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ダンジョン攻略

「めちゃくちゃ大きい階段だな」

「下、見えない」

「シャロちゃん、その大剣担いだまま降りられそう?」

「……無理。ボス、腕貸して」

「ん、どうぞおつかまり」


 シャロちゃんが差し出した腕に抱きついてくる。

 いや、そこまでがっつりくっつかなくても大丈夫だと思いますけど……まぁ俺は柔らかい感触楽しめるからなんでもいいかうんどうでもいい。(物凄い早口)


 それにしても、どたどたと下から足音が地鳴りのように聞こえてくるな。


 ド派手な爆発を起こしたし。ダンジョン内にいるパタスの手下どもが迎え撃つために出てきてんのかな。


「おい、どうしたんだカネカス。早く先頭歩いてくれよ。お前以外、このダンジョンの内部把握してないんだからさ」

「ふひひ、ああ、いいぜ。俺はテメーらに賭けることにした! あんな馬鹿気た爆発を出せるんだ。ビッグマウス! テメーならパタスさん……いいや、あのエテ公も倒せるはずさ!」

「ほんと調子いい奴だな、お前。ろくな死に方しないよ?」

「うっるせー、人生なんて勝ちゃいいのさ勝ちゃ! 俺は強い奴に尻尾振るのを信条としているからな」


 カネカスはこきりと首を鳴らす。


「よし、こっから直通でパタスさんやアバストさんがいる地下空洞まで行くぜ」


 そう言って一歩踏み出したカネカス。

 足許から、かちっという機械音が鳴った。


「あ?」

「おい、大丈夫か。なんか鳴ったらまずそうな音が聞こえたぞ」

「やばい音、した。カネカス、あうと」


 カネカスがぎちぎちと首を鳴らし、こちらに振り返る。

 不思議と彼の顔は、この世の真理を悟ってしまった聖人のような顔をしていた。


「たすけて」

「「…………」」


 俺とシャロちゃんはカネカスを無視して、そのまま下ることにした。


 足許を見たら地雷みたいなものが見えたからとか、助けた瞬間自分の体も吹っ飛びそうだなと思ったからとかじゃない。


 普通にカネカスは助ける価値がないと思ったからです。


「おい、待って! お願いだから見捨てないでくれ! 銅貨1枚、いや銅貨3枚はあげるから! なぁ、おい! ビッグマウス!」


 なんて安っぽい命だろう。

 強く生きろよ、カネカス。


「ビッグマウスぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」



 カネカス脱落。残り二名。









 通常ダンジョン解体は、冒険者の間で非常に面倒なことと知られている。


 そもそもダンジョンとは、地下牢、迷宮、塔、など数多くの形態が存在しているのだが、どれも共通点として「魔物・魔獣が作った」というのが大前提だ。云わばダンジョンとは魔獣・魔物の住処や活動拠点という意味合いが強く、長く放置すると取り返しのつかないことになる。


 それを防ぐために、冒険者は仕事の一環としてダンジョンの解体依頼があるわけだが……。

 まぁ、これが本当に面倒くさい。

 いろいろとギルドやら国やらから制約を設けられるのだ。

 この魔物のダンジョンは破壊するな。この魔獣のダンジョンはここだけ破壊しろ。この魔物は有用だから、ダンジョンを再利用しやすくするよう解体しろ、などなど。

 

 注文が多いんじゃ、ボケェぇぇぇ!!!

 こちとら命がけでダンジョン解体しとんじゃ!!!

 お前のこと誰が好きなん!?


 と、こんな風に冒険者の皆様にはとても鬱憤がたまる仕事である。だから、冒険者はダンジョン解体依頼をあまりしたがらない。どちらかと言えば、好き勝手冒険できる魔境の探索とかが大人気である。というか、そっちが本業だ。



 でも、まあそんなダンジョン解体も、制約がなければ最高の仕事になるとは思わなかった。


「|爆ぜよ≪エクスプロー≫! |爆ぜよ≪エクスプロー≫! |爆ぜよ≪エクスプロー≫! |爆ぜよ≪エクスプロー≫! ははははは! |爆ぜよ≪エクスプロー≫だあああああ!」


 やばい。これ、めっちゃ気持ちがいい。

 何も考えず、とりあえず|爆ぜよ≪エクスプロー≫を発動させておけば、トラップなど全破壊だ。パタスやアバストが何を用意していようと、片っ端から爆発させて、全てを無に帰す。


 なんという全能感だろうか。


 俺の左腕をしっかり抱いているシャロちゃんも、まるで花火を観覧するかのように目をキラキラとさせてくれる。いつも無表情な分、めちゃかわいいです。ありがとうございます。感触も最高です。


「ウキキー!!」「ウキー!!」「ウっキキー!!」


 と、ダンジョンの廊下を破壊しながら歩いていると、数多くの猿がこちらに向かってきた。


 パタス自身が猿だから、手下も猿なのだろうか?


 にしては、カネカス含めボーイ連中も、あのアバストも人間だった。ということは、戦闘部隊が猿軍団ということなのだろう。もしくは人間の部下は俺の爆破によって、全員吹き飛んでしまったか……よし、良い子は考えないことにしよう。


「えーと。1、2、3、4、5……数えるのやめたくなる数だ」


 さっと見た感じ、猿たちから魔力は感じない。

 ということは魔核を持たない無魔動物たち?

 この光景を見たら、きっと愛護団体の方々は泡吹いて倒れるんだろうなぁ。かくいう俺も、卒倒しそうになっている。猿吸いって犯罪じゃないのかな。


「ボス、わたしが、いく」

「うん、じゃあお願いしようかな。なるべく手加減はしてね」


 だって俺、無魔動物好きだから痛めつけたくないし。


 俺がお願いすると、シャロちゃんは抱き着いていた腕をほどき優雅な一歩で前進する。大剣を抜き取った少女は、しっかりと足元を固め、力強く構えた。目は一点を見つめ、身体に緊張は見られない。


 対して、猿たちは小柄な獣人を見て、本能的に侮ったのだろう。牙を剥きだしにした笑みを浮かべ、猿たちが騒がしく飛び跳ねている。壁という壁を飛び回りながら悪戯心に満ちた鳴き声をあげ続ける。


 それをいつもの無表情で見ていたシャロちゃんが、冷え冷えとした声音で言葉を投げた。


「なんか、臭い」


 辛辣すぎる。

 猿吸いしようか悩んでいた俺にも、その言葉は大砲級の悪口である。

 言われた当猿たちも怒りを露わにしていた。格下と見下していた獣人から、あんな辛辣なことを言われたら、そらキレる。


 猿たちは怒りに身を任せ、シャロちゃんに向かって一斉に飛びかかった。しかしながら、彼女と猿たちでは身体能力が雲泥の差だ、

 シャロちゃんは鋭い反射神経でそれぞれを察知し、大剣を振るって撃退した。剣の刃は一瞬にして空気を切り裂き、猿たちが倒れる音がダンジョン内に鳴り響く。


「おぉ」


 思わず簡単の声を俺は漏らしてしまう。

 一瞬にして5匹の猿を倒したものだから、流石に彼らも警戒したのだろう。後ずさってしまった。


 このまま撤退してくれれば楽なのだが、そうは問屋が卸さないらしい。


「よくもまぁ、ここまで派手にやってくれたものだ……生きて帰れると思っているのか、セキュリティ?」

「あ、女の敵(アバスト)発見」


 さて、中ボスのご登場だ。

早く1章を終わらせたい作者です。

ええ、ほんとに。


私と同じく「はよ2章いけや!」と思っていただけたら、ブックマークや評価していただけると、拙僧が馬鹿になります。

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