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銀髪幼馴染との同居生活がすんごく楽しい  作者: 遍羅


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護身術指導

「では、先生の許可もあり短時間ですが護身術の指導をします」

 連休が終わった週末金曜に内宮班女子組と一緒に学校の武道場にやってきた。理由は最寄り駅がある鉄道沿線で露出系の不審者が出没しているからだ。姉御先生に聞いたのと同一人物かは不明だけど、不安を感じて相談があったのだ。下津木さんの件もあり、武道場を授業や部活で管理する先生方に相談したら使用を許可されたのだ。


「今日は3年で引退した柔道部の先輩もご厚意で参加して下さる事になりました。理由は受け身が出来るからです。先輩方、今日は短時間ですがよろしくお願いいたします」

 男子と女子の先輩を紹介する。やられ役なのに引き受けてくれて本当に感謝します。

「「よろしく(ね)」」

「安中先生も見張り役をありがとうございます」

「はい」

 安中先生は俺の通う護身術教室では妹弟子だから、やりやすい。


「では、まず俺が見本を見せます。ゆっくりした動きを解説しながらやるけど、まずは俺の速さでやります。相手に掴まれる場所は手首から肘の間が掴まれやすいと思うので、その想定でやります。では先輩お願いします」

「わかった。 おう姉ちゃん、ちょいと付き合えや」

 役作りをしながら俺の手首より上の部分を掴んできた男子の先輩の腕を両手でロックして畳の上にうつ伏せにする。この後は関節をキメるんだけど、まずはここまで。


 下津木「速すぎます!」

「まずは、だから。ちゃんと教えるから安心して」


「あのさ、わたしも体感していい?」

 今度は女子の先輩が体感を申し出てくれたので、同じ動きでうつ伏せにさせてもらう。

「あはははは。抵抗出来なかった」

「先輩は柔道部ですから、危険を感じましたよね?抵抗を続ければ関節を痛めますから」

「確かにね。柔道では反則技だけど護身術では有効か。半信半疑だったから参加して良かった」

「俺も同じだな。体格差があるのに簡単にやられた。武道に心得が無ければ何が起きたか理解出来ないだろう」

 元柔道部の先輩の発言で練習中だった男女の柔道部員がザワっとしてしまった。あ、俺は授業での柔道の試合は負ける事が多いから練習相手にはならんよ?俺自身は受け身の練習が出来てありがたいけど。


「では、次に雪華が男子の先輩を相手にして実演してくれ。今日は簡単なのを指導するんだから同じのを頼むぞ。それと、関節はやらずにな」

「まかせてよ!」

「俺と先輩も体格差はあるけど、男女差でも問題無いのを実演します。では、先輩お願いします」

「彼女なんだろ?大丈夫なのか?」

「平気ですよ。先輩も彼女の前で申し訳無いですが、暴漢役でお願いします」

 実は今日来てくれた先輩は恋人同士。お互い大学に進学するみたいで柔道は続けるんだって。


「んんっ。 おう姉ちゃん、可愛いじゃねーか」

 そう言って今度は肘近くを掴んだ先輩の手と腕をロックして畳にうつ伏せにする。これには「おおー」といった声が武道場全体からした。


「雪華は経験者だからスムーズだけど、それだけ。男女の体格差とか関係無く身を護るのが護身術です。では、実際にやりながら教えていきます」

 教える時は女子の先輩で実際に技をかけるのは男子の先輩。腕をロックするまでに恐怖心でパニックにならないようにするのが重要なのも教えていく。


「では次に周囲に助けを求めるための時間稼ぎで関節をキメて動きを封じるのも教えます。先輩申し訳無いですが痛みを感じたら畳を叩いてギブなのを知らせて下さい」

「そんなになのか?」

「不審者相手なら容赦は不要ですが、痛みは強いので」

「わ、わかった」

「では、うつ伏せにするところからやりたいので腕を掴んで下さい」

「ああ。 オラ、こっち来い」

 先程と同様、まずはうつ伏せにしてから肘を起点にキュッとすると同時に畳を叩く先輩。


「そんな直ぐにギブ?」

「無理。完全にキメられた。相手には容赦無いよ」

「体感していい?」

「では、雪華頼むよ。畳を叩いたらすぐにヤメろよ?今後も現役を続けるんだから」

「安心して。ていうか、ひろ君てば心配しすぎよ」

 あなた様はね、調子にノリ出すと色々したがるんだから制御が必要なのよ?

 雪華「では、お願いします」


「なるほどね。もう片方の腕も間接的に封じてるのか、仰向けの場合もあるの?」

「あるけど難易度は高いですね。男の俺がやるのに嫌悪感が無ければ体感しますか?」

「是非」

 という事で、練習なので彼氏以外が触ってはいけない部分に注意しながら動きを封じさせてもらう。


「手加減してたね」

「はい。逆に痴漢にならないように注意しながらやったので」

「なるほどね。肘で首から肩の付近を押さえたのはその為?」

「いえ、あれは梃子(てこ)の原理を利用しているんです。うつ伏せよりも腕の可動範囲は広いですから」

「確かにね。いや〜勉強になるわ」


「バイト組の出勤時間があるので、今日はここまでにします。今日だけで覚えるのは難しいですが知っているのと知らないのとでは差が出ると思います。ただ、過信せずに逃げられるなら逃げる選択をして下さい。この武道場でするかは不明だけど、興味があれば引き続き教えます。今日はお疲れ様でした」

「先輩方もやられ役をありがとうございました」

「「「「「ありがとうございました」」」」」


 部活動は継続中だけど、俺達は退場しようとしたら、男子の先輩に「男同士の場合は腕では無く、胸ぐらのほうが多いだろ?それも対処法があるのか?」と聞かれたので数パターンの対処を実際に受けてもらった。


 最寄りのバス停からの帰宅中に雪華が「あたし以外を押し倒すなんて聞いてない」とプンスコしていた。どうやら先輩を仰向けで押さえたのを言ってるらしい。ゴメンね。

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