいいから)

というわけでエステルさんに今まであったことを包み隠さずに全部話した。

「つまりあなたのいうことを整理すると・・・・・あなたは世界樹(イグドラシル)に呼ばれてこの世界の救世主として今ここにいる、ってことだよね?」

「はいそうです。」

「証拠は?」

「え!しょ、証拠ですか!?」

そんなものあるわけない。だって彼女から貰ったものはどこにでもあるような一本の古びたナイフだけだ。この服だってただ変な服だと思われるだけだろう。つまり何の証拠もない今、私はただのイタイ人のにしか見えないだろう。そのとき私の後ろからイグドラシルが出てきた。

「初めまして、私は世界樹(イグドラシル)の化身で今はこの子に憑依しているわ。」

「わ!ななな、何それ!?ゆゆゆゆ、幽霊!?」

「失礼ね、私はあなたにわかるように周りの光を反射率を変えて目で見えるように調整しているだけよ。まあ、この子の守護精霊だと思って。」

「そっか、これは一回王都に戻らないといけないかも・・・・・・とりあえず遺跡を出ようか。人を待たせてるんだ。」

「はい、わかりました。」

こうして私の世界を救う旅がはじまった!


              ~      Ⅲ      ~


 ・中央大陸メルティッド南部聖王国ハウリ領ラーダ平原西の遺跡入口


「エステル、何してたの?」

遺跡から出てきた私たちに声をかけてきた青年。エステルさんが待たせていた人とはこの人だろう。サラサラの金髪は肩辺りで切り揃え、テレビに出ている様なアイドルに負けないくらいのイケメン顔を引き立てている。けっこー好みかも!

「ごめんね、要求所者がいたからさ。」

「後ろの()かい?」

「うん、それでさちょっと王都に戻らないといけないといけないかもしれないんだけど。」

「なんでだい?忘れ物でもした?」

「違う!実は・・・・・」

少し離れた場所からエステルさんと金髪のお兄さんが話しているのを眺めていると、イグドラシルが話しかけてきた。

(ねぇ、生年月日教えて。)

(え?なんで?)

(貴女専用の武器を作ってるの。それに入力するから。)

(そうなんだ、あんまり過激なヤツは作らないでね。)

(うふふ、作らないわよ。)

「ハヤカちゃん、いくよー!」

「はーい、今行きます!」

私たち三人は王都への道を歩き出した。金髪のお兄さんはクロードというらしい。エステルさんとは幼馴染みで今は騎士団に入り、街の治安を守っているらしい。

「そういえばハヤカちゃん、歳はいくつ?」

「14です。エステルさんはいくつですか?」

「私?私は18だよ、ちなみにクロード は19。」

「ん、呼んだ?」

「ううん、ハヤカちゃんに歳聞いたついでにアンタの歳を教えたのよ。」

「そっか、それでハヤカはいくつなんだ?」

「14です。」

「若いね、それで世界を救えだなんて・・・・」

「何暗いこと言ってんの?勇者よ、勇者!何か問題あるの!?」

「それはそれで大変なことだよ!もっとちゃんと考えないと!」

てなカンジでエステルさんとクロードさんが口論をはじめてしまい、私が入り込む隙間が無くなってしまった。そんなとき、いきなり虚空に一冊の本が現れ私の手の中に収まった。その本は緋色の表紙に七色の宝石が散りばめてあり、縁には金属で凝った装飾がされていた。

「何これ?」

「これは貴女の武器であってこの世界を再生させる為の鍵でもある創世の魔導書『外側の神デウス・エクス・マキナ』よ。」

本からファンタジー風の服を着たイグドラシルが出てきた。ただし身長が30cmくらいのが・・・・・

「ちっちゃ!なんでそんな格好なの!」

「こっちの方が妖精っぽくっていいじゃない。」

「精霊っていってなかった!?」

「そうかしら?ま、それはそれとして名前は長いから・・・・・・そうね、イリスって呼んでちょうだい。」

「なんでイリスなの?」

「人間だった頃の名前よ。」

エステルさんたちは口論が終わったようで二人ともそっぽを向きながら黙々と歩いていた。それから十数分ほど歩いたころ、目の前に大きな門が見えてきた。

「おお、着いた着いた。ハヤカ、あそこが聖王国ハウリの王都マズルハだよ。」

「あそこがマズルハ・・・・・」

「首府城へ行くわよ、クロードこのことの報告、よろしくね。」

「ええ!僕が!」

「アンタのほうが言いやすいでしょ?はい、決まり」

「全く強引なんだから・・・・・・」

「首府城って・・・・なに?」

私の質問は虚しく空へ消えていった・・・・・・・・

ここまで読んでいただきありがとうございました!

今回はバトルが一瞬で終わってしまいましたが次回はクロードの剣技と疾花の反則的な技が炸裂します!もちろんエステルも活躍します!


それではまた次回お会いできることを。


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