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夜にピエロは嗤う  作者: 相澤景亮
1/3

潜むピエロ

拙い文章ですが、何卒よろしくお願い致します。




町外れの小高い丘の上にある桑野病院。別名ピエロ病院。



なんでピエロ病院なんて呼ばれ方をしているのかといえば、単純にピエロが出るという噂があるからだ。


しかもその噂のせいで患者なんてほとんどおらず、居ても独り身の者が最期を迎える為に入ったという本当なのかわからないただの噂しかない。


馬鹿げていると思う。俺だって数日前まではそう思っていたのだ。




「萩野、お前ピエロ病院って知ってるよな?」

「この町にいて知らない人ってほとんど居ないと思うけど」

「そこで萩野に提案なんだが、、、じゃん!肝試しに行かねぇか?」


そんなことを言いながら親友である黒崎は[桑野病院平面図兼配置図 持ち出し厳禁]という紙を取り出して見せてきた。


「黒崎お前、どこでそんなもの手に入れたんだ!?」

「いや、ちょーっと探したらさ、すぐネットで見つかったんだよねー。厳禁とか書かれてる割には普通に出回ってたんだよ」

「え、まじかよ、、でもピエロなんて実際居ないと思うし、ただの夜の廃病院の肝試しにしかならないと思うけど」

「萩野ーお前ほんっとに夢ないのなー、お前がそういう類のもの怖がらない上に、信じないのは知ってたけどまさかここまでとは、、悲しいー」

「あー分かったよ!!そんな分かりやすい嘘泣きなんてしなくていいから、行けばいいんだろ」

「そうこなくっちゃ!じゃあそうと決まれば早速明日の夜9時!俺の家の前集合でよろしくー!じゃあねー」


黒崎はそうまくし立てると颯爽と帰って行った。


残された俺はといえば、まぁこういうことは昔から良くあるし、、と諦め半分、廃病院の肝試しという、夏ならではの行事に楽しみ半分であった。






「よし、準備おっけー、しゅっぱーつ!」

「お、おい、大声で言うなよ、夜中なんだから近所迷惑だろ」

「はいはい、さーせん!」


これから肝試しに行くっていうのにこのテンション。


当たり前だ。


黒崎とは小さい頃から町の墓地や工場、もう人が住んでない古いお屋敷なんかに肝試しに行っては、幽霊に会えずに帰ってくるのを幾度となくやってきたからだ。今回だってどうせその1つに過ぎない。

ただ、もしかしたら今回こそ噂が町中に広がるくらいだから、幽霊に会えるかもしれない、そんな期待でテンションがあがっていたのだ。




まもなく、歩いていると小高い丘が見えてきた。


夏という季節も相まって、丘の真ん中にある病院が見えないほどの高さの木がうっそうと茂り、その病院の壁もヘデラと思わしきツル植物で覆われている。さらに夜で街灯もないので、より一層不気味さを増している。


「あんなとこまで道もないのにどうやって行くんだよ、」


その見た目に俺は呆れつつ、思わずそう呟いていた。


「いーや、こっちに通り道があったんだよ。確か、、そう!ここ!あった!」


そう言いながら黒崎は丘の周りを回り込むように少し移動して伸びっぱなしになった雑草をかき分け始めた。

すると、そこにあるには少し違和感を覚える木の板があり、それを横にどけると俺らの身長より少し低めの木が、アーチのようになっている舗装されてない道が出てきた。


そして、まるで木のトンネルのようなそこを黒崎は少しも躊躇せずに進んで行った。


舗装されてないといえど、足元の雑草は踏み固められていたり、このトンネルのような道を隠すように置かれていた木の板があるなど、あきらかに人の手が加えられていて普通なら疑問を持つと思うが、例えば今回であれば、’ピエロ病院での肝試し’にしか目がない黒崎にとってそれまでの過程はどうだっていいのだ。なので、気にせず進む黒崎に何か言うこともせず、俺も続いて行った。


そしてかなり長かった木のトンネルを抜けると、目の前に桑野病院の入り口が出てきた。


近くで見るとより一層不気味だ。

入り口のドアの上にある’桑野病院’と書かれていたであろう看板は文字がほとんど消えかかってしまっている上に、看板が今にも落ちてきそうなほど外れかかっていてボロボロだし、入り口にあったであろう自動ドアは微妙に隙間が空いたまま止まってしまっていた。病院内は真っ暗で、さらに病院の外壁ギリギリの所にまで木が生えてしまっている。


「やば、思ってた以上に廃病院だねここ」


肝試しには慣れているはずなのに、俺は思わずその雰囲気に圧倒されて、そう漏らした。


「そうだねー、俺が調べた所によると、今はもう患者さんもお医者さんも誰一人寝泊まりしてないらしい

よ」


たしかに肝試しにはうってつけだ


「でも、人なんて誰も居なさそうなのになんでピエロが出るなんて言われてるんだろ」


ずっとここにたどり着くまで不思議だった。


今回の肝試しは、、というか、大体の肝試しは黒崎が先に調べをつけてくれて、それに従って俺は黒崎についていくという形だ。だから今回のことも全部黒崎に任せていたので、俺は詳しいことは全然知らない。


「ここ、肝試しで有名らしいから、俺らと同じように来た人が流したんじゃないかな?」

「そういうことか、だから人が通って行けるような道が簡易的にでもあったのか」

「多分そうだと思うよー、じゃあ、入ってみますか!どうする?1階からまわる?上まで先に上がっちゃう?」


黒崎はそう言いながら昨日広げてた[桑野病院平面図兼配置図 持ち出し厳禁]を背負っていたリュックから取り出して広げて見せた。


「この桑野病院は3階建てで、3階に受付と病室と当直室、2階に手術室と総合検査室、1階に受付と診察室と院長室、っていう簡単な作りになってる。病院にしては珍しい配置だね、」

「1階に院長室があるなんて、、それに手術室がわざわざ2階じゃ運び込まれた患者さんも大変だっただろうに」

「なんかそれは場所不足が原因らしいよ。あとは、ほんとは3階に院長室を作りたかったらしいんだけど、病室と同じ階は嫌だっていう院長のわがままも1つの原因としてあるみたい。」


そんな理由で?!と思わず心の中でつっこみを入れてしまった。


「じゃあとりあえず普通に1階から回っていきますか!」

「りょうかいー、案内は任せてね」

「黒崎隊長にに任せました!」


なんて少しふざけつつ俺らは病院内に入ることにした。



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