第107話 凱旋の食卓、公爵からの「青い封書」
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シルヴィアとの因縁を断ち切り、エドワードに武人としての誇りを取り戻させたリトル・リンク。
泥仕事を押し付けられたギルドでの不遇も、今回の「街の危機を未然に防いだ功績」によって、上層部も無視できないものとなりました。
さて、激闘を終えて新居に戻った彼女たちを待っていたのは、ポストに差し込まれた一通の豪華な封書。
戦いの余韻に浸る間もなく、次なる「強敵(?)」が彼女たちを襲います!
リトル・リンク、今日も(ドレスコードという未知の魔物に怯えながら)ちょっとだけ成長中!
「……ただいま。……お家、……やっぱり……広い。……自動洗浄トイレ、……待ってた」
新居の玄関を開けるなり、ミルが真っ先に奥の廊下へと消えていった。
吸血鬼の彼女にとって、心身ともに消耗した後の「文明の利器」によるリフレッシュは、何にも代えがたい儀式らしい。
「ガハハ! あたいも一風呂浴びてくるよ! 背負い袋の中に土埃が入り込んじまって、洗浄砲のメンテナンスもやりがいがあるねぇ!」
ケットルが、自分の背丈ほどもある**『巨大背負い袋』**をリビングにドスンと置き、鼻歌混じりに脱衣所へ向かった。
ドワーフの彼女にとって、道具の手入れこそが最高の休息なのだ。
「……論理的に見て、……今回の……騒動の……事後処理は……領主様が……引き受けて……くださるはずです。……ですが、……ギルドへの……報告書だけは……私たちが……完璧に……仕上げる……必要がありますね」
セインが眼鏡を指で押し上げ、リビングの机に解析端末と白紙の羊皮紙を広げた。
ハーフエルフの指先が、流れるような動きで筆を走らせ始める。
「……あはは、……セインは……相変わらずだね。……あたいは……一秒……あれば……夢の中だよ……」
カノンが銀靴を脱ぎ捨て、ソファに倒れ込んだ。
背中の小さな羽が、安心感からかパタパタと弱々しく、けれど幸せそうに震えている。
「……あ、みんな。……ポストに……何か……入ってたよ」
クレアが手にしていたのは、金色の縁取りがなされた、重厚な「青い封書」だった。
リフェルナ領主、エルバート公爵の紋章が、蝋封として鮮やかに押されている。
「……えっ。……領主様から……直接? ……構造解析……するまでも……ありません。……これは、……公式な……招待状です」
セインの手が止まった。
クレアが慎重に封を切り、中身を読み上げる。
「……『街の危機を救いし勇気ある五人に。……明後日の晩、……我が館にて……ささやかな……祝宴を……催したく思う』……だって」
リビングに、一瞬の静寂が訪れた。
「……祝宴。……つまり、……食べ放題?」
トイレから戻ってきたミルが、その単語だけに反応して瞳を輝かせた。
「ガハハ! 領主様の酒盛りかい! そりゃあ面白そうだねぇ!」
「……ですが、……領主館の……パーティとなれば、……相応の……装いが……求められます。……ドレスコード……という、……極めて……非論理的な……制約が……」
セインの言葉に、カノンが「……えっ。……あたい、……この服しか……持ってないよ……」と、自分の使い古した斥候服を見つめて青ざめた。
「……大丈夫だよ! ……明日、みんなで……市場へ……行こう! ……今回の……報酬で、……とっておきの……お洋服……選ぼうよ!」
クレアの明るい提案に、五人の「新しい城」が再び活気づく。
魔物との戦いよりも、不和との戦いよりも、もしかしたら難しいかもしれない「おしゃれ」への挑戦。
リトル・リンク、今日も(ドレスの裾を踏まない練習を想像しながら)ちょっとだけ成長中。
第107話をお読みいただき、ありがとうございました。
大きな戦いが終わり、物語は領主公爵主催のパーティという、華やかな(?)新展開へ。
戦場では無敵の彼女たちも、社交界のルールには四苦八苦しそうです。
ミルの「食べ放題」への期待と、カノンの「服がない」という切実な悩み。五人それぞれの反応が、リトル・リンクらしいですね。
「セインのドレス姿、想像がつかないw」「ミルの食欲がパーティを壊さないか心配」と思ってくださった方は、ぜひ下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして、応援いただけると励みになります!
次回、第108話。
市場でのお買い物大作戦!
ケットルが選ぶ「機能性重視(?)」のドレスとは!?
お楽しみに!




