課外授業
俺がガル教導官を倒してから三日が経った、その功績は大きく称えられ、俺に対する期待の声が相次いで上がっていた・・・
メロルが俺の横で嬉しそうに「皆レギオンの事で話題になっているね」
俺はうんざりしたようにゲッソリして「もういい加減にしてくれって感じ・・・それにメロルだって惜しい所まで行ったんだから、もう少し評価されてもいい気がするんだがね」
メロルは謙遜して手を振り「そんな事ないよ!私だって歯が立たなかったし・・・」
そこにギゲルがやってきて「おいレギオン!シュベルト先生からのお呼び出しだって」
「シュベルト先生から?次の訓練授業の準備があるんだが」
ギゲルが首をかしげて「訓練授業はいいから来いってさ」
「あ、あぁ、分かった」
ギゲルがメロルも見て「メロルも来いってさ」
「えっ!?私も!?」
ギゲルが頷いて俺達2人は困惑する
メロルにまで?一体なんでだ?まぁとりあえず校長の呼び出しとなれば行くしか他あるまい
――――――
校長室に入って整列してビシッと立つとシュベルトが笑って「レギオン君の噂は城の中に居る者達なら誰しもがその功績を認める程だったよ・・・見事だレギオン王子」
「いえ、それよりも訓練授業の件はどうするのですか?参加時刻が過ぎていますが・・・」
「気にする事ではない、それに私が特別に訓練授業を教える事になったんじゃ」
つまりシュベルト先生が直々に教えるって事ね・・・
メロルが挙動不審になっていて
「あ、あの・・・私は何用で?」
「君もレギオンと一緒に受けるのだよ、私の授業に」
「えっ!?あ・・・はい・・・」
どうにも嫌な雰囲気だ、シュベルト先生が直々に教えるってスタイルが何か気になる・・・
試しに俺は聞いてみた「すみません、シュベルト校長先生・・・この事は父さんには、了承を得ていますか?」
シュベルト先生は動じず笑顔で「もちろん!そうでなければレギオン王子と接触する事はできないからのフォッフォッフォッ!」
まぁいい・・・警戒は怠らない方がよさそうだな・・・どうにもきな臭い
―――――――
それからすぐに授業へと変ったがやはり俺の不安は確信へと変った
それは渡された本の内容で確信へと変った
なぜなら内容が破壊魔法の類と高度なレベルの魔術の数々だからだ
メロルが驚愕して「これって・・・先生!私には難し過ぎます!」
俺も手に取って見てみる
だいぶ古い古文書のようだ
ページをめくってみると、今使われている文字に似た字で古いのが分かる
読めない字は無いが・・・高レベルな術式が書かれていて、詠唱も必要な程高度な魔法だ
通常、術式は書く事で発動するマニュアルタイプ、それと想像して使う、想像タイプ、そして最上級にもなると詠唱が必要となる大魔法と部類される
その中の大魔法・・・俺達なんかが使っても大丈夫かと疑問に思うレベルの魔法だ
深く注意して読んでいると、インクで黒く塗りつぶされた文字が多数ある
俺はそれに気づいて確信した、このシュベルト校長は何か企んでいる、普通に魔導を探求させるのであれば安全面を考慮するはず・・・だがこの本はそれを無視して突き進むような無謀な感じだ、安全マージンが取れてない・・・どうゆうつもりだ?
「シュベルト先生・・・この黒く塗りつぶされた場所は何ですか?」
牽制するように呟くとシュベルト先生は笑って「何、ちょっと気難しい言葉が書いてあって不要だと思った部分じゃよ」
不要な事なんか書く訳ない・・・
俺が深く考えるとシュベルト校長は俺の背中を押して
「さぁ、そんな事よりも課外授業を始めよう・・・」
俺がハッとした瞬間、その手には長い杖
マズイ・・・完全に油断した、こいつ初めから背中に杖を!
魔法使いにとって戦闘用ともいえる大杖、つまり剣を抜いた事と同じである
メロルの顔が青ざめて「先生何を!?」
「フォッフォッフォッ・・・なぁに・・・課外授業じゃよ」
大杖を掲げた瞬間俺はカウンターで詠唱を妨害しようとするが、既に詠唱準備は完了していて、空間が闇に包まれる
周囲が真っ暗になると周囲は宇宙空間のような場所だが、地面はあるし立っていられる不思議な空間になった
メロルがそれを見て「これって・・・空間閉鎖魔法!?」
俺はブレスレットを外そうとすると
シュベルトは手をかざした、その瞬間ブレスレットに術式が刻まれていたらしく、縛りつけられ取れなくなる
「っぐ!!」
シュベルトは笑って「駄目ですぞレギオン王子・・・リミッターを外してはならないって私は教えましたよね?」
俺はシュベルトを睨んで「何が望みだ!?」
シュベルトは杖を空へとかざすと魔法で映像が投影される
そこには紺色の髪で小さい女の子のエルフ
この人どこかで・・・確か大図書館グラルフの!!
俺がハッとした顔をするとシュベルトはニヤリと笑い「そうじゃ、大魔導士オルベガ・・・彼女の抹殺・・・っと言ってもレギオン王子も勉強されているから分かっていると思うがオルベガはとある呪いで不死身・・・だから封印する手助けをしてもらいたいのじゃ・・・」
俺はシュベルトを睨んで「馬鹿なっ!なぜ魔族が魔族を攻撃する!?」
「何故だと思う?ワシはあの図書館の元管理人じゃ、オルベガはその高い技術力と知恵でワシを蹴り落とした!!ワシからすべてを奪った!!」
俺は睨みつけて「復讐か」
「そうじゃ!奴を封印し・・・大図書館グラルフから永遠に追放する!!そしてワシが再び高段の校長となる為に!!」
俺は睨んだまま聞く「俺とメロルをどうする気だ?魔王が知ったらとんでもない事になるぞ!」
シュベルトはニィと不気味に笑い俺に近づいて耳元で呟いてくる「お前の体の中にある魔力の器の交換・・・つまり魔王の魔力の器をワシが手に入れる・・・ワシの研究テーマじゃ」
「なっ!!そ、そんな事が許される訳!!」
メロルが納得して「だからグラルフから追放されたのでしょう!?自業自得だわ!!」
シュベルトが杖でメロルをぶん殴り「黙れ小娘!!」
シュベルトは杖で魔法陣を描きながら笑い「ここの空間はワシを倒さぬ限り・・・絶対に脱出できんよ、さぁレギオン王子・・・魔力を渡してもらうかね」
こんな危険な奴に膨大な魔力を受け渡す事は危険極まりない・・・どうする?どうすれば・・・ブレスレット装備では相手を超える魔法が放てない・・・どうすれば・・・
そんな時メロルが立ち上がってタクトを取り出して「エアスラッシュ!!」
シュベルトの周囲に張られたマジックガードが発動して弾かれる
「む?メロル君・・・邪魔はいけませんな」
シュベルトが杖を掲げ「ワシが手本を見せてあげよう・・・エアスラッシュ」
風の刃でメロルの上半身の衣服をはじけ飛ばす
「キャァァァ!!」
メロルは体を手で押さえて隠し
シュベルトき満足そうに「フォフォフォ!娘の裸を見るのは久しぶりじゃわい・・・レギオン王子から魔力の抽出が終わった時・・・可愛がってやるからのぅ」
シュベルトが舌を出してベロリとするるとメロルが震え上がって怖がる
俺はシュベルトを睨んで「馬糞野郎が・・・てめぇだけは許さねぇ・・・ブレイブバースト!!」
シュベルトの防御壁は固く、やはりブレスレットのせいで火力が出ない
「クソッ!」
シュベルトは杖を出して「大人しくしてもらう拘束」
光りの輪っかで体を縛られ、身動きが取れない「うぐっ!!」
シュベルトが魔法陣を書き上げて笑い「フォフォフォ!!さぁ魔王の力をワシによこせぇ!!」
俺を魔法陣へと押し込もうとする
「ふざけんじゃねぇ・・・女子にトラウマのような経験をさせ・・・自業自得のクソ野郎の為に俺から物を奪う・・・?ふざけんな・・・俺は過去に何度も何度も何度も・・・学生生活を他人に奪われ・・・人としての幸福も奪われ・・・やっと得られたと思った新しい人生すら俺から奪おうとするのか・・・?ふざけんな・・・殺してやる・・・お前を!!!」
その瞬間俺の鱗1枚1枚が輝いて全身から強烈な魔力の波動が放たれる
そしてブレスレットが魔力臨界点を超え、ヒビが入り砕け、そして拘束されていたリングも魔力の勢いが強すぎて割れる
「なっ!!ワシの特性ブレスレットが砕けるだと!?馬鹿なっ!魔王の魔力にすら耐える特殊刻印なんだぞ!!馬鹿な!馬鹿な!!馬鹿な!!!」
メロルが青く輝く俺の姿を見て呟く「きっと・・・レギオン君の魔力が魔王様より上なんだ・・・」
俺はズシズシ歩いて、怒りを込めて体全身に強化魔法をかけ
「俺は貴様のような馬糞野郎は許さない・・・俺は・・・もう奪われる人生には懲り懲りだ・・・俺から奪おうとする奴は全部!!皆殺しにしてやる!!次の人生では成功する為に!!」
俺が拳を出すと、シュベルトは大焦りで「パ、パワーガード!!ダブル!!補強!!補給!!!」
魔法の障壁が何重にも重なり防御壁を形成する
「てめぇみたいなカスは・・・」俺は駆け出し、走って助走をつけ
「遺伝子からやり直してきやがれぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
俺の拳がパワーガードを粉砕してシュベルトの顔面に直撃してジュベストの顔面が奇形して、角が折れ、歯がすべて衝撃で吹き飛ぶ
俺の拳の一撃で吹き飛び、空間の壁にたたきつけられ、空間がガラスのように割れて、元の空間へともとに戻っていく
そして吹き飛んだシュベルトはそのまま校長室の窓から殴られた衝撃で飛び出して
三階ほどの高さの窓から落ちて行く
「レギィィィィィオォォン!!!!」
俺の名前を叫びながら落ちて行き、ゴシャッ!!というたたきつけられる音が聞こえ、静かになる
俺は上着を脱いでメロルに渡してどう話しかけていいか分からずに見ていると
メロルは嬉しそうに笑って「ありがとう・・・レギオン君・・・また助けられちゃったね・・・」
「あ、あぁ・・・その・・・」
メロルは俺を見て「レギオン君・・・聞いてもいいかな?」
俺は首をかしげるとメロルが聞いてくる「レギオン君が言ってた奪われた過去って・・・何?」
俺はメロルに転生者だと言う事を告げようと迷ったその時
ドアがバァン!!と開いて「何事だっ!?レ、レギオン王子!?それに・・・メロルちゃん!?レギオン王子これは・・・」
ヤバイ俺が強姦したみたいな感じの目だ
「ち、違うんですっ!シュベルト校長が・・・私を拘束して・・・そこの魔法陣に・・・」
兵士が驚いて「この術式・・・レギオン王子、しばらくこの場で待機していてください」
そう言って兵士が走って呼びかけに行った
俺はため息を吐いて「事後処理が面倒そうだ・・・」
俺はメロルに改めて言おうとすると口に人差し指を当てて「レギオン君が何者でも私の中に居るレギオン君はレギオン君だわ」
メロル・・・
俺はメロルの配慮に頭を下げて「ありがとうメロ--」
その瞬間だったメロルが俺にキスをしてきた「・・・え?」
俺の思考がフリーズして固まっているとメロルは笑顔で「改めてありがとうレギオン君」
俺は初めてキスをされて思考が真っ白になっていた
そこから先はよく覚えてない・・・




