表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鬼隠し村のあやかしな人々〜花咲かす君をさがして〜  作者: ひいろ
結、夏の神事〜蛍迎ノ舞〜
66/67

六、

「ぽんこつ式神!」


 名前はなんていったか。ぎろりと、相手の目が碧斗をとらえた。相手の眉間に深いしわがよる。ものすごく嫌そうな顔だ。


「あ、思い出した。深世が三番目に好きって言ってた人だ」

「貴様。今何と言った?」


 怒りをみなぎらせて、三番目はこちらへ近づいてくる。


「三番目っていいました~!」


 がっと胸ぐらをつかまれた。


「三番目ではない。右京様が候補からおりられた今、俺は」


 暑苦しい相手は、じっくりとためた後言う。


「二番目だ‼」

「はん!俺は深世の彼氏だから、当然一番だけど、あんたは三番目のままだ! 二番目は欠番だ!」

「なんだと⁉」

「ちょっと二人とも。また私のために争わないの!」


 深世が頬をふくらませている。かわいい。気がつくと、二人同時にはい、とうなずいていた。


「ふふ、冗談はさておき。禅、ごめんさい。言うとおりに戻るね」


 そうだった。彼の名は禅。三番目にして弱小の式神だった。


「深世様。少しそこで待っていてください。俺はこいつを片付けます。村から成敗するようお触れが来ておりますから」


  きらりと、禅の目が光った気がして碧斗は後ずさる。


「な、なんだよ。暴力反対……」


 急に小声になった碧斗をにらみつけながら、禅はゆっくりと近づいてくる。


「待って、禅。碧斗に何をする気なの?」


  深世が禅の腕にすがる。


「こやつは、出入り禁止となっております。この場所から、消えていただきます」

「でも!」

「いくら深世様の命令でも、きけませぬ。これは鬼隠し村の取り決めですから」


 やばい、目が本気だ。


「まあまあ、禅くん。少し話し合おうではないか」


 蒼白になりながら、碧斗は貼り付けたような笑みを浮かべる。


「問答無用!」


  禅から突風がわきおこった。


(ざん)‼」


 禅が言葉を放った瞬間、体が地面から離れていくのを感じた。


(嘘だろ。せっかく深世と会えたのに。こんなところで死ぬなんて)


 碧斗は気を失った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ