第12話
あのうわさが本当なのかということはさておき、仕事をしている間、特に南さんの態度が変わることはなかった。
噂が本当であれ、嘘であれ、仕事に支障がないのであれば、俺にとってもどうでもいいことだ。
時折、なんで聞いたのかという後悔をすることこそあれ、それを仕事に持ち込むようなことは俺は決してしなかった。
しばらく経って、俺もやっとほぼ独り立ちを迎える。
いつの間にかしていた私見とやらに合格をしたんだということだった。
そして入社から半年が過ぎた。
「……秋休み、ですか」
「そう、秋休み」
課長席へ呼ばれた俺は、そんな唐突な言葉を突き付けられる。
営業課という職業柄、長い休みというのは滅多に取ることができない。
それでもなお、働き方改革だの、多方面からの圧力だののおかげで、年に3回はまとまった休みをくれるようになっていた。
そのうちの一つが、秋休みだ。
「もう少ししたら、シルバーウィークがやってくるのはわかっているだろう。あれが秋休みだ。1週間丸まる休みになる」
「平日もですか」
「平日も、だ」
にっこりとしながら俺へ課長が教えてくれる。
「完全オフになることなんて年に数回しかないだろう。多くは携帯電話を持たされて、顧客から連絡があればさっさと対応する必要があるからな。だが、この秋休みは夏休み、それと年末年始休暇と同じように完全な休みになる。まあ、北表くんは、夏休みには研修に行ってもらっていたからあまり実感はないだろうがね」
「はぁ」
みんながあくせくと働いているオフィスでそんなことを言われたところで、急にどうしたものかと思うようになった。




