修行してくれる、らしい
タイトルが……なかなか……浮かばねぇ……!
「……えっ……?」
「神様……?」
「異世界……だと……?」
上からキノ、私、フウコの順だ。
「そ。ここは異世界。仮想現実(VR)なんかじゃない、本当のね」
「待ってくれ! 仮想現実じゃないってどういうことだ!?」
「言葉のままよ。あなた達プレイヤーは、魂だけをこっちに飛ばして、アバターという肉体を操っている。ボーナスとか貰ったでしょ? あれって、『魂にまで刻まれた性質』なんだよね。それが世界の壁を越えるにあたって具現化したのが、ボーナスってわけ」
「じゃ、【努力家】って……」
「それだけの努力をし、かつ効率よく進めてきた証、みたいなものかな」
確かに、地球では繰り返す度にコツを掴んで効率は上がっていった。つまりは、そういうこと?
「じゃあ、わたしの【電子奏者】はパソコン関連が得意だから?」
「ならあたしの【贋作動作】は一度見れば大体出来るからか」
「称号には特殊効果が付いてるものもあるからね。もちろん、称号が変化することもね」
「リアちゃんって、どんな称号持ってる?」
「えと、【叡知の倉】【神殺し】【霊峰の覇者】【武を極めし者】【魔を極めし者】【作れぬ物なし】、その他もろもろかな」
規格外過ぎて言葉が出ない。神殺しとか、物騒なのもあるし。
「さて、私がアサヒを呼んだわけなんだけど、その武器に見合った流派を学んでもらおうかと思ったんだよね」
「流派って?」
「剣術スキルの上位互換だと思えばいいよ。私がアサヒに教えるのは、世界最古にして最強の流派、古代武芸」
「古代武芸……」
「それはどのような流派なんだ?」
「数多の武器種を操り、攻め、守り全てを詰め込んだ、失われた流派。現存する全ての流派の大本であり、変幻自在な剣戟は同じ古代武芸以外に捌く術はない、とまで言われてたかな」
最強の流派、ということだろうか。だが、私はこの時、古代武芸という流派の本質を理解出来ていなかった。
「あたしも教えてくれないか?」
「ごめん、古代武芸に楯を扱うものがないから教えられない」
「じゃあ、サブ武器のクレセントアックスは?」
「それなら大丈夫」
「あ、わたしも!」
「魔法メインなら魔力操作からかなぁ。よし、時間がかかるから手っ取り早く済ませよう!」
リアちゃんが杖を取り出す。それは、美術品だと言われても信じてしまいそうなほど、緻密に作られていた。
「ディメンションキューブ・タイムアクセラレーション!」
四人を包むように立方体の枠が形成されていく。それが完成すると同時に、景色が夕焼けの丘から、地平線まで続く草原と、そこに一つだけログハウスがある空間へと変貌した。
私達がまたも呆然としていると、リアちゃんが口を開く。
「この中は外より一万倍ほど時間の流れが早いから、とりあえず半年ぐらい修行してみようか♪」
「「精神と時の部屋かよっ!」」
キノとフウコのツッコミが響く中、私は思った。
(半年も勉強しないでいると、色々忘れちゃいそうだなぁ……)
次回から修行開始。
修行が終わると、リア視点に戻そうと思います。あと二、三話かなー?




