春休みの作業
春休みは釣りに行くだけでは無い!
これからは家庭菜園で夏野菜のタネまきや、苗の植え付けが始まり賑やかになってくるからそれらの畑の準備作業もあるし、露地栽培のイチゴを愛美と朝輝と一緒に収穫したり、エンドウ豆類の収穫も始まる。それと、飼育している小鳥達に窓越しでは無い日差しを浴びた青菜を与えられる季節も到来だ!って事ですよ。
「ひろ君、新芽が成長中のプランターにモンシロチョウが飛来しているから卵産んでるんじゃない?」
「いいのいいの。あれはモンシロチョウをおびき寄せるやつだから。狙いが青虫だとも知らずに来る哀れなヤツよ」
「あ〜、そういえば同居を始めてから毎年似たやりとりをした覚えがあるわ」
カナリヤ達の巣立ちが終われば、今度は他のフィンチ類が繁殖期となる。そして、べニスズメとか一部の種類はヒナ鳥のエサとして虫が必要となる。ウチの場合は他にも虫を食べる種類を飼育しているから揃っているけど、天然の栄養満点な虫もあげたいからな。ただ、同じ葉っぱを食害する幼虫でも食べない種類や体内に毒がある種類もいるから何でもいいという訳ではない。
「ねえ、ひろ君。今年はこれも育ててみてよ」
「ほう、マイクロきゅうりか。でもこれ、味噌汁に不向きだと思うぞ」
「味噌汁の具じゃなくて、普通に生食で食べるわよ」
「本数は少ないけどいいよな。みんな大好き、メロン類やスイカの本数を少なくすると大好きなお義姉ちゃんでも怒られるだろうから」
「メロンやスイカが減るのは、あたしも困るわ」
「なら、日当たりが強すぎるこの区画に植えるよ。それでいいだろ?」
「うん!」
「とはいえ、まずは他の野菜と同様、育苗箱で少し育ててから植え付けになるな。タネまきと苗の管理やってみる?」
「じゃあ、タネまきだけ。あとは隊長がお願いします」
「まったく。芽が出たら、水に液肥を規定量混ぜたのを水やりすればいいだけなのに」
次は外飼いしている採集してきた海水魚の世話に移る。水温が低い時期に採集してきたから寒さ対策が不要のやつらだな。ただ、温かい水温が苦手な種類もいるから見極めが大切だと思っていたんだけど……。
「元日に岸壁採集したのは、この水槽からいなくなったね」
「だな。種類が判別出来たから、肉食魚の餌や本格飼育に移ったりしたからな」
「今は、釣り倶楽部の時に採集したやつのみになったと」
「だな。やっぱハゼの仲間が多いみたいだから、また餌になるかもだけど」
「そっかー。役目を終えるこの水槽はどうするの?」
「そのまま海水水槽の立ち上げに利用するから飼育部屋行き。ここでの魚類飼育も終了となります」
「淡水系の何かを飼育すればいいのに」
「この場所はこれからの季節、特に夏場は気温より高くなるから飼育に不向きだよ。高水温に強いのだって、過酷な環境は可哀想だからな」
「そうだったね」
さ、外の作業は終了。新発売の期間限定の炭酸飲料を飲んでから、今度は飼育部屋で作業しますかね。
「あの〜、雪華さん?そのウナギは夏の土用の丑の日に食べるために太らせるウナギじゃなくて、飼育するやつですからね?」
「でも、ウナギだよ?」
「今日の晩飯のおかずは決まっているけど、明日の晩飯のおかずをウナギの蒲焼きにしてあげるから、その食材を見る目をヤメなさい!怯えて塩ビ管に入っているじゃないか」
「あれは、単なる習性だと思うけど?」
炭酸飲料を飲んで、ひと休みした後は水合わせしていたウナギちゃんを水槽に導入する。今回購入したのは、熱帯魚の種類でもいるショートボディと呼ばれるタイプのやつで、普通のウナギのサイズが40cmとした場合、こいつは半分以下の15cmしかない。単に成長途中なだけだろ?と思われるかもだけど、実際に見れば体格が違うのが一目瞭然なんだよね。俺達飼育者にとっては珍しいのも養殖生産者には厄介者扱いになってしまう。そんなウナギを運良く生きた状態で入手出来たからウハウハだぜ!そのウナギを同じく飼育している爬虫類の世話を終えた雪華が食べたそうに観察しているのだ。
「今日の作業はこれで終わり?」
「終わり。ついでに夜にやる作業も終わらせたから、特番をしっかり見れるよ」
「あはは」
さて、春休みの終盤には毎年恒例行事のたけのこ掘りがある。今年もカクレエビを飼育する準備は出来ている!あとは鮮直市場に平貝が売っているのを願うだけ!頼みまーす。




