Mortal and Others
本編が終了する。
どこか、弛緩した空気になる。
ゆっくりと水を口に含む。
しかし、隣の小学生は、変わらず元気で、ギタリストへのアンコールを叫んでいる。
もう反対側の二人組はギタリストの素晴らしさを語っている。確かに素晴らしい才能だとは、改めて思った。
意外や意外。思ったより、早くギタリストが出てきた。今度はキラキラな青い服。
本当にR&R showなんだな。
完全にエンターテイメントに振り切っている。これは、これで楽しい。
そう・・・間違っても「最初期のアルバム」の頃とは違う。色彩溢れたギタリストではない。ピアノを弾いていたり、なかなかchallengeしていたのは「黒歴史」だろう。
なお、初めて聴いたドイツ語の曲が、このギタリストの曲だったことは自分の完全なる黒歴史である。
ステージ上で、ギタリストはメンバー紹介をしている。若い子には、若い子の応援をよろしく、と言っているのをみると、不思議な感覚を持つ。
才能と狂気が形を成していた、約20年前のギタリスト。
当時、職業:ギタリスト、などは、いわゆるスタジオとかにはいたんだろうが、調べた限り、テレビやラジオにはいなかったと記憶している。
その記憶より更に30年近く前にはスタジオミュージシャンが有名だった時期があったと記録されている。今から50年近く前。想像がつかないな。
いわゆるフロントマンではなくとも、バンドマンがフロントマンのように職業として成り立ってくる創成期の方だ。
「2人目のヴォーカリスト」にしても、売れたのは「平成No.1のユニット」より早い。結成はそちらのユニットの方が早かったが。
ヴォーカリストとギタリストだけのユニット。PVが衝撃的だったと、以前聞いた。確認したが確かに衝撃的である。
構成員全員が背が高く、見栄えが半端なく、しかも歌が上手く、音楽がキャッチーでわかりやすい。そりゃ、売れるか。喧嘩別れしているが。
ギタリストは、あれから年月を重ね、気遣いができるようになっていた。しかし、年月は残酷だ。ギタリストから時間と体力を奪った。
もう映像のように片足上げたままクルクルとは回れないだろう。年齢を考えても、あと何回、コンサートが出来るのか。
時間を代償にギタリストが得たもの、それは更なるギターとの相性?それとも社交性?
ギタリストはメンバー紹介を続けている。同年代のサポートメンバーには、いつも「自分達」は月曜日で雨ばっかりだったと。
・・・それは、ヴォーカリスト様が雨男だからではないだろうか?調べた限り、相当な確率で雨に濡れている。ギタリストが雨男には見えない。
ヴォーカリスト様は、ある意味、屋根が必須な方かもしれない。カバー曲通りに、どこに行っても雨が降るから、雨が滅多に降らない街にいるのかもしれないな、と、ふと思った。




