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第十八章

  第十八章



 Sは最後の豚骨スープを飲み終えた。


 始めは気になっていたニオイも、最後には気にならない味付けと分量で料理出来るようになっていた。


 出汁を取らなくてもいい分、調理は手軽だったとも言えた。


 そして、最後の戦いが始まった。


 脂だ。


 使う機会が少なく、脂はまだ冷凍庫に残っていた。


 多く使えばクサく、少なければまだ一ヶ月くらいは残っていそうな量がある。


 Sはもう一度、脂をよく見た。


 黄色く変色している所はクサイ。


 だが、変色していない白い所はそれ程でもない。


 初めてだからと、皮と脂のギリギリの所を攻めすぎてしまったのではないか。


 Sはあらためて色のついた脂を大きく切り取り、白い所だけを残した。


 脂の量は一気に減った。


 Sは思い切って残った脂を全て使い、炒めものを作った。


 美味しかった。


 脂のニオイは、香りに変わっていた。


 脂に辛味さえ感じた。



 そうして、ほんの少し心を残しながら脂はなくなり、原木は全て食べ尽くした。


 Sは両手を合わせ、頭を下げた。


 「ごちそうさまでした」

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