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第一話 「黄泉ネット計画の発端」

本作はフィクションです。実在の歴史上の人物および実際の出来事をモデルにしていますが、史実とは異なる部分があります。

AI使用について:技術調査・人物確認・伏線整理にAIを活用。物語のアイデア・構想・展開・進め方は自分で書き、ドラフト作成はAI活用。ドラフト版は自分で修正・加筆して完成させています。

第一話 「黄泉ネット計画の発端」



私がこちらの世界に来て三百四十年。

ようやく黄泉の国から下界のインターネットを見ることが出来るようになった。


その記念に、私は何気なく自分の名を検索した。

酒井忠清、と。


数秒後。


表示された文字を見て私は固まった。


権力の亡者


「……誰のことだ?」


私は続きを読んだ。

そこには、

『大老・酒井忠清』

と書かれていた。



「、、、、私か。」


-------------


これは私、酒井忠清が20年前に黄泉の国に来た男と一緒に

黄泉の国のネット「黄泉ねっと」を作る物語である。


冒頭に記した、下界で言う「えごさ」は、

「黄泉ねっと」を作ったのちに、

試しに己の名前を「調べたい言葉を入れる欄」に入れたときの感想である


その「えごさ」によって得た情報への反論は、

またの機会に行いたいと思う。


まずは、この15年「黄泉ねっと」を作るにあたり大変苦労をした話をしておこう。


-------------



約15年前、

こちらに不慮の死で来た「ネットワーク技術者」とやらが、暇を持て余し、

不満ばかり言って居ったのが始まりだった。



-------------

まずは今の私の仕事について少し話しておこうと思う



私の今の役目は、

黄泉の国に来た方々が行った現世の行いにより、どこに行くかの仮判定と、

仮判定への不服に対する調停である。


生前、徳川幕府に属していた際、老中による合議を重んじ、

幕府を支えるために働いた行いが閻魔様にえらく評価された。

なので、今、このような役目を頂いている。


他にも仮判定を行う人材はおる。

だが、現世で、名が知られているものはいないようである。

仮判定判断結果をお伝えする際に、仮判定員の●●ですと名乗るのだが、

現世で名が知れていたら、名乗れば驚く人もいると思う。

だが、そのような場面を見たことがない。


私は250年前までは仮判定判断結果の際に名乗ったとき、

数人に驚かれたことがある。

私は少しは現世でも知られているのであろう。


私がここで行っているのはあくまで仮判定。

正式判定は閻魔様がお決めになる。

だが、ここ100年、

閻魔様から仮判定結果について異議を唱えられたことがない。


生前お支えしていた家綱公は、「左様である」とよく仰った。

家臣の間では密かに「さようせい様」と呼ばれていたほどである。


閻魔様は「さようせい」とは言わない。

「よき」とおっしゃるので、「よき様」じゃな。


数千年と同じお仕事されている閻魔様、

お疲れなのであろう。


出来るだけ黄泉の国の運営を楽に出来るよう、尽力をつくすほかあるまい。


-------------

さて、話は戻るが、

15年前、こちらに来た「ネットワーク技術者」とやらが、暇すぎて、暇すぎて、なにかやることはないか?

とずっと不平を言っていた。


仮判定はすぐに出せるものではなく、数か月待ってもらう必要がある。


仮判定審判が始まるまで、

言語ごとに区分けされた広間のような場所で待ちぼうけを食らうのだ。


「技術者」は、日本語話者だったので、

私が担当している広間で待ってもらっていた。


広間管理者も数人いて、

その管理者は素行を注意したりすことはなく

順番待ちの列の整列や、広間の掃除、問題発生時の連絡役等を行う。


普段待ち人達を気にしない広間管理者が、珍しく、「うるさくて困る」と

私に泣き言を言ってきたのだ。


他の者たちの迷惑になると思い、仮判定審判の手を止め、

「技術者」と話をすることにした。


するとその「技術者」は、

待っているのは別にいいという。

だが、なんで待ち時間が長いと分かっているのに、

暇をつぶす物がおいてないのか?

と問うてきた。


私は、

今まで黄泉の国に来た者たちが、持ってきた本なら壁一面にあるだろうと言うと、

その「技術者」は、

本で、情報の深さは知れるが、鮮度がないと言った。


鮮度?とは?

私は何を言っているのか?と首をかしげると、

その「技術者」は、

今下界で起きていることを知りたいんだと言った。

下界では、「コンピューター」と呼ばれるものがあり、

それを「インターネット」につなぐとすぐに情報が手に入るとのこと。


そういえば最近、こちらに来る若い人間は、

メールとかサイトとかいう訳の分からん言葉を

いう人間がちらほらいたなぁ。


その「技術者」が言うには

調べ物は本ではなくまず「インターネット」とやらで調べるとのこと。


本ではなく、伝聞でもなく、「インターネット」?


私は老中だったころ、各地のいろいろな情報を知る必要があった。

地方にいる大名に手紙を送り、状況確認をしたり、

信頼できる部下に実際に現地視察を命令したりもした。


その「技術者」の話を聞いていると

誰かがまとめた内容を「サイト」というものに掲示し、

それを世界中の人間が見るのだという。

日本にいても、異国語さえできれば異国の言葉の情報を得られるのだと。


私はびっくりして、思考が一瞬止まってしまった。

そして、すぐに思った。

そして、気付けば口にしていた。


「見てみたい、、、」



その「技術者」は


「なら、作りましょうか?」


技術者は当然のように言った。


「黄泉の国からインターネットを見る仕組みを」



第一話を読んでいただき、ありがとうございます。

江戸時代の大老・酒井忠清が、現代のネットワーク技術者と黄泉の国でインターネットを作る、という少し変わったお話です。

忠清さまは歴史上「権力の亡者」「下馬将軍」として悪役に描かれることが多い方ですが、調べれば調べるほど有能で誠実な人物だと感じました。この作品は、そんな忠清さまへの敬意から生まれています。

全71話を予定しています。続きもよろしくお願いします。

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