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大発見


ウブラを発ったその日の正午過ぎ。

退屈そうにしていたフィンをエヴァンに任せて、荷物の整理をしていた音凪と透真。


支度を済ませたあと、フィンとエヴァンがいる甲板に向かうため、二人は部屋を出た。


「透真」


透真が部屋の扉を閉めているとき、音凪はいつになく真面目な顔で話しかけた。


ガチャン。


施錠を確認した透真は音凪に振り返った。

音凪は天井をじっと見つめている。


「どうした?」


「あのね……」


音凪はゆっくりと腕を上げて——



「この上、甲板だよ」



天窓を指差した。


「そうだな……?」


「甲板は全部木の床なのに、空が見えるよ」


音凪は「大発見!」と言わんばかりに頬を仄かに赤らめて、まじまじと天窓を見つめている。


「魔法かな? すごいね」


船に乗ってから、既に一週間以上は経過していた。

しかし、音凪はまるで初めて見たかのように感動している。


透真は無邪気に笑う音凪を見つめ、そっと目元を緩めた。


「こんなこともできるんだな」


「ね。なんでもできちゃいそう」


「夢があるよな。

 音凪も魔法使えるようになったけど、やってみたいこととか……ある?」


「え? んー……。

 あっ、夜に灯りをつける……とか?」


「っふ」


「ぽわってできたら、便利だよ」


にこにこと笑う音凪と、そんな音凪を見て愛おしげに微笑む透真。


他愛もない会話をする二人を、

天窓から注ぐ光が包み込んだ。


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