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天使の金字塔  作者: 中須ゆうtive
9/12

幸せの旅館殺人事件 ヘアピン2

倒れている男女は旅行客の小野龍太郎さんと宮本小雪さんだった。2人とも血だらけだ。僕はそっと近づく。


『お嬢ちゃん危ないよ!?』

『死んでる…!』

『きゃあああっ!?』

『まさか座敷わらしがやったのか!?』

『警察を呼んで下さい!』


扉の前に立っていた第1発見者は森脇正さんという50代の男の人だ。


『俺は何もしていない!』

『落ち着いて。事情は警察から来てから話してください。』


そして見慣れた警察がやってきた。


『まさか扉木くんがここにいるとは…。』


やってきたのは霧雨警部だった。何かと縁がある。たまたま休暇でこの近くにいた所、駆り出された模様。


『休日だったのに…』

『霧雨警部。事件を解決しましょう!』

『そうだな…被害者は2名か。事情聴取に入ります。全員個別で話を伺います。』


全員個別で話を聞いた。

まず森脇正さんから順に、鹿島聖夜さん、志田春馬さん、津田美玖さん、持田爽さん、管理人の山埼さんまで僕と霧雨警部の2人で事情聴取。雪雲ちゃんは死体を見たショックで気絶。工保ちゃんも立ち直れていない。普通の小学生はそうだよね。


事情聴取の内容


森脇さん。

『トイレに行こうと思って部屋を出たら、隣の部屋のドアが空いていたんだ。それで覗いたら2人が死んでいた。本当だ!』


鹿島さん。

『部屋で食事してました。クリスマスケーキです。雪が綺麗ですね!』


志田さん。

『部屋で寝ていた。飛び起きた。なんてことだ。はぁ…座敷わらしがやったのか?そんなわけないか』


津田さん。

『知らない。私は何も…。役者をやっているので、台本の練習をしていました。そういえばシャリシャリって音が聞こえたような…』


持田さん。

『俺は夜の運動をしていたよ。日課なんだ。』


山埼さん。

『大浴場で清掃をしていました。まさか私の旅館で人が死ぬなんて…ああもう終わりだ。』


事情聴取は終わり。一旦、僕と霧雨警部は2人で話をまとめていた。


『うーむ。わからん。扉木くんはどう思う?』

『僕も確信はありません。現場検証しましょう。』


現場に戻る。2人の死体はそのままだ。気になるのは2人とも顔に少量の雪がついているということ。また、近くには小さな白い紙がまばらに落ちていた。


『もう遅いし、寝よう。深夜に小学生が寝ないのは不健康だ。扉木くんは友達と来ているのだろう。安心させよう。』

『わかりました。おやすみなさい。』


僕は部屋に戻り、みんなと寝た。翌朝、全員容疑者含めて、1つの部屋に集まった。その時だった。


『ひぃっ!!』


志田さんが急に叫び出し、走り外へ出ていった。僕と霧雨警部が追う。志田さんは木の近くで、トイレットペーパーで首を吊って死亡していた。


『なっ!?』

『トイレットペーパーで…!?』


残された人たちも走って向かってきた。

『ひどい…!』

『こんな死に方は嫌だろ…』

『ひぃっ』

『雪雲ちゃん!』


雪雲ちゃんはまた気絶。工保ちゃんはどうにか耐えた。


再び集まり、現場検証をする。

トイレットペーパーで首を吊った死体

周りは雪で覆われている

木々に囲まれた森の中


『これは自殺だな!木で首を吊っている。昨日他の人が殺されて怖くなって追い詰められたのか?もしや犯人…?』

『答えを出すには早計過ぎます。これを見てください』

『これは…壊れた懐中電灯?』

『はい。こんなもの走って出るなんておかしすぎます。懐中電灯をもってトイレットペーパーで首を吊って自殺なんてしますか?』


周囲は沈黙した。女子小学生の確かな推理力に。

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