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婚約者を交換ですか?いいですよ。ただし返品はできませんので悪しからず……  作者: ゆずこしょう
秋のお茶会

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ガイア王妃。

王都に戻ってきて一ヶ月。


この一ヶ月は王都に居たこともあってか、ダルデンヌ公爵が家に訪ねて来ることはなかった。


「普通であれば領地の方がゆっくり出来るものだけれど、王都の方がゆっくり出来るってなんだか嫌ね……」


「ダルデンヌ公爵領とコルベール領は隣り合っていますしね……王都に来るよりも近いのでしょう」


確かに、ダルデンヌ公爵領からコルベール領までであれば、片道二時間も掛からずに着く。


王都までは半日以上だ。


これでもまだ他の領地に比べれば王都に近い方だと思うけれど、それでも行ったり来たりするには結構時間がかかる。


オスト様が領地に居たこともあってか、領地にもダルデンヌ公爵家の人たちが来ているということは無いようだ。


「そうね。深く考えてもあの方たちが考えてることは全く分からないし、考えるのはやめましょう!


今日はお母様とお父様が領地から来るのよね。楽しみだわ!」


「そうですね。旦那様と奥様は夕方頃にこちらに着くようです」


私も今日は登城して王妃教育などがあるし、夕方に来られるということであれば出迎えには間に合いそうだ。


バネッサに髪をセットしてもらっている間に、今日の予定を確認していく。


午前中は王妃教育、午後はオスト様の執務の手伝い、そして十四時頃から王妃とのお茶会がある予定だ。


王妃とのお茶会は、一週間後にある王妃主催のお茶会の打ち合わせも兼ねていると聞いている。


「私も夕方には帰れると思うわ。お父様たちと夕飯も食べられそうね」


準備を終えると、私は馬車に乗り王宮へ向かった。


***


「メーティア様、おはようございます」


「モーリア伯爵夫人、おはようございます。本日もよろしくお願いいたします」


モーリア伯爵夫人。


現国王妃の教育係も務められた方で、マナーや作法など、どれをとっても右に出る者はいないと言われるほどのご夫人である。


初めてお会いした時から、とても尊敬しているお方だ。


「メーティア様は覚えられるのが早いので、ほとんどもう教えられることはないのですが……何か聞いておきたいことなどはございますか?」


「そうですね……。このあと王妃様とお会いするのですが、王妃様がどのようなお方なのか教えていただくことは可能でしょうか?」


この国の歴史については理解できていても、表面上だけで、なかなか一人一人のことを知ることはできないのが現実だ。


それに、このあとお会いする王妃様のことを少しでも知っておきたい。


一応、お義母様になるわけだし……。


「私の知っている範囲にはなりますが、それでもよければお話ししましょう。


ガイア王妃はロロット伯爵家の出身で、貴族位も高くないことから妬まれていたんですよ……。


それでもウラヌス国王と一緒にいるために、必死に勉強して周りを認めさせたのです」


今もそうだが、貴族はなかなか恋愛結婚ができない。


ほとんどが政略結婚だ。


……勿論、政略結婚をしたからといって、お互いを想い合っている人たちもいるだろう。


家の両親だってとても仲がいい。


まぁ、お父様がお母様の尻に敷かれているという感じも否めないけれど……。


「お二人の出会いは、本にもなりそうなくらい素敵な出会いだったんですよ」


ウラヌス国王は十八歳になるまで婚約者を作らず、のらりくらりと前国王の話もかわしていたそうだ。


そんなときに、前王妃からある条件が出された。


「『一度だけでいいからお茶会に参加しなさい。もしそのお茶会に参加しても婚約者が見つからなければ、もう私たちからは何も言いません』とね……。


そして仕方なしに、ウラヌス国王はお茶会に参加しました」


お茶会に参加しても、笑顔を振りまくよりも馬に乗って出かけたり、剣を振るったりすることが好きだった国王は、顔を出したから帰ると、すぐにお茶会会場を出ていこうとした。


そして踵を返したその時、一人の女性とぶつかったのだそうだ。


「それがガイア王妃でした。


ガイア王妃も、まさか人がぶつかってくるとは思っていなかったようで、吃驚してしりもちをついたんです。


それが二人の初めての出会いでした。


ここだけの話ですが……ウラヌス国王の一目惚れだったんですよ」


そこからは、ガイア王妃に猛烈なアタックを繰り返したらしい。


貴族位も全然釣り合わないからと、ガイア王妃はずっと断り続けていた。


それでも諦めずに毎日花や文を送ってくるウラヌス国王に、ガイア王妃もついに折れた。


「前国王も前王妃も、ウラヌスが結婚すればそれ以上は何も言わない……と約束をしていましたので、それ以上二人が何か言うことはなかったんです。


ただ一つを除いて……」


「ただ一つですか……?」


「はい。他の貴族たちを認めさせるのは自分たちでするように。


私たちは動かない……と。


このくらい自分たちで何とかできなければ、これからを任せることはできない……とも言っていましたね」


それからウラヌス国王とガイア王妃は、認めてもらうために必死に勉強を頑張ったそうだ。


そして二人が出会ってから二年後、無事結婚したらしい。


「ガイア王妃はすごいですね……」


「えぇ……。今までにも伯爵家から王妃が生まれていないというわけではないですが、周りから馬鹿にされないようにと、いつも笑顔で必死に頑張っていました」


今まで“努力の妃”と呼ばれていたから、なんでだろうと思っていたけど、こんなに頑張っていたなんて知らなかった。


お茶会前にガイア王妃のことを聞いておいて、よかったかもしれない……。


そのあとも、どんなことがあったか色々お話を聞いていれば、あっという間にお茶会の時間になっていた。

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