四話、超完全鉄壁防御形態!うつ伏せ!
休憩が終わり、授業が始まる。
「今日から理科、社会に加えて、倫理・法律・妖怪論も担当することになった、鞍馬修吾だ。よろしく。
今回は簡単にこの三つをおさらいしておくぞ」
俺がここに来た最大の目的は“常識を学ぶこと”。
これは、寝ないで聞いておかねばならぬやつだ。
「まずは妖怪について軽くおさらいだ。
妖怪は――超絶ざっくり言うと二種類に分けられる。
元から妖怪だったやつと、幽霊から妖怪になったやつだ。」
幽霊から妖怪……?
つまり俺は――そっちなのか……?
「まず、元から妖怪だった連中。
こいつらは強いのが多いし、何より知名度が高い。
鵺、河童、一反木綿、鬼、妖狐、ぬらりひょん、座敷童、雪女、天狗――言い出したらキリがない。」
鵺は夜中に変な声で空飛んでくるし、河童は皿が本体、一反木綿はただの布。
布が宙に浮いてるってだけで人は恐怖する。なんなんだ一体。
「次に、幽霊から妖怪になった奴。こいつらは比較的弱い。人面犬とかろくろ首とか。
だが、稀に強いやつもいる。トイレの花子さん、口裂け女などが代表例だ。」
おい、そういえば天狗は元から組なのかよ!!じゃあ何なんだ俺は!?
「続けるぞ。妖怪は基本的に一般人には“存在しないこと”になっている。
というか死にかけとかじゃないと見えない。
だから、見える俺たち陰陽師が、こっそり危険な妖怪を退治してるわけだ。
………………わかったか?」
『はーい!』
「よし、じゃ次は法律に行くぞ。一般の弁護士等には知らされていないが_______________________________________________________________________ということだ、………………あと2分あるが、もう終わるぞ。
まだ教室から出るなよ。」」
今のところはまだ誰も来ていない!
……そう、だが、ここで油断は禁物。
次の休憩時間で話しかけられたらジ・エンド。
だから俺は考えた……完璧な防衛体勢を!
行くぞ!超完全鉄壁防御形態!《うつ伏せ》ぇ!!
(※ただし机の上で)
これで、誰にも話しかけられることはない!
その姿は、もはや“死体”。
____スタスタスタスタ………………スタスタスタスタ
ほら見ろ!近づいたやつも途中で引き返した!
ハッハッハッハッハ!!!
見たか人類よ!これが孤独に生きる者の覚悟だァァァァ!!!
この俺様に話しかけようなんざ、一億年早えんだよバァァーーーーカ!!!
フハハハハハ!!!
陰陽師の卵だろうが所詮は日本人!!
人に気を使って話しかけれない!!!
今までの人生で学んだドウトクと言うものが仇になったな!!!
このクラスにkyがいなくてよかったぜ!!!
フハハハァー………………zzzzzz
【きらうは眠ってしまった。】
◇ ◆ ◇
「おーい、お昼ですよー。ご飯いらないんですかー?」
「いる!メシ!」
俺は慌てて飛び起きた。
皆さんこちらを見てびっくりしてらっしゃる。
「水無瀬先生すげー。」「簡単に起きた!」「俺たちが何を言っても起きなかったのに、こんな簡単に起きるとは……………。」
「お姉さんから聞いていたんです。食べることが尋常じゃないほど好きだって。」
水無瀬ティーチャー、姉上から教わっていたのか………。
「ところで煌羽くん?午後は起きて授業を受けてくださいね?」
圧が!笑顔な筈なのに凄い怖い!
「はい!分かりました!」
きらうは急いで昼飯を食べて、午後の体育に備えるのだった。
「はっや……!」「尋常じゃな量と速度だな……。」「ええ………。(ドン引き)」「どないなっとんねん……。」「食欲旺盛ってレベルじゃねぇぞ………!?」
クラスのみんなから無事ドン引きされるのだった。
平日2日に一回、休日一回を心がけます
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