翼とありすと不思議の学校
今回のお話の主人公は翼ではなくありす…!?言うまでもなく元ネタは不思議の国のアリスです。
『私の名前はありす。今現在、飼育小屋のウサギと鉄格子越しに戯れていたところだ。しかしながら今は緊急事態。5年か6年か知らんが檻の戸を明けっぱしたまま帰宅して多分…今はゲームでもやっとるんとちゃうかな。ってそんな事言ってる場合じゃない。ウサギが逃げ出したのだ。このままだと真っ先に疑われる。そう思った私はウサギを全力で追いかけた。
「待って〜!キャロット!」
ちなみにキャロットというのは児童用アンケートで決まったウサギの名前である。
しばらく追いかけたが追い付けるはずがない。うーん、さすがはウサギ。脚が速い!って感心してる場合じゃない。そんな事を考えているとそのウサギは途端に立って走り始めた。いやいやいや!それじゃ逆に遅くなるよ!!
「大変だ!遅刻する!」
「何に!?」
「遅刻だ!」
「だから何に遅れんのさ。あと四つん這いのほうが早く進むから戻ったほうがいいよ」
「遅刻だ遅刻だ!」
「聞いてねえ!…一応連れ戻さないと疑われて怒られる…全く、飼育委員がドア閉めときゃこんなことにはなってないんだけど?」
そう言いながら私はウサギを追いかける。はあ…なんでこんな目に…
「キャロット待って…ってあれ?…」
ここ地面無くない?
「あ…」
落ちるわこれ。
「うわああああ、あ、あ、あれ…?なんで?」
落ちるの意外とゆっくりだわ。もしかして別の惑星に来てる?
「ふぅ…ちゃくちおっけー。」
するとそこにまたうさぎが
「遅刻だ遅刻だ!」
「ちょ待ってうさぎさん!ってあぁ!なんか落としてった!なにこれ?…ピコピコハンマーとちょっと前流行った香り付きのペン?この人ピコピコハンマーとちょっと前流行った香り付きのペン持ってるんだけど…何の仕事に使う気よ…?」
とりあえずこれらはどうしようかと思ったがよくわからないのでウサギに渡して「何かと間違えて持っていったのでは?」と言ってやることにした。
「待って〜キャロット〜!」
「遅刻だー!」
「待ってってば!」
ウサギについていくとそこには大きな家があった。そしてウサギがそこに入っていった
「とりあえずこれはどうしよう…届けに行ったほうが良いよね?えっと…ピンポンは…ないな。」
とりあえず三回ノックをした
「…反応ないな…。入るか。入りますね〜!」
他人の家に勝手に上がり込むのもどうかと思うが入ることにした。ちなみに鍵は開いていた。不用心にもほどがある。こんなに広い家、もし仮に泥棒がいたら気にしないわけないだろう。部屋にトラップがあるなら話は別だが。
「失礼しまーす…うわ…ドアばっか。」
部屋の中にウサギの姿はなくドアばかりだった。
「遅刻だ遅刻だ!」
そこに2階からウサギがとんできた。そして私に気づかず反対側のめちゃくちゃ小さいウサギ仕様のドアを開けて行ってしまった
「あ、ちょっと!…開かないなこれ」
そもそもこんな大きい侵入者に気づかんウサギもウサギだと思う。
「鍵は…どこだろ」
「テーブルの上やで」
「わぁ喋った。」
なんかドアが喋った
「喋れるやで」
「うん、鍵マジでテーブルの上にあんの?」
「あいつだらしないから置き場所決めたのに毎回テーブルに置いてるやで」
「私か。」
「あんたもそうなん?」
「疲れてる時は何も考えられないんだよ」
「あきまへんなぁ」
「さてと、うーん…鍵束になってるな。どれだろ。」
「金のやつやで。金色の…先っちょのがおしりみたいな形になっとるやつやで」
「言い方ぁ」
「ハートや思ったらしいけど横にするんやからお尻や。アホやんなぁ」
「だねぇ…で、どうやって通れば…」
「ほなら冷蔵庫のポケットにポロナミンK入っとるからそれ飲めば小さぁなるで。」
「何から何までどうも」
「かまへんよ〜」
「あ、これかなうわめっちゃ入ってるやん」
ドアノブが何故か関西弁で喋るせいで関西弁がうつってしまった
「あいつポロナミンKを万能薬や思っとるさかい夜仕事する前にガブ飲みするんよ。実際ほぼジュースやから意味あんま無いけどなぁ知らんけど」
「へぇ~」
ウサギがポロナミンKなんて飲んで大丈夫なのかはさておきとりあえず飲む
「…お、ほんとに小さくなった。鍵の大きさはそのままなんか。」
「じゃ、とりあえず鍵開けちゃいますね。」
「ええで〜」
ガチャり
「失礼しまーす…」
「行ってら〜」
ウサギの家を出た。…とはいえ手がかりもないので適当に歩くことに。
「なんか不気味な森に来たなぁ…なんか木笑ってるし…てか小さくなりすぎたな」
「なんかお困りかね」
キノコに座ったイモムシが変なイントネーションで話しかけてきた
「あ、すみません小さくなりすぎたんですけど大きくなる方法知りません?」
「大ぎぐなるには早ぐ寝で牛乳サ沢山飲むっきゃないね」
イモムシは北の方出身なのだろうか。訛っている
「いやそうじゃなくてそういう都合のいいアイテムとかないんですか?」
「んなのあるわげねえべ」
「ですよね」
「そもそもあんだなんで大ぎぐなりてぇんだ?」
「いやさっきポロナミンK飲んだら小さくなりすぎて」
「んなのあるわけねえべ」
「ホントなんですって…」
「ちっこいのはその分動きやすくて小回りが利く、いろんなとこ通れる」
「でっけえのはその分パワーがある。動きづれえし狭いとこ通れねぇが一歩の範囲がでげぇ。」
「それが個性っちゅもんだ。」
なんか哲学を言い出した。
「はぁ…要するにこのままでも有利なところはあると」
「そゆごっだ」
「なんかすみません失礼します」
「ぎにすんな、あ、忘れてた」
「何でしょうか」
「この赤いきのこ持ってけ。でっかくなるぞ」
「いや大きくなるアイテムあるんかい」
引き続き進む事にした。
「ここどこだろ」
不気味な森がより一層不気味な気がするし、看板は全部知らない地名が書かれている。
「お困りかニャ??」
いきなり誰かから話しかけられた。
「あ。はい。お困りです」
見るとそこには変な色の猫がいた。何の種類なんだ、お前。マンチカンともアメショとも似つかない。雑種?日本猫?いやいやありえない。そんな猫が。
「どうしたんだニャ?」
「道がわからなくて…」
「んー…それを教えるんにゃ目的地を知る必要がある。お前どこ行きたいんだニャ?」
「うーん…自分でもどこいけばいいかわからなくて」
「そりゃ教えられにゃいニャ〜…あ、そうだ。にゃんか向こうで面白そうにゃことやってるニャ」
「あ、そうなんですね」
「行ってみたら?」
「とりあえず行ってみます。ありがとうございました。」
「にゃ〜ね〜」
というわけで歩いていくと帽子を被った人とさっきのと違うウサギとネズミ…?がお茶会をしている。
「おや、これはこれはお嬢さん。どうしたの?」
「いや、何してんのかなーって」
「普通の日を祝ってるのさ。ほら、こう言うだろう?毎日がエブリデイって。つまり毎日が特別なのさ。」
英訳しただけだと思う
「はぁ…なるほど…」
「そうだ。お嬢さんクッキー食べないかい?」
「いただ…もう無いやん」
「あ。ホントだ。ごめんごめん。お茶だけでも…このお茶はあれだよ。トヤイニングの青いやつだよ。」
フレーバーはよくわからんがなんか高級そうなやつだ。
「…もう無いやん」
「あ、ホントだ。」
そそっかしい人なのかも。
「そういえばうさぎ見ませんでしたか?」
「僕ならここにいるけど…」
座ってたうさぎが言う。
「あ、違いますね。あの、遅刻だ遅刻だ〜!って言いながら走ってったウサギ」
「あ、そういえば居たわ。あっち行ったよ」
「ありがとう御座います!では失礼します。素敵なお茶会でした。」
「うん、何もしてないけどね」
こうして刺した方へと行くと薔薇の生垣の迷路に出た。
「うーん…こっちで合ってるはずだけど…?」
しばらくぐるぐる回るとなんかペンキを持ってウロウロしてる…トランプ?がいました。
「何してんの?」
「間違えて白いバラ発注しちゃったから赤くして誤魔化してんの」
「いやごまかしきれんやろ」
「すみません、赤い絵の具と間違えて緑の絵の具発注しちゃいました」
まさかの二重の発注ミス
「あとから編集で何とかするんだ」「いやそれじゃ葉っぱが透けますよ」
「あー!そうだったー!!仕方ない。葉っぱだってことにしよう!」
「いやそれで成り立つのかよ!」
「葉っぱと全然色違ったー!!」
言わんこっちゃない。
パラララッパラッ♪
パラララッパラッ♪
パラララッパラッパッ♪
何故か有名なコメディ番組のテーマソングがどこからともなく聞こえてきた。
「あ、もう来ちゃう」
そして偉そうな人が…威厳のないBGMに合わせて登場された…。
「えーこの薔薇どういうことですか?」
案の定である。
「すみません。発注ミスです」
「かの者を職員室へ連れて行け!!」
「「「はっ」」」
「で、君は?」
「私ですか?私はありすです」
「そう。恐らく迷子になった結果入って来ちゃったんだろうけどここは有栖川第一小学校。私はそこの校長です。」
「副校長です。」
あ、副校長もいたんか。
「そうねぇ…行く場所もなさそうだし、しばらく学童クラブで遊んでいなさい。今ちょうど放課後だし。」
「はーい」
「そういえば今日はクロッケーの体験会あるけど参加してく?」
「あ、じゃあお願いします。」
なんやかんや私はクロッケー体験に参加することになった。
「今回は私も参加します。」
そして途中で校長先生が飛び入り参加してきた。
「じゃあ行くね。」
流石先生なだけあって上手い。
ただ…何故かラケットはフラミンゴを模したものに、球がハリネズミを模したものになってる気がする。
「よいしょっと」
…うん。初心者がいきなりうまくできるはずがないね。
「それっ!」
流石先生、大人げないね。
「えいっ」
うまくないね。
「よいしょっ!」
5点。
「ふっ!」
0点。
結果は校長先生の勝ちである。
しかしそこで事件は起こる。
「大変です。先生!一年のいちかちゃんの分のいちごタルト誰かが食べちゃった!」
「なんですって!?」
学童クラブの人間を集めた裁判?が開かれた。
パンパカパーン
パンパンパン
パンパカパーン♪
何故かファンファーレと共に裁判が始まる。
「みんな静かにしてー。」
ラップを置いた裁判長は…キャロット!?てか演奏してたのお前かい。
「え、キャロット!?ここに居たの!?」
「誰?」
「いやあんたの学校にいる生徒の一人だけど…忘れ物してるよ。はい、これ。」
「別に頼んでないけど。まあ受け取るよ」
感じ悪っ!
そしてうさぎはピコピコハンマーをガベルのように叩いた。それガベルだったんか。
そして、いちかちゃんの隣に座っていた男の子が何故か犯人だということにされた。
「先生。僕やってない!」
「みんなあなたが食べるところ見たって言ってるでしょ?」
先生が言った。
「僕じゃない!」
「いやお前がやったところ見たって!なあみんな」
みんな頷いているが…そもそも信憑性がなくないか?これ。
「先生、一つ良いでしょうか?」
私が手を挙げた。
「何ですか?」
「隣に座っていたこの男子からは話を聞いたんですか?」
「でも、見た人がいる以上犯人である可能性は高いですよ?」
私と先生の言い合いをよそに裁判長がガベル…もといピコピコハンマーを叩いて言った。
「はい、静粛に。確かに可能性はあるね。うん。聞いてみて。」
仕方ない。私が聞くか。
「えーっと。君名前は?」
「はると。」
「そっか。いちかちゃんのいちごタルト、盗んだのは君じゃないんだよね?」
「うん。」
「誰が盗んだか分かる?」
「うーん…わかんない。トイレ行ってた。」
「誰か証明できる人いる?」
「わたし…」
「あ、いちかちゃん」
「トイレから帰る時、教室に入るはるとくん見た。」
「ほら、これが証拠ですよ。」
私が突きつけると裁判長は私が届けた香り付きのペンで何かをメモした。それメモ用にしちゃ弱くない…?すぐインクかすれるし…
そして先生はびっくりして言った。
「じゃあタルトを盗んだ犯人は」
「その前に、先生やることがあるよね?」
裁判長が言った。
「…はるとくん、疑ってごめんね。」
「それから、はるとくんがいじめられてるかもしれないですね。だってあの人たち、はるとくんを犯人にしようとしてましたから。」
「…調査します。」
「そういえば、この人はるとくんに毎日悪口言ってる」
「俺この前この人が筆箱隠してるの見た」
おお犯人が断罪されていく。
そして裁判長は香り付きのペンでメモを取っていく…インク切れないのかな?
そして夕焼け小焼けのチャイムがなったのでもう帰る時間。これにて閉廷である。
「あ、もう時間だね。」
「帰ろ帰ろ」
「せんせーさよーならー」
「それじゃ、私も帰り道を探しますか。」
「待って、僕が送ってくよ。」
「キャロット!?うん…ありがとう…けど…帰り道わかるの?」
「うん。この鏡に飛び込むんだよ。」
気がつけば目の前に鏡があった。
「行くよ。」
「うん。」
「「せーのっ」」
……………
「ありすー起きなさーい!」
「はーい…えーと…あれ、キャロットは?」
「何寝ぼけてんの。今日は学芸会でしょ?不思議の国のアリス、あんたが主人公でしょ?楽しみにしてるから。」
すべては夢だったのかもしれない。けれども、私はあの不思議な世界がどうも頭から離れなかった。』
「…無理だろ。」
私の名前は雲井翼。訳あって今現在学芸会の台本の作成中…というか修正中…?私はたった今読み終わった原稿用紙を見て先程思わず「無理だろ」とこぼしてしまったのだ。
「え、どんなのですか。見せてくださいよ。」
「俺も見たいです。」
「私も…」
美音、太陽、優李の3人が原稿用紙をのぞき込んだ。
「いや駄作よ?」
仕方ない。見せてやるか。
「うわ…これは…」
「な?」
「無理だよな。」
私は天を仰いだ。
「これをどうアレンジしろって言うんだよ…」
元高校生の未来人だからと言って先生がざっと書いたオリジナルストーリーをベースに学芸会向けの台本を作ってほしいという依頼を受けてはや数時間…できる気がしない。
「先生、センスないね。」
私が言い捨てると美音と優李も言った。
「ですね。」
「知りたくなかった…。」
「なんなら普通に不思議の国のアリスの劇にしたほうが良いのでは…?」
太陽、確かに。
「だよな。」
なんとかやってみるけど…うちのクラス、学芸会恥晒し確定だなこりゃ。
私はまた、原稿用紙とにらめっこを始め、これからの未来を憂いたのだった…。
その後できたのが幾分かマシになったのは言うまでもない。




