異能者IZM第34話~緑の目をした女の子~
34話
汐梨は瘴気を完全に浄化し、病室へ忍び込む際、予め眠らせた見張りの男達を眠りから覚ませて、その場を素早く立ち去った。
効力が消えた男達はやがて眠りから覚めて、何が起きたのか?と立ち上がり
念の為病室を確認して驚いていたのだ。
男A「え… ?か 患者の顔色が 良くなってる?」
菊ノ助の部下である黒服が驚いているちょうどその頃、外ではある人物達が呼ばれてこの病院に向かっていたのだ。
A「うえー…あの子たちのとこ行きたくないんだよねー瘴気が濃くって空気が汚いんだもん」
B「でも 仕事ですから」
A「わかってるよぉどーせなら神代泉雲に任せたらいーのにあのイズ暴君にぃ!あいつほんとやる気ないよね~ボクたちよりチカラ強いくせにむかつく~~」
B「悪口が過ぎますよ なんでも今は東京にいないらしいですから」
A「ほんっと自由人!あいつなんて顔がいいだけの暴君じゃん いや ただの※女顔だ!※男女だ!! 」
※泉雲に言ってはイケナイ禁句ワード
B「まだ言いますか…それ本人に言ったら〇されますよ 菊ノ助様のお気に入りなんですから 悪口はそのへんにしてください」
A「わかってるよぉ お前はマジメだよね~ほんとたいくつ」
ブチブチ文句を垂れながら、病院にやって来たのは、菊ノ助が呼んだ〝払い屋"である。
そしてその横で冷静に話をしてたのはその弟子。
そんな2人が病室の廊下を歩いていると、
黒服の男たちにナースコールで呼ばれた担当医がバタバタと走って来た。
なにやらナースに指示をして慌ただしかったのだ。
払い屋「…あれ…? もしかして もう死んじゃったのかな?」
弟子「不謹慎ですよ 」
部屋に近づくと、、菊ノ助の部下達が払い屋の姿を見て駆け寄って来た。
払い屋「なんか あった? もしかしてボク間にー「意識を取り戻しました!」
払い屋 弟子「「 … は? 」」
部下A「 いや …もう なんというか…」
部下B「い 医者がいうには (ゴクリ)…と 峠を超えたと いや もうすでに快方に向かっていると いや な…治った ? と…」←小声
払い屋 弟子 「「 はあ?? 」」
どういう事だと 払い屋が病室の入口までいって中を覗くと…
払い屋「…え? あれ? なんで… しょ 瘴気が 感じられない…??」
払い屋が混乱していると、更に驚きの光景が、
再び小柴あかりが目を覚ましたのだ。
※周りから見たらはじめて意識を取り戻した。
担当医「! こしばさーん わかりますかぁ?」
小柴「…はい 」
そう言って小柴あかりが突然動き出したので、担当医は思わずうわあっと言いながら後ろに倒れてしまった。
彼女はつけられた呼吸器が鬱陶しかったのか、自ら外したのだ。
本来なら今日明日が〝峠"であった為、意識を取り戻すのも難しい、自分の意志で動くなんて奇跡に近い…
それぐらい訳がわからない状況だったのである。
そんな収拾がつかない状況の中で、更に2人の少女が…
「あかりぃ …おはよぉ」
担当医「!? えぇえ??」
そばにいるナースも悲鳴を上げた。
「…あたしらずっと病院にいたんだねーってかあかりめっちゃ痩せてない?」
小柴「おはよ え? そうなの?」
そう言われて自分の体型を確認する。
その時ドアの入口が目に入って、
(…あのドアの前にいる人たち誰だろ?更紗か優香の家族の人かな?)
病室の扉の入口でのぞき込みながら目を丸くしてるのは、払い屋達と菊ノ助の部下。
払い屋「…ねぇ これ どーいう状況なの??説明求む」
弟子「… 私に聞かないでクダイ…」
部下A「と とりあえず 菊さんに知らせますね」
ずっと混乱状態が続く中、
小柴「…私ね もしかしたら …天使を見たかもしれない」
時田「天使ぃ~? なにそれ夢でしょーあはは」
杉田「あかりったらもしかしたら三途の川ってとこ行ってたんじゃない笑」
本当に3人は生命の危機があったわけだが、冗談を言う元気が戻ってきたようだ。
小柴さん「三途の川って(苦笑)やっぱり 夢だったのかなぁ? 綺麗な大きな緑色の目をした まるで天使みたいな女の子だったよ」
杉田「緑の目ぇ? 天使は外人だからぁありうるぅ きゃはは」
時田「あはは いないいないそんな人あたしの家族なわけないしぃーやっぱ夢だよー」
小柴(…そっか …やっぱり夢 だったの かな)
杉田「いやでも めっちゃ苦しかったし痛かったし正直死ぬかと… でもね!今全然痛くないのっ …これなんの薬が効いたんだろね?」
時田「ほんとほんと!苦しくない痛くない♪ 先生ぇ私もー元気だから家帰っていい?」
検査をしながら担当医は、
「あはは… い いや 退院は…今日はもう遅いので でもご家族には連絡したのでおそらく今から来られるかと 明日再検査して だ 大丈夫そうならですね…」
(ほんとこれどーいう事なんだよっっ??だれか説明してくれっっ)
時田「えーもぉ大丈夫なのにぃー」
そう言ってベッドから立とうとしたら足に力が入らず倒れそうになったのでナースが支えた。
ナース「あっ危ないですよっ 今元気でも長時間寝て過ごしてたんですから筋力落ちてますからね」
時田「…ご ごめんなさい」
担当医「…明日はリハビリもはじめましょう」
3人 「「「はーい」」」
***
そんなこんなで
約1時間後 鴉丸菊ノ助が病院に到着し、更に三重県から脅威的なスピードで神代泉雲も病院の屋上に来ていたのだ。
泉雲「ぜぇー…ぜぇー…はぁーハアー…くっそ ハァー…っつ ついた ぞ 」
ほとんど力尽きていたが…その時に泉雲のスマホが鳴ったのだ。
それを確認しようと画面を見ると、あの汐梨からであった。
力尽きてるはずの泉雲はガバッと起き上がり、アカウントをタップした。 すると
汐梨 また 明日ですおやすみなさい
意外にもおやすみメールであった
あの汐梨の事だ… 他意があるとはもちろん思ってないが…
泉雲「… あいつ メールするって…これかよ …ふっ」
泉雲は思わず笑みが零れた。画面を見つめながら
泉雲「寝るにはまだはえーだろ …ほんとガキ」
(…そーいやあいつボロボロだったよな…すげぇ疲れてそーだったし…)
そして持ってきた栄養剤でもある〝酒"を1本飲み干すと、気合いを入れた。
※泉雲は戻ってきた酒を家を出る前に2本飲み干してます。
泉雲「さて …〝延命"させに行くか」
屋上から院内に忍び込んだ泉雲は、小柴あかり達のいる病室の棟へ向かい、その階までたどり着くと、見知った顔ぶれが目に入ったのだ。
泉雲「は? なんでお前らいんの?」
「え…え?えー!泉雲うそお!!」
「わあっ泉雲ちゃん久しぶりー!」
菊ノ助「え? わあっ ウッソ泉雲くん!?え ホンニン??」
キラキラした顔で、泉雲の元まで駆け寄って来た2人はあの伏見享一と松橋飛那であった。
だが、抱きついてきた享一をひっぺがし、腕に絡み付いてきた飛那を軽く振り払った。
飛那「~~もぉおおっ 久しぶりなのにぃ なんでそんな冷たいのよ!」
泉雲「うるせぇな 暑苦しいんだよ」
享一「…でもさ お前今三重県にいるんだろ?すっげえな!どーやって来たんだよ」
泉雲の周りでじゃれつく犬のように2人ははしゃいでいるが、
菊ノ助「…ねぇ ほんとに…ホンニン??」
泉雲の姿を目にしても菊ノ助は、信じられないと驚愕している。
払い屋「あーホントだ!神代泉雲だ!あんた三重県にいるんじゃなかったの??」
泉雲が遠く離れた地方にいる事はみな知っていて、は周知の事実のようだった。
泉雲「…でカラス なんでお前までここにいんだよ? もしかして対象者は死んだのか?」
(チッ… 間に合わなかったのか?)
泉雲が問いかけると周りはシーン…と静まり返った。
泉雲「? なんなんだよ?」
享一「ってか… ほんと説明できない状況でさぁ」
払い屋「あんたの仕業じゃないの?」
飛那「あの女達泉雲のなんなの?」
飛那だけ違う視点で聞いてる。
泉雲「… なにが?」
払い屋「だからっあんたがあの子たちの瘴気を浄化したんじゃないのかって!」
泉雲「… は? ってかオレ今着いたばっかだけど」
泉雲も泉雲で状況が解らない。
そしてたまりかねて菊ノ助が泉雲にことの成り行きを説明をした。
現在病室の3人は、意識を取り戻して、車椅子に乗って(筋力が急激に落ちて歩けないから)駆けつけた家族と共に談話室にいるという。
体のいい人払いを菊ノ助がしたのだ。
泉雲「…ちょっとまてよ 死にそうだったんだよな は?お前言ったよな てめぇどーいうことだ ぁあ゛ん?」
色々無理してここ(東京)まで来たのに3人は既に瘴気の浄化を終え元気になったという…
骨折り損のくたびれ儲け とは正にこの事だろう…
だから泉雲の怒りはハンパない。
なんせ遠く離れた三重県から300キロの道のりを、ぶっ飛ばして2時間弱で来たのだから…
菊ノ助の胸ぐらを掴みながら力の限りガンを飛ばす。
菊ノ助 ビクッ「!い いやだってボク キミがほんっとーに来るなんて思ってなかったしっ」
(こっ こわいよぉおーー)
享一「おおっとぉ 泉雲ちゃんのこーんな激しい怒り久々に見るなぁ」
泉雲「あ゛あ゛ん゛?」
享一もとばっちりで凄まれたので、思わず飛那の後ろに隠れるが、
飛那「ちょっ ちょっと泉雲ぅ そんな興奮しないでよ なに?そんなにここの女たちが大事なの!?」
泉雲「んなわけねーだろ ……酒が切れそうだから補充が必要になっただけだ」
菊ノ助(えー…それはキビシイいい訳だと思うんですけど…ほんとどーいう心境の変化?)
ブチギレてる泉雲ではあるが、享一と飛那は久々に会えた事でテンションは上がる一方なのだ。
払い屋(…なんであんな暴君が人気あんだ?顔か?顔なのか?? 遠く離れた地方からここまで来たのも信じらんないねー…ほんとは近くに居たんじゃないの?)
払い屋とその弟子は未だに信じられない様子。
菊ノ助「と とにかくね もー僕も何が何だか解らない状況でね 困ってたんだよ~」
泉雲「なにが?」
ようやく話を聞いてもらえる雰囲気になったので、
菊ノ助「泉雲くん今ね病室に誰も居ないんだ
せっかくだからちょっと〝視て"もらえないかなぁ?」
泉雲「…チッ お前後で純米大吟醸と古酒と泡盛な」
※約1週間分
やっぱりタダでは動かい神代泉雲。
菊ノ助「…はーい かしこまりましたー(棒)」
払い屋「…あいつ どんだけ酒呑むんだよ」
(…ふっふっふ まぁ僕はあの部屋でもんの凄いモノ見つけたんだけどねーーー!)
先に病室に入った払い屋がある物を見つけて歓喜した。
それを手中に収めた事で1人勝ち誇ったような顔をしてほくそ笑んでいるのだ。
弟子はそんな自分の師匠を白い目で見遣り、
泉雲は報酬を条件にズカズカ病室に入って行ったので、払い屋達も後に続く。
そして病室に入った泉雲は驚いたのだ。
泉雲「?…おい どーいう事だ?瘴気が 全く感じられねぇ…臭いも ねえ…」
説明しよう
瘴気が人間の身体の中に入った場合は2パターンの現象が起こる。
まず1つ 人間の持つ免疫力(生体エネルギー)が強くて瘴気の毒にそのまま打ち勝ったとしても
多少体内に残り、後遺症のような症状が現れる。
そしてもう1つは…瘴気の毒に負けてしまい、どんどん身体を侵食されて身体は弱り、廃人か植物状態になるか最悪死ぬ。
しかも、人の生体エネルギーとブレンドされて異臭まで放つのだ。 霊力や異能の力が強い者はその特性によって臭いを嗅ぎとる事がある。 神代泉雲がその1人である。
よって瘴気に1度侵されると完全に消し去る事は不可能に近いのだ。
その理由を知っている泉雲が辺りを見渡しながら固まっていると、その横でひょいっと覗かせる顔が…
泉雲「…なんだよ…キモいんだけど」
払い屋「瘴気だけじゃないよぉ ここに住みついてた悪霊もみーんないなくなってるんだよぉ」
泉雲「……」
(…まぁ ここは病院だし霊が居座っててもおかしくねぇ…なのにマジ どーいう事だよ?澱んだ空気も感じねぇ…それどころか 空気が清浄化してる)
払い屋「おかしいよねえ?こんなに空気が澄んでるのってここ瘴気の溜まり場だったんだよー」
泉雲は鬱陶しいなと 冷たい目を向けた後、払い屋をムシして黙々と調査を進めるが、
払い屋「ぼくね 実はすんごいモノ 見つけたんだあ~♪」
聞いてもいない。
なのに構ってほしいのかおかまいなしの払い屋。
ニヤニヤしながら自慢げに払い屋が言うと、さすがに煩わしくなり、
泉雲「…なんだよてめぇはさっきからチョロチョロチョロチョロうっとおしいな」
泉雲が痺れを切らしてギロリと睨みつけて威嚇すると、さすがに怖かったのか、
払い屋「ちょっ ちょっとちょっとっなんでいっつもケンカ腰なの?」
泉雲「用があるならサッサと言え」
払い屋「なんだよっせっかく人が良いこと教えてあげよーと思ってるのに」
泉雲「だったら もったいぶらねーで言え」
払い屋は、殺気にも似た泉雲の圧に気圧されて、血の気が引き、
払い屋「あ…ご ごめん なさい…」
素直に謝り、ゴソゴソと己の鞄の中から4つ折りにしたハンカチを取り出し、その中を開いて見せたのだ。
払い屋が見せてきたのは1枚の葉っぱ。
普通の人間には〝ただの葉"にしか見えないが、チカラを持つ者にはそれが〝光って"視えるのだ。
そして泉雲はその葉に見覚えがあった。
泉雲「それって…」
払い屋「おー さすが神代泉雲!この葉が何か知ってるんだね!そーです!これは古書に記された幻の仙境〝桃源郷"の桃の木の葉かと思われるんです!いやー長年研究してましたからねーボクは!この驚きと嬉しさたるや!もーこの地上には存在しないとーバッ!
嬉しそうにクルクル踊りながら説明する払い屋から葉っぱを奪い取った泉雲はマジマジ見ながらまさかと思った。
なぜかと言えば…
泉雲(…コレって あいつがばあさんに渡してた あの変な桃に付いてた葉っぱに似てー「泉雲どーしたの?」
泉雲が頭を巡らせていると、飛那と享一と菊ノ助がゾロゾロと入ってきたのだ。
泉雲「あ…いや…」 パアッ! 「?」
泉雲が享一達に気を取られていると、葉がより一層輝きだしたのだ。
病室内が眩しい光に包み込まれ、なんだ? とまわりが思った瞬間
葉っぱが泉雲の手の中からシュンッと消えたのだ。
払い屋「へ… ? あー!?きっ消えたあ!??ちょっおま!神代ぉ!!なんてことしてくれてんだ!!き 貴重な研究材料をぉおーー!!」
払い屋は思わず泉雲の体を掴んで揺さぶり、ぶわぁっと溢れる涙を止めれず泣き崩れてしまった。
その様子を菊ノ助達はボーゼンと見つめている。
泉雲「…オレは なんもしてねーよ…」
と意味が解らないと泉雲は主張したが…
その葉は消えたのではない。
実はその〝桃の木の葉"には、汐梨の術が少し込められている特別な葉でもあった為、泉雲の身体に反応し、自ら体内に入り込んで、中を刺激したのだ。
シュルルルーーッ パアッ!
泉雲「! いてっ…?」
その時 ズキンッ!と泉雲の身体で痛みが走ったのだ。 ある場所で…
チリ… ヂヂ… ビキビキビキ ピキンッ…
そして…
ー われ……〇が… …… とかれた ー
泉雲の頭の中に、とても小さな声が聞こえたのだ。
泉雲「 …… は?」
確かに泉雲の頭の中に聞き取れはしなかったが誰かの声が一瞬だけしたのだ。
泉雲は不思議な現象に混乱しているが、払い屋は泣きながら抗議をしてくる。
払い屋「おまえ~~なんでそんな意地が悪いんだよぉ 返せよっ ボクの葉っぱ返してよぉおーーー!」
ことの成り行きを見守っていた3人だが、
菊ノ助「え?なに どしたの?」
払い屋が泉雲に縋り付くように泣いているので、その光景を見た享一と飛那がムッとしながら払い屋の頭をはたいて泉雲からひっぺがしたのだ。
払い屋からしたら踏んだり蹴ったりである。
病院ではそんな光景が繰り広げられる中、
とある場所で何者かが…
謎のモノA「おや?」
謎のモノB「…どうしました?」
(…儂の呪いの封印に反応が…気のせいか?)
謎のモノA「…何かがあヤツの〝魂"に 触れたかのぉ?」
「タマシイ ですか?」
「くっくっく…時に凰鬼よ」
凰鬼と呼ばれたモノがはいと返事をすると、
謎のモノ「〝柱"は 見つかったか?」
(儂の〝1200年も前にかけた"あやつへの呪い…さすがに弱ってきたのか…難儀なことよのぉ…)
凰鬼「…いえ」
ならば…
謎の者「急がねばならん 心せよ」
凰鬼「御意」
暗い暗い闇の中で おぞましい何者かが…苦々しく口元を歪ませながら、空に浮かぶ大きな満月を眺めていたのだ。
そしてまた病院では…
一体誰が瘴気を浄化したのかを見つける為に、泉雲達は菊ノ助が密かにこの病院に設置した、防衛省が管理する警備室のモニタールームに集まり、
そこで、自分達が来る前に何が起きたのかを調べる為にテープを巻き戻し、状況を把握する事にしたのだ。
菊ノ助「あの病室に…誰も入ってないのかい?」
監視員「はい…そのはずです 我々はずっとこの目で見てましたが 何も異変はありませんでした」
監視カメラを見ても無駄だ。汐梨が事前に幻影を見せる術で〝偽りの画像"を見せているのだから…
だから誰も気づかない。 いや…だからこそ怪しいのだ。
菊ノ助が事前に仕入れた情報があるから
だからこそなんにも異変のない映像が流れる事自体おかしい事なのである。
菊ノ助「…僕が見張りの者から聞いた話によると この辺りで眠っていたはずなんだけど…」
警備員「…いや そんな事は…実際2人ともジッと立ってますし…」
泉雲「どういう事だ?」
享一「うーん 見張りの話によると何者かに〝眠らされた"と言ってたんだよ…だからその場面が映ってないといけないのに そこが映ってない…どーいう事だろ…」
菊ノ助の言う事が確かであれば、その部下2人が何者かに襲われたという事になるが、不思議な事に、監視カメラの映像では微動だにしない2人が映っているだけなのである。
払い屋「もしかして複数人で侵入して 計画的に事を起こしたんじゃない?」
菊ノ助(それも一理あるか これが偽の映像なのは確かだし…病室にも監視カメラ付けるべきだったかなぁ…)
一通りはじめは1時間程巻き戻し隈なく調べたが異変がない。2時間巻き戻し観ても何もない…逆におかしい…
納得がいかない菊ノ助は手分けして今日1日の監視カメラを確認する事にした。
そして数時間巻き戻して映像を観ていた泉雲は思わずテープを止めろと指示したのだ。
なぜかと言えば…
そこには岡松刑事と映る藤峰汐梨らしき少女が花を抱えて歩く姿が映っていたからだ。
だが泉雲とは違う視点で享一が声を出した。
享一「あれ? 菊さんこのオッサン例の刑事じゃね?」
菊ノ助「ん? わあっ ほんとだ岡松くんだ!なんでこんな所にいるの?」
菊ノ助と享一が岡松の存在に気づくと同時に泉雲はありえない人物の姿に目を奪われていた。
泉雲(…おい…コイツ このメガネの女…〝藤峰"じゃねぇの?)
男の後ろを少し離れて歩く、花を抱えた特徴的なメガネをかけた少女…
泉雲はそっちが気になって仕方がない。
頭がガンガンと音を鳴らすように痛む…
泉雲(…いや ちょ ちょっとまて…そんなバカなアイツは今三重県じゃん? フッ…こんな所にいるわけないじゃん オレもおかしな事考えんじゃねーよ…)
自分にツッコミを入れる泉雲。
現実問題ありえないので泉雲は否定の言葉ばかり浮かぶ。
己の思考の中にダイブしながら1人悶々とうんうんと頭を捻るが、謎の状況に理解が追いつかないので答えが出ない。
そんな泉雲をさらに謎めくラビリンスにぶち込まんとする証言が…
払い屋 「そーいえば 〝緑の目をした天使な女の子"がどうとか 病人の子が言ってたんだけど…菊さんそんな子知ってる?」
……緑の目をした 女 ?……
菊ノ助「…へ? 緑の目の 天使?」
払い屋「うん なんでもさぁ 病人の子が見たっていうんだ」
思考のうずの中からようやく戻ってきた泉雲が…
泉雲「おまえ…緑の目の女を 見たのか?」
ポツリと問いかけた。
払い屋「?… ううん ただあそこの患者の1人がそんなよーなこと言ってただけで…? 」
菊ノ助(… 泉雲くん ?)
払い屋「?あの幻の葉っぱ…あんたが失くしたけど その事もあるしもしかしたらその緑の目の女の子が関係あるんじゃない?第一こんなのボクたちと同じ〝能力者"の仕業だろーし」
ありえない 確信に 近づいてゆく…
ぐわんぐわん泉雲の視界が歪んでいく…
それでも
泉雲(いやいやいやいやありえねぇありえねーから!あいつ今三重県じゃん?←(思考がループ)そもそも消しゴム女のこの状況をどこで知ったんだよ?でもでもあのカメラの服装は…晩めしの時に見た服と一緒 なんじゃね?いやまて…既製品っていう話も一理ある…似たような女かもしんねーし…いやいやでもあのダサメガネは…)
1人悶々とそんな事はあるはずがない! と否定しながら考え込み、あーでもないこーでもないと頭を抱えていた。
だがしかし…払い屋が決定打を打ったのだ。
払い屋「あ!そーいえばその緑の目をした女の子 〝ジャージ"着てたらしーよ」
泉雲 (……藤嶺だ!!!)
泉雲はカッ!と目を見開き確信した。
遠い祖母の家にいる汐梨は、
泉雲に色々バレそうになっている…
しかも なにか得体の知れないモノも動いているのだ。
だが…そんな事はなんにも知らない本人は、ふかふかのお布団の中で、すやすやと幸せな顔で眠っているのだった…
いつも異能者IZMをご閲覧いただきありがとうございます!
また少し物語が動き出しました。
次回も書き上がりましたら活動報告にお知らせしますね。
何卒よろしくお願いします。




