第18話 事件に解決に向けて
私たちはリューン王子の宮へ場所を移動した。リューン王子の宮には、見慣れない人たちがいた。リューン王子が殺害されたと騒ぎになって、調べに来た人たちだろうか。
私たちは見つからないように移動した。場所は、普段使われていない物置部屋。ここなら少しは猶予があるだろう。
私とリューン王子は、互いに起こった出来事を擦り合わせた。
「そうか。そのようなことがあったのか」
お互いの持っている情報を出し合う事で、事件がより詳しく分かった。
そして、私たちは捕まえた二人から早速情報を聞き出すことにした。
「で、貴方達は誰の指示でこのような事をしたのですか?」
「「……………」」
二人は口を固く閉ざしている。
するとリューン王子が私の肩に手を置いた。
「こちらの貴族の男はバリャード侯爵。ルスフ兄上の叔父にあたる方です」
「なら、ルスフ王子を次期国王にしたくて動いた黒幕そのものの可能性もあるわけだ」
「成る程……」
「……黒幕はルスフ王子だ」
「⁈」
突然、バリャード侯爵が話し始めた。
「あいつは意外と強欲な奴でな。自分が国王になる為にこの私を使って……」
「そうですか。やっぱり兄上の言ってることは正しいようですね。貴方のおかげで手間が省けました」
「リューン王子?」
リューン王子はなにを言っているのだろう。
「実は兄上からある書面をいただいてましてね。そこには貴方達と、ある者とのやりとりの詳細が書かれていた。私は最初半信半疑だったが、貴方が兄上を売るような言い方をしましたからね。貴方が兄上についていたら、そんな言い方はしない」
「そんなこと、お前に分かるわけないじゃないか。そんなのは証拠にならない」
「証拠……ね。いいでしょう。自信過剰な黒幕が残した、唯一の証拠をお見せしましょうか」
証拠?犯人に繋がる証拠……証拠……‼︎
「あっ‼︎」
「アデルリアも気づいたようだね」
「はっ、はい」
「二人ともなんなんだ?」
「本当は二人から色々先に聞きたかったが、口を開きそうもないし、先に国王の前で犯人を明かした方が事態は収まりそうだね」
リューン王子は扉を開けて叫んだ。
「私とアデルリアを嵌めた犯人を捉えた。私たちは無事だ‼︎」
すると、宮に仕えている人たちが集まってきた。
「王子、よくご無事で」
「私たち、王子が殺されたと聞かされまして。でも、王子の遺体も見せてもらえず如何いうことかと思ってました」
「私たちはこれから国王に謁見してくる。何名か私たちについてきてくれ。他のものはここに蔓延っている兵の対応を頼む」
「「「「「はい‼︎」」」」」
リューン王子の宮の者は、早速仕事に取り掛かった。
私たちは国王に謁見を求めに行った。
「リューン王子、困ります。いきなりの謁見は……」
「緊急事態なんだ。そんな悠長に事を構えていられないんだ‼︎」
だが、行っていきなり謁見出来るものでもなかった。
「いつもの優雅なリューンがだいぶ崩れているよ。そんなに焦らなくても大丈夫。謁見は私が申し込んでおいた。もうすぐ叶うよ」
「兄上⁈」
「君の宮が騒がしいと聞いてね。君なら解決出来ると信じて、謁見を申し込んでおいたんだよ」
「ありがとうございます」
「ルスフ王子、国王がお呼びです」
「ああ。さあ、リューン。行こうか」
「はい」
こうして私たちは、ルスフ王子の計らいで、国王に謁見する事が叶った。
「いきなりの謁見、何用かルスフ。……ん?リューンに……そっ、それはどういうことか、バリャード侯爵‼︎」
国王は縄でグルグル巻きにされたバリャード侯爵ともう一人の男を見て驚いた。
「国王、私が国王に伝えたい議がありましたので、兄上の計らいで謁見が叶いました」
「リューン。用とはそこに縛られている者たちのことか」
「はい。実は……」
リューン王子は、私たちに起こった出来事を、話した。
「つまり、バリャード侯爵はリューン殺害をアデルリア嬢に擦りつけ、彼女を早々に殺害し、事件を闇に葬ろうとしたと」
「はい。そして、黒幕を兄上に仕立て上げようとしていました」
「どういう事だ?バリャード侯爵がリューンを狙うのは、ルスフを次期国王にする為ではないのか?」
「誰もがそう思います。そう、それが黒幕の狙いなのです」
「じゃあ、黒幕は誰だと言うのだ」
「それは……」
リューン王子は扉の方を見た。そこには今しがた入ってきた者がいた。
「黒幕はスグルドです」
私たちは扉の側で王妃に支えられて立っている、スグルド王子を見た。
「なっ、何を言っているの。兄さん」
「そうですよ。スグルドは貴方の弟ですよ」
皆がリューン王子に注目を集めた。
「ではどうしてそう思ったのか、今からお話ししましょう」
リューン王子は、スグルド王子が黒幕である理由と証拠について話し始めた。




