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番外 完結編
番外 完結編
Sは再び生ハム会を開いた。
今回の相手は、プロシュートとハモンセラーノ各200グラムの計400グラムのスライス。
これを四人で、だ。
一人100グラム計算になる。
相手として物足りなさを感じていたSは、カツオのたたき四本も用意していた。
戦いが始まると、生ハムはスライスの食べやすさで、前回のペース以上に減っていった。
カツオのたたきは、その合間に口直しとして入る程度。
序盤は、そうだった。
しかし、Sをはじめ全員の手は、カツオの合間に生ハムを食べると言う動きに変わっていた。
プロシュートとハモンセラーノの違いは、三、四口も食べれば分かった。
口直しのカツオのたたきは、塩辛くなった口に水気を含ませ、カツオの旨味と共に心を落ち着かせた。
その瞬間から、主役は変わっていた。
戦いの主戦場は、カツオのたたき。
アクセントに、生ハムだった。
終わってみれば、カツオのたたきはなく、山と積まれていた2つの生ハムのスライスは、残っていた。
この物語は「生ハム戦記」。
生ハムを食べ尽くせなかった、敗北の戦記になってしまっだ。
だが、それでも言おう。
本物の生ハムは、美味しい。
完




