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婚約者を交換ですか?いいですよ。ただし返品はできませんので悪しからず……  作者: ゆずこしょう
建国祭。

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春の庭園。

メルティと別れたあと、俺は現状を把握するために王宮内を見ながら歩く。


父上が撃たれた事は広まっていないようで、大きな変化は見られない。


「アルマン、アーテリアの居そうな場所分かるか?」


「恐らく……謁見の間にいることは無いでしょうから、いるとしたら庭園とか、応接室などでしょうか……」


確かにあいつが謁見の間で妃の真似事などするわけがないか……。


まずは庭園を見てから応接室などがあるところに向かう事にする。


出来れば謁見の間がどうなっているかも気になるところではあるが、他の貴族たちは俺が王太子とわかっているはず……だ。


「アルマン。俺は王太子として認知されているのだろうか……?」


「えっ!?今更ですか?っていうかそれ今聞くことじゃないですよ……。


王太子として認知されていると思いますよ。むしろ気づいていない人の方が少ないくらいかと……。」


アルマンの言葉に少し安心した。


アーテリアも気づいていなかったし、アポロも気づいていなかったから、もしかしたら……と思ってしまった。


というか、あいつら王太子に対してかなり失礼な態度をとっていたのでは無いだろうか。


話している時は浅はかすぎて怒る気力も起きなかったが、今になって腹が立ってきた気がする。


「なら良いのだが……取り敢えず庭園に行ってみるか……。」


居るとしたら今は春だし、春の庭園だろう。


俺は急ぎ足で庭園に向かう。


庭園に行くにつれて人が増えていくのがわかる。


しかも……若い男性ばかりだ……。


見たところ兵士や男爵、子爵あたりの子息たちだろうか……。


もしかしたらそれ以外の人たちも紛れ込んでいるのかもしれないが……


庭園の中に入っていくと、ガゼボの中でケーキを男性たちに食べさせてもらっているアーテリアの姿が見えた。


「あれは……できれば見なかったことにしたいな……」


本当にどんどん大きくなっていっているが、アポロはあんなのと結婚していいと思っているのだろうか……


お飾りの嫁だったらいいのか……。


それに見たところ自分が一番という男だ。


逆にアーテリアも自分を主役にしてくれるその他大勢の一人なのだろう。


アーテリアはアーテリアで美しい男性にしか興味がないのか、周りにいる人は顔が整っている人ばかりである。


と、言ってもコルベール家には劣るだろうが……。


遠くで見ていると、アーテリアがこちらに気付いたのか、目をキラキラさせながら寄ってくるので笑顔を返した。


「アルマン。ここは俺一人でいいから、お前はメルティのところに行ってきてくれ。」


アーテリアが近づいてくる前に急ぎ、アルマンに指示を出すと、アルマンは人混みに紛れてこの場を去っていく。


「あなたは確か、ヘルメントだったわよね。メーティアと一緒にいた……」


「はい、お久しぶりです、アーテリア嬢。


今日はこちらで何をされているのですか?」


「見てわからない?私ね、妃になったのよ。


だから私専用の花園を作ったの!」


妃になった……?


まだ発表もされていないのに、もう妃になったつもりでいるのか……


しかも花園って……


ただイノシシをかわいがってくれる人を集めたようにしか見えないのは気のせいだろうか。


「そうだったんですか……


妃になったというのはどういうことでしょう。


今の国王はどうされたのですか?」


妃になったって、そう簡単になれるものではない。


今の国王も妃もいるのだ。


この二人が退位しない限りはそのままのはずなのだが……


「それがね、あのね……」


両手の人差し指の先をツンツンしながら上目遣いで見てくるが……


ドキリともしない。


寧ろ悪寒がするくらいだ。風邪でも引いたのかと錯覚してしまう。


「やっぱり教えてあげなぁ~い」


本当にかわいくないからやめてくれ……


「いいじゃないですか。僕とあなたの仲でしょう?」


そう言って腰を引き寄せて顎を持ち上げ、顔を近づける。


あくまで演技とわかっていても……


本当に気持ち悪い……。


これだけ体型が変わっているし、ケーキばかり食べているのだ。


顔も吹き出物だらけで荒れている。


まだ昔のアーテリアなら我慢できたかもしれないが……


「全く……ヘルメントは大胆なんだから……こんなに人が見ているのよ!」


「嘘ばっかり……


本当は見られている方がいいんだろ?


だからこうやって僕以外の男を集めたんじゃないのかい?」


アーテリアは顔をさらに赤くしながらこちらを見ている……


人前だから何とか演技ができているだけで、できればこんなことしたくないのだ。


だから早く言ってほしい……


「国王は死んじゃったのよ。


王妃もそのうち殺されるわ!私のパパの手によってね。」


その言葉が聞ければ十分だと、急いで腰から手を離すと、勢いよくアーテリアはよろけた。


他の男性たちがそれを支える。


「そうか……国王はもうこの世にいないのか……。


では本当に君が王妃になったら攫いに来るよ。


そのためにやらないといけないことができた。


また会おう、アーテリア……」


誰が国王を撃ったのか犯人が分かったところで、俺は急ぎここを離れた。


俺のことを王太子と知っている奴もいるかもしれないためだ。


見たところ、俺を見て王太子と気づいている奴はいなかったので大丈夫だとは思うが……


アーテリアが最後何か言っていたが、俺は聞こえないフリをした。

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