館に住んでいた者
「ねえ、敏麗さん」
敏麗はスカーレットと共に屋敷内の探索を始める。階段を降りるとスカーレットが初めて言葉を発する。
「どうなさったの?スカーレットさん。」
「どうして私なのですか?文習さんでも良かったのでは?」
スカーレットはなぜ同行者に自分を選んだのか敏麗に尋ねる。敏麗はこの場所で文習と霊能力対決をしたことがある。徐霊には失敗したが文習は敏麗の霊能者としての力を高く評価してくれ漢奸で処刑されそうになった敏麗達を日本に逃がしてくれたのも彼だ。
「そうですわね。貴女の言う通り文習さんは素晴らしい霊能者よ。だけどわたくしは貴女でなきゃいけないの。」
敏麗はスカーレットを選んだのは理由があった。それは勿論鈴時代に好きだったアニメ「プリティーズ 淑女 go !!」だ。終盤で仲間が倒れる中ヒロインのローズマリーと追加キャラのスカーレットだけが残る。2人で敵の茨の城に進入するが敵幹部とその仲間に囲まれ二人が背中合わせで戦う場面があった。たった一話限りだが二人だけの合体技で幹部を倒した。
「私じゃなきゃいけない事ですか?」
「ええ、わたくしと貴女だからなし得る業もありますわ。」
敏麗はそれだけ言うと微笑む。
二人が向かったのは書斎らしき部屋だ。以前来た時もこの部屋に入った事がある。 「敏麗さん、何をするの?」
敏麗は書斎で日記を見つけては椅子に座って読み始める。
「かつての住民が何を思ったか記されているはずたわ。」
スカーレットも本棚にある日記帳を手に取り床に座って読み始める。この日記は前の住民が持っていたものらしい。日記は中国語で書かれていた。
「スカーレットさん、ここ見て!!」
敏麗がスカーレットを呼ぶ。開いた頁は百年前の日付が書かれていた。
「ここはまだ中国が清であった頃、呪い師が住んでいたそうね。」
呪い師は占いや予言で生計を立てていた。 しかしある時ある時イギリス貴族の女から呪殺を依頼された。婚約者を奪った女を始末してほしいと。彼女の婚約者の伯爵を中国の花売り娘に一目惚れして婚約を破棄したのだ。
「占い師は最初は断ったけど大金に目がくらんで引き受けたようだわ。」
敏麗は頁を捲りながら説明する。
「これは?!」
頁を捲るとそこには中国語で呪文のようなものが書かれている。
「敏麗さん?!」
「ようやく分かったわ。屋敷に現れる女の正体が。この呪い師は魔物を呼び出してしまったのだわ。」
その時部屋が軋むような音を立て揺れ始める。
「何?地震?!」
本棚から本がこぼれ落ちる。
「スカーレットさん、わたくし達最悪の状況に立たされましたわ。」
スカーレットは顔をあげる。すると二人を取り囲むようにして複数の髪の長い女が立っていた。




