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ここでも

その後、私たちは手作りのクッキーと美味しいお茶を飲みながら、色々な話をした。

そんな中、思い出したという風にサナが話し出す。


「あ、ねぇねぇこの前お母様に聞いたんだけど、トゥーリ子爵の妾の話」


ピクリ。

私もエリーも、クッキーを口に運びかけていた手を止めてサナを見つめる。


「いやだわ2人とも、そんなに見つめちゃ恥ずかしいじやない」

「こほん、ごめんなさいサナ。 つい」

「だってすごく気になっていたんだもの、その話」

「サーシャも知っているの?」

「ええ、少し前にお母様が言ってらしたのを少し。 でも、夫人の反対を押しきって呼んだっていうところまでしか」

「私もそこまではお母様に聞いたわ」


エリーも、お母様に聞いていたみたい。

でもサナによればそれで終わりだったわけでは勿論なかったようで。


「えっと、妾と一緒に引き取ったっていうお子さんなんだけど、実は私たちと同じ歳らしくって」

「え、子爵ったらそんな大きいお子さんが外にいらっしやったの?」

「そうなのよ、ずっと隠してらしたみたいで。 で、そのお子さんは女の子らしくって、なんでも学園に通わせるつもりらしいわ」

「ということは私たちの同級生になるってこと?」

「そうらしいわよ。 今まで平民として育てられていたから、作法とか色々勉強中らしいわ」

「えぇ、今から? もう2年もないけど、間に合うのかしら」

「さすがに、学園に入れるのだから間に合わせるでしよう」


えぇ、間に合うわ、残念なことに。

間に合って無事学園へ入学して、私の婚約者と恋に落ちるのよ。

……なんて言える訳もなく、変なことを言ってしまわないようにサナとエリーの会話を静かに聞いている私。


「夫人の反対を押しきって連れて来てしまったせいで、子爵と子爵夫人の仲は冷めきってるらしいし、妾を第二夫人にしてしまうし、なんだかもう好き勝手し放題みたいよ」

「……自分勝手な男って嫌ね」


エリーさん、14歳の女の子の発言じゃありませんわよ。


「もしお父様が、よその女性を行きなり連れてきたら私絶対に許さないわ」

「あら、サナのお父様なら大丈夫よ。 サナのお母様のこと大好きなオーラがすごく出てるもの」

「確かに。 仲がいいのは嬉しいけど、良すぎるのもねぇ」


くすくすと3人で笑いあう。


それからも、色んな話題で笑いあっているとあっという間に夕方になってしまった。


コンコン

部屋の扉がノックされ、そのままドア越しに執事の声が聞こえてくる。


「お嬢様、アンリ伯爵令嬢とエトゥワーズ伯爵令嬢のお迎えがいらっしゃいました」


それを聞いて残念そうな声を出すサナ。


「あら、もうそんな時間?」

「早いわ、もっとお喋りしていたかったのに」


エリーの声を聞き、名案とばかりに話す。


「ね、今度はエリーとミーシャが私のお家へいらして」

「ぜひ」

「楽しみだわ」





「今日は本当に楽しかったわ」

「ミーシャ、お誘いありがとう」

「私もよ、いらして下さってありがとう、2人とも」


お別れの挨拶をしながら、それぞれの馬車に乗り込む2人。


「気をつけて帰ってね」


そんな2人を乗せた馬車が見えなくなるまで、私は玄関から手を振り続けた。



親たちは、14歳の子どもに何を聞かせてるんでしょうかね(笑)

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