第30話 回想2
大変長らくお待たせ致しました。
リアルが忙しく更新が遅れてしまいました申し訳ありません。
今回はあるキャラの回想です。
「クソッ!何なんだよアイツ!」
二度と合うことは無いと思っていた男が学園に現れるという悪夢にオレは歯軋りする。
「なんで戻って来てんだよ!こっちはリスク犯してテメェの家燃やしたんだぞ!」
人が居ない事を良い事にオレは地団駄を踏む、畜生!これじゃあ転生した意味がないじゃないかっ!
オレの名前は片瀬 一郎いや、だったというべきか?まぁ、今言えることは、この『悪夢の学園』の世界に転生した転生者ということだ。
この世界に転生出来たことは幸運だった。美少女が変態共の食い物にされる碌でもない世界ではあるがオレを否定した前世に比べれば遥かにマシな世界だ。これは才能があるのに前世で虐げられて来たオレを不憫に思った神がくれたご褒美なのだろうか?……いや違うな。そうだ!これは変態共の食い物にされる美少女達を救う為に神がオレをこの世界に送ったのだ!!
そう判断したオレは転生してすぐ、原作ヒロインである恋と愛に接近した。幸い原作が始まる数年前に転生したので彼女達は無事だった。原作が始まったらオレが彼女達を守らなければ、そう決意したオレは将来の害悪の排除に乗り出した。
悪原 征男―――害悪の正体であり、この『悪夢の学園』の主人公でもあるクソ野郎だ。このクソ野郎はオタクなデブ野郎の癖に原作では催眠ガラケーという使えば相手を自分の望むように動かす事が出来るチートな携帯を使ってヒロイン達にあんな事やこんな事をしやがった最低な男だ。
不良、淫行教師、性犯罪者と、この世界美少女を毒牙に掛けるロクでなしは腐る程いるが、催眠ガラケーを持つ悪原の豚野郎だけは真っ先になんとかしなければならない、幸いオレも奴も今は青臭い小学生でしかない無論催眠ガラケーなんていうチートアイテムも持っていない。潰すなら今だ……。
潰すと言ってもオレがやる事は少なかったりする。何故なら悪原は既にいじめっ子である佐藤達に虐められているからだ。あんな臭えチビデブ野郎、腕白な小学生のいじめっ子からしたら、いじめて下さいと言ってるようなもんだ。勿論いじめを止めるつもりは無い、逆にいじめを止めようとする正義の味方ぶった輩が現れないようにする為に『悪原の豚野郎がいじめられるのは当然だ』と言える空気をクラス全体に作り出した。まあ、流石にオレの世間体もあるから見える範囲であの豚野郎が、いじめられていたら止めはするがそれ以外は止めない。
クラスのガキ共は佐藤達の事を恐れているが、転生者であるオレから言わせれば生意気なガキでしかない。アイツ等のいじめはヌル過ぎる。やるんだったら悪原の精神がズタボロになるまで……そう原作開始時に催眠ガラケーを邪な事に使う気すら起こさせない位に徹底的にやらなければ……いっそのこと佐藤達に今より過激ないじめを吹き込んで悪原の精神を擦り減らすのも手だが、それが恋や愛にバレて嫌われたくないのでそれは控えるべきだろう。オレはもどかしい気持ちになるが、悪原や変態共を一掃した後の世界で恋や愛
を始めとするヒロイン達とのハーレムの為にも、ここは堪えて気長にやって行くしかない。
「はぁ〜悪原の豚野郎、いじめを苦にして自殺してくれないかな?」
原作まで時間があるという安心感からオレは楽観的に考えていた―――――――その考えが間違いであると気付くのはもう少し後になってからだった。
小学4年生のある日、ブタオなんて云う不名誉なアダ名を付けられた悪原(奴にピッタリのアダ名ではあるが)が学校に登校して来たが様子がおかしかった。普段は負け犬のような目をしている癖に今回は何故か自信の有りげな瞳の輝きをしていたのだ、猫背気味の姿勢も心無しかまっすぐになっている気がする。
どういうことだ?あれだけいじめられた癖に何故その目が出来る?オレは奴の精神が擦り減るどころか強くなっている様な錯覚を覚えた。だがそんなことはありえない!オレ的にはツメが甘いとしか言えない佐藤達のいじめだって一日で精神が回復出来る様な生ぬるいものではない。ははん、さては強気に出ればいじめられないと考えたか、ハハハ、ブタオらしい浅知恵だな。佐藤達がそれ位でいじめを止める訳ないだろうに……ブタオもバカだな〜アハハ!
オレはブタオの変化を些細なものと判断して高を括った。その判断が一日も経たないうちに間違っていたと後悔するとも知らないで―――――――
それは2時間目の算数の時間に起きた。前世で大学まで行ったオレとしては暇でしょうがないが、担任の評価を下げたくないのでマジメに授業を受けている。
「東堂さん、この問題を解いてください。」
担任がとある問題の答えを原作ヒロインの一人である。恋に求めた。
「え?は、はい!」
指名された恋は慌てている。原作をプレイしたオレはその理由を知っている。彼女は運動は得意だが学問こと算数・数学関係は苦手なのだ。
「東堂さん?解りませんか?」
「い、いえ……こ、答えは……」
あぁ、可哀想な恋、オレが答えを教えてやりたいけど、オレと彼女は席が離れていてそれは出来ない。可哀想だが、今は耐えてくれ恋!後でオレが慰めてやるからn―――「……よ、4分の3…です」はぁ………?
「東堂さん、正解です」
担任の声が教室に響くがオレはそれどころでは無かった。ありえない、原作を知り尚且つ転生してからも彼女を見ていたオレは自信を持って言える。恋の学力では先の問題を解ける訳がない、だが彼女はその問題を答えた。原因はあれしか無い、彼女の隣に座るブタオ……原因は奴だ!
恋が問題を答えられずアタフタしていた時にオレは見た。恋の隣に座るブタオが口を動かしていたのをッ!何を彼女に言ったのか、分からなかったがアレは恋に答えを教えていたに違いない!!
あの豚野郎ッ……問題に答えられなくて落ち込む恋を慰めるというオレの役目を盗りやがった!オレの中で怒りが湧き上がるがすぐに鎮静化される。恋以下の学力しかないブタオがあの問題の答えを知っているのか?という疑問も抱いたからだ。
普段授業をまともに受けていないブタオが答えられる問題ではない。ならば何故そんな問題の答えを知り、あまつさえ普段から仲の悪い恋に教えたのか……オレはありえない行動をするブタオに疑惑の視線を向ける……しかし、奴の変化を確かめようと全身を舐め回すように観察していたのが不味かったのか、ブタオがいきなり振り返って来た。
ジロッ――――
「ッ!?」
奴がいきなり振り返ったので慌てて顔を伏せる。畜生!ブタオの癖に無駄に鋭過ぎんだろ!悪態をつきたくなるが堪えて授業を受けているフリをする。幸い奴はオレに気付くことはなかったが安心なんて出来やしない、もう少し様子を見よう。オレはブタオに対して警戒心を抱くのだった。
「ハァ…ハァ…き、キツい……」
3時間目の体育、息切れするブタオを見てオレは安堵した。学力だけじゃなく運動能力も向上していたらどうしようなんて心配していたが、あのへばったブタオの姿を見てそんな事は杞憂だったと思ったからだ。
「ヒィ……ヒィ……ヒィ……し、死ぬ……」
ああ、あの情けない姿はブタオだ。間違いなくブタオだ。なんだ警戒して損したわ、変わったように見えたのは気の所為だ。どうせ算数だって偶然答えを知ってて仲の悪い恋に当て付けで答えを教えたに違いない。そう考え、安心したオレはブタオに対する警戒を解いた。オレも疲れてるのかな?ブタオ如きにここまで警戒するなんて……。
「珍しく仮病使ってサボらないと思ったら、案の定へばってるじゃない。体を動かさないからそうなるのよ!自業自得ね!」
ハハハ、恋に怒られてやんの情けねえ野郎だな。普段から仮病で体育サボるからそうなんだよだいたいテメェは――――「でも……」ん?なんだ?空気が変わったような……。
「最後まで諦めないでボール追っかけたガッツだけは、認めてあげるわ感謝しなさいブタオ!」
あ、あれは……ツンデレ!?オレでも余程の事がないとお目に掛かれないもんを……あの野郎ッ!運動やってへばるだけで恋のツンデレが見れるブタオに怒りを覚えた。内心ブタオに『オレの女に手を出すな!』と胸ぐらを付かんで怒鳴り散らしたい気分だったが、そんな事をしたらオレのこれまでの努力が無駄になる。オレは怒りをグッと堪えると改めてブタオを観察する。
ジロッ――――
「ッ!?」
クッソ!まただ!またあの野郎オレの視線に反応しやがった!オレは振り返ったブタオから目を反らし近場にいたクラスメイトと話をする。アッブね気付かれるとこだった……。
やはり気の所為じゃなかった。昨日までの精魂の腐ったブタオじゃない、今の奴は生き生きしている。だが何故いきなりそうなった?昨日の今日で人間がここまで変わるなんて普通ありえないだろ……。まさか、オレが転生したことでバタフライエフェクトが発生してブタオが変わったとか?チッ!それだったら厄介だな。ブタオから主人公の座を奪うオレの計画がパーになるじゃないか……ここは一つ策を考えた方が良さそうだ。
4時間目の理科の時間にオレは取っておきの切り札を使う事にした。
「先生!ブt――ごほん、征男君が授業をサボっています!」
授業中、ガリ勉メガネな高橋がブタオがサボっていると担任に密告する。フハハハハハ!ブタオの奴、何が何やら分からないって顔してやんの!思いっきり指を指して爆笑したいところだがそれをすればオレがクラスメイトから白い目で見られるので笑うのは心の中だけに留める。
「征男君、君はどうやら私の授業を受ける必要がないほど自信があるようですね。では、絶対零度は何度を示すのか答えてください」
担任は高橋の報告を真に受けたようでブタオに問題を出した。フフッ……まさかここまで上手く行くとは思わなかったぜ、切り札こと高橋を見て軽く笑みを溢す。
そう切り札というのは高橋のことだ。オレは立場上いじめっ子である佐藤と鈴木とは同じクラスでありながら接点は少ない、だからオレがブタオをもっと苛烈に苛めろと命令しても素直に聞いてはくれないだろう。だが高橋は違う。奴はオレの命令には大人しく従う……何故ならオレが高橋の秘密を握っているからだ。
アレは3ヶ月前の事だ。テスト中に変な動きをしている高橋の姿が解答を記入し終えて暇を持て余していたオレの視界に入ったのだ。何をしているかと思えば、高橋の野郎解答が書いてあるメモ帳を持ち込んでカンニングしてやがった。まさか学年2位の成績を誇る高橋がカンニングをしているとは思わず開いた口が塞がらなかったが、このネタは使えるぞと思い立ちガラケーの動画機能でコッソリとその様子を撮影した(撮影しているところを誰かに見られやしないかと内心ドキドキしていたのはここだけの話)。
後日、人気の無い場所で高橋に撮影した動画を見せたのだが……ククッあれは傑作だったな。高橋の野郎、動画を見た途端に血相変えて『なんでもするから黙っていてくれ!』なんて言いながら土下座してくんだもん、人気が無いとは言え誰かに見られんじゃないかとヒヤヒヤしたがあの姿は笑えたな。まあ、そういうことで高橋はそれ以降オレの言うことはなんでも聞く従順な奴隷になったって訳だ、と言っても高橋に命令してやらせるような事はなかったので今まで放っておいたが、不自然に変化したブタオに釘を差す為にも今こそ切り札を使うべきだと考えたオレは高橋を使って取り敢えずブタオに恥を掻かせることにした。
まぁ恥を掻かせるとは言ったが実際はブタオがどこまで変化したか確かめるテストだな。算数は得意そうだったが、体育は相変わらずへばっていた。なら理科はどうなのか?と思ったオレが、ブタオが理科の問題を解けるかどうか確かめる為にわざわざ高橋に密告させたのだ。さぁ、ブタオお前の実力を見せて見ろよ!まぁ、どうせ算数はまぐれで理科の方は答えられるとは思えんがな!アハハハハ―――――「マイナス273.15℃です」―――マジかよ……。
その後も高橋や高橋が裏で操っている佐藤達を使ってブタオに嫌がらせを仕掛けたがブタオの野郎は余裕でそれらを回避しやがった。しかも体育でへばったことを反省してか恋にトレーニングを施して貰い勉強もスポーツも得意な優等生に化けやがった。虐められたら理子に八つ当たりするようなあの腐った根性は何処へやら最近では理子に優しくなり落ち着きのある知的な性格に変化している。
「クソッ!どうしてこうなった!」
ダンッ!
誰もいない部屋でオレは机を叩く、催眠ガラケーを使う気すら起きないくらいにブタオの精神をズタボロにする当初の計画はブタオ本人の手で瓦解した。小学校卒業を数ヶ月後控えた今、ブタオは文武両道な優等生として成長しており、今更いじめなんて通用しない存在になっていた。
「不味い不味い不味い不味いッ!」
原作知識の通りならブタオは卒業後、引っ越し中学は東北で過ごすことになる。しかしブタオのあの原作以上に成長したブタオを見てしまうと引っ越すかどうかも疑わしい……てか、まさかブタオの奴、京極学園の中等部に通うなんて言わないよな?そんなことされたらブタオの事を見直し始めた恋や愛がブタオに盗られちまう!
「そんなことは……許さないッ……」
そうだ許されない、神に選ばれた転生者であるオレからハーレム要員である恋や愛を盗るという大罪、許して良い筈がない。
「こうなったら……」
神に選ばれ陵辱者共からヒロイン達を守るという使命を与えられたオレがブタオ如きに負けるなんてことは合ってはならない、どんな手を使っても勝たなければいけない……もうなりふりかまっていられるかよ……オレは携帯を取り出し高橋に電話を掛けた。
「返してくださいッ!」
「嫌だね!ホレ、威太郎」
「ナイスコントロール!」
オレの目の前には理子から小袋を奪いその小袋でキャッチボールをしている佐藤と鈴木そしてそれを影からコッソリ見ながら下品笑みを浮かべる高橋がいる。フハハ、上手くいってるじゃないか、オレは野次馬に紛れながら教室の様子を見てほくそ笑んだ。あの日、高橋に電話を掛けたオレは佐藤達を使って理子を虐めるように命令をした。ブタオは精神的にも肉体的にもタフになった。今更いじめられたところで傷付かないくらいに……だがいじめが自分の大切な存在に向けられたどうだ?理子のブタオは親密な関係にある。その理子が虐められたらブタオは心が傷付くに違いない、そうなればブタオは佐藤達、いじめっ子の居ない中学校に行くだろう。佐藤達の通う中学=オレと恋や愛が通う中学だからブタオがオレ達の学校に来る可能性は減るという訳だ。なんなら理子が虐められたことに逆上して今、佐藤達に殴りかかっても構わない、いや寧ろ殴って欲しい。裏口入学を斡旋する位に腐敗している京極学園だが腐っても名門だ、暴力沙汰を起こした生徒は例え幾ら金を積まれようが裏口入学すらさせて貰えないからだ。
「お願いです!返してください」
ああ、可哀想な理子、待っててくれブタオが奴等に殴りかかって返り討ちに合ったら、颯爽とヒーローのようにオレが現れて君を助けるからさ、もう少し我慢するんだよ。あぁ、佐藤如きオレが本気を出せば簡単にノックアウトだから心配は無用さ。
「あんなヤツにやるなんて勿体ねぇ、俺が貰ってやるよ」
「そ、そんな!止めてください!それは征男さまに……」
今にも泣きそうな理子、うんうん舞台が整ってるじゃないか、後はブタオが奴等にボコられてオレが駆け付ければ勧善懲悪な時代劇のワンシーンの様になる訳だ。早くブタオ来ねーかな……ってブタオの野郎、野次馬の中に紛れてんじゃねーか!さっさと佐藤に喧嘩売って返り討ちにされろよバカ野郎!
「そういえば何入ってんだ?どれどれ……」
「え!?や、止めてください中を開けないで!」
佐藤が理子から奪った袋を開けた。オレも中身が気になるので袋を持った佐藤に視線を向けた。
「ん?なんだよ……クッキーじゃねーか」
袋の中身は不格好なクッキーだった。そういえば理子のクラスは5時間目家庭科だったな……その時作ったクッキーだろうか?状況的に考えてあのクッキーは理子がブタオの為に作った物だろう。ブタオの癖に理子の手作りクッキーを貰えるなんて生意気な!オレだって食ったことないんだぞ!ブタオに嫉妬にも似た怒りを覚える。落ち着けオレ、この策が成功すればブタオとオサラバ&理子の好意の独り占め出来るのだ、そうなれば理子のクッキーなんて幾らでも食べれる。クールになるんだオレよ!せっかく野次馬の中に紛れているのだ、怒りを鎮めブタオが動くのを大人しく待つことにする。
フフッ……それにしても我ながら良い策を考えたじゃないか、ブタオの排除が出来、尚且つクラスの問題児を懲らしめたヒーローとして生徒達から感謝され、助けに入った事で理子からの好意も独り占め出来るという一石二鳥いや一石三鳥の完璧な策だ。フハハハハハ!さぁ!ブタオ、虐められている理子を無視して理子からの信用を無くすか、理子を助ける為に暴力沙汰を起こして京極学園への入学を諦めるか選ぶが良い!
「あ、ワリィwwフン図蹴けちゃったわwww」
「そ、そんな……」
佐藤がブタオの為に理子が作ったクッキーを袋ごと踏み潰す。アハハハハハハ!ザマァねぇなブタオwwwお前の為に理子が作ったクッキー潰されてやんのwwwまぁ、お前なんかに理子のクッキーなんざ100万年はえーから潰されて当然だけどなぁ!アハハハ!と、イケないイケない野次馬に気付かれ無いように笑い声を抑えなければ……おっ、ブタオの奴やっと動き出したぞ。おせーよタコ!オレはやっとこさ動き出したブタオに悪態をつく。だがまぁ、佐藤達に向かっていることは佐藤に喧嘩を売るに違いない、幾ら最近運動神経が良くなったと言っても所詮はブタオ、あのレスラー体型の佐藤に勝てる訳がない。ブタオがボコられた後にオレが助けに入り佐藤達を倒せば他の生徒達から感謝され理子は情け無いブタオよりオレに好意を寄せるようになる。フハハ、そうなれば理由はどうあれ最初に手を出したのはブタオだ、幾ら成績が良くてもこれで京極学園中等部への入学は不能になる。なんならボコられてオレに理子を盗られたせいでアイツ引き籠もりになるかもな。アハハ!
「ちょっとあんたら何やってんのよ!?」
ブタオが佐藤達に向かっていると怒鳴り声が響く、恋だ。チッ!恋の奴もう戻って来たのかよ。今回の策を成功させる為にワザワザ恋や愛の居ないこの時間を選んだというのに……クソッ!これではこの騒動を治めたのは恋ということになってしまう……クッ!ブタオのボコられる姿が見れないのは残念だが、背に腹は代えられん、恋が場を治める前にオレがこの場を治めてせめて生徒からの感謝と理子の好意だけでも確保せねばッ!
「なんだブタオかよ。なんかようか?あぁん?」
オレが頭を回転させている間にブタオは佐藤達の前に来ていた。
「お?どうしたブタオ?愛しの待田が泣かされて怒ってんのかwww?」
ブタオを煽る佐藤、しかしブタオはビビっているのか煽りに反応しない。オイオイ佐藤の前まで来てビビるって、そりゃねぇだろ殴り掛かるなりしろってんだ。殴り掛からないブタオにオレはイラつく、佐藤も煽りに反応しないブタオに苛ついたようで血管を浮き立たせていた。あ〜あブタオの奴こりゃ締められるな。
「おい!いい加減なんか言ったr「黙れ」ッ――――」
「ヒッ――――」
ゾクッ―――――――
佐藤がブタオの胸ぐらを掴みついにブタオが佐藤に締められると思ったがそうはならなかった。佐藤が胸ぐらを掴みブタオを恫喝した時、ブタオが佐藤に向かって『黙れ』と一言喋っただけでオレは寒気を覚えた。
別に寒さを気にするような時期ではないのにオレの肌は鳥肌だらけになった。この寒気は気温によるものでは無い、ブタオの『黙れ』が原因だ。普段とは違う地の底から響くような声、アレのせいでオレは冷汗を流している。
――――何だこれは……!?理子の前にヒーローの如く颯爽と登場しようとしたが、ブタオの冷たい声を聞いたせいで足が竦んで動けない。それは先程怒鳴り声を上げた恋も同様だったようで理子を虐める佐藤達に対する怒りで真っ赤になっていた顔が今では血の気が引いたのか真っ青になっていた。オレや恋だけじゃない一連の流れをヒソヒソと小声で話ながら傍観していた野次馬共も顔を真っ青にして黙り込んでしまった。
「お望み通り喋ってやったぞ?なんか言ったらどうだ?」
「くっ………」
「ヒッ………」
普段の佐藤達なら生意気な口を利く野郎が居たら拳の一つや二つ飛んで来るもんだが、佐藤達が拳を放つ気配はない。それどころか歯をガタガタ震わせながらビビっていた。ブタオ如きに情けねぇ……と言いたい所だがブタオが発する重苦しい胸を締め付けらるような雰囲気のせいでそれどころではない。
「うっ!…………………」
「あ、あああ……」
「う、苦しい……」
「なん…だよ……これ………」
なんだよ……これ……何なんだよォ!これは!!ブタオの放つ雰囲気に呑まれ呻く野次馬の中、オレは心の中で叫ぶ。ブタオが放つあの物騒な雰囲気、あれは俗に言う殺気というやつだ。でもなんでブタオみたいなクズがあんなもん放てんだよ!?てかココ、エロゲの世界だぞ!?なのになんでバトル漫画並の殺気でビビる羽目になるんだよォ!!オレは神に選ばれた真の主人公なんだぞ!こんな理不尽あってたまるかァ!!
「お前等、俺に手を出してもつまらないからって理子に手を出すなんてどういう了見だ?」
「ヒッ……」
理不尽な出来事に憤っていたが再び口を開いたブタオのせいで一気に沈下される。だから辞めろよな!殺気振り撒きながら喋るをよォ!
「ち、違うんだ!俺らは只頼まれただけなんだよ!」
ブタオに睨まれて鈴木の野郎がゲロる……ま、不味いこのままでは芋づる式に高橋もこの一件に関わっていたことがバレてしまう高橋がバレれば最後は……。
「オイ!寄せ!威太r―――「黙れと言った」グッ!」
高橋の密告を止めようと佐藤が口を開くがブタオに黙らされる。
「へぇー頼まれた、ねぇ……それはお前のことか高橋?」
「ヒィ!」
ウッソだろ!ブタオは野次馬の中から一発で高橋を見つけた。鈴木が呆気なく高橋をゲロったんだ高橋もオレの事をゲロるに違いないそしたら………やばいやばいヤバイヤバイ!!
「お前のことか、と聞いている答えろ高橋……」
言うな高橋!オレの名前出したらテメェがカンニングしたことクラスにぶち撒けるぞ!そう脅す様に高橋を睨んだが……。
「ち、違う僕じゃない!僕も待田を苛めれば、ブt……征男君を精神的に苦しめられるって進められただけだよ!」
高橋は呆気なくゲロり始める。不味い不味いマズいマズイまずいまずい!高橋からオレの名前が出たらオレは終わる、クラスメイトからの信用を失ってしまう!これまでオレが築き上げた地位が地に落ちる!
滝のように汗を流しながらオレはこの状況を打開する策を考えようとしたが……。
「進められたね……でも実行に移したのはお前らだよな?」
そう言い殺気を放ちながら指を鳴らすブタオ見てそれどころでは無くなる。終わった……あんなもん見たら間違いなく高橋はオレの名前を言う、そうなったらオレは終わりだ。オレの中に諦めの感情が渦巻いた。
「ヒィ!そ、それは謝るよ、な、なんなら誰に進められたか、言うからs「いや別に言わなくていいよ」えっ………」
高橋がオレの名前をゲロるところで何故かブタオが遮った。どういうことだ?黒幕であるオレまで断罪する気は無いということか?ブタオの考えはわからんが取り敢えずこれで黒幕がオレで有ることが他の生徒達に知られないで済む。オレは一難去ったことに安堵して息を吐いたが―――――
「進めた奴なんてお前らを片・付・け・て・ からゆっくり捜しても問題ないだろ?」
ブタオの発言にオレは戦慄する。今奴はなんて言った?『お前らを片付けてからゆっくり捜す』ってなんだよ!?片付けるってどういう意味だよ!?オレは混乱した。いや多分ブタオの発言の意味は理解しているだがオレの精神がそれを認めたくないのだ。
「女の子泣かせたんだ。覚悟しろよ」
「や、やめ……やめてくれ!頼むよ!」
逃げ出そうとする高橋に冷酷に迫るブタオ、その時オレはこんな状況になって初めてブタオの目を見た。
「あ、ああぁ……ッ」
真っ暗だった。奴の黒目は光すら飲み込む闇を彷彿とさせるレベルで真っ暗だった。逃げなければ……深淵のような目を見てオレはそう直感した。奴はゆっくり捜せば良いと言った。つまり時間を掛けてでもオレを見つけるつもりだということだ。だが何処に逃げる?家か?だが明日も学校なんだぞ明日来たら終わる。卒業まで不登校キメ込む?それともいっそ引っ越すか?ダメだ。どれを選んでもブタオに見つかる未来しか見えない……。
「さあ、歯を食いしばれよ」
そう言って拳を握るブタオ……あぁ、終わった。オレはこの時、前世の最期の時に体験した死がブタオの前で怯える高橋と再び自身に迫って来たことを肌で感じた……。
「やめてください征男さま!私はもう……大丈夫ですから!」
「ッ!?……理子!?」
しかし死は高橋にもましてやオレにも降り掛かることは無かった、理子がブタオを止めたのだ。
「征男さま!私大丈夫ですから、落ち着いてください!」
必死にブタオに懇願する理子、そんな理子を見て殺気を消したブタオ。どうやら佐藤達とオレは助かったようだ。
「クッ……」
殺気が消えたおかげか足が動くようになったオレは目立たないようにそして出来るだけ素早く野次馬の中をすり抜け現場から逃げるように離れた。
ガチャ―――バタンッ!ガチャン
近場の男子トイレの個室に駆け込み鍵を掛ける。
「ハァハァハァ……た、助かった……」
トイレという安全地帯に逃げ込み安堵したオレはそのまま便器に座り込んだ。
「ハァ…ハァ……ッ、クソクソクソ!何なんだってんだよ!畜生!」
安心したせいか先の理不尽な出来事に対する怒りが爆発する。理子のおかげでオレも佐藤達も何とか命拾いした。しかし彼女が必死になってブタオを止めたのは佐藤や高橋ましてや裏で糸を引いていたオレの為ではない、ブタオだ。彼女は暴力沙汰を起こそうとしたブタオを助ける為にあの殺気の中でブタオが止めたんだ。そこまでして理子がブタオを止める理由……それは彼女が既にブタオの物になったということを意味する。
「理子がブタオの毒牙に掛かるのはもっと後だろうがッ!!」
本来理子がブタオの毒牙に掛かり奴の絶対服従の奴隷になるのは中学の卒業前、秋穂とかいう東北の辺鄙な村でだ。小学生であるブタオが理子を性的に乱暴するとは思えないが、それは原作のブタオだったらの話だ。あんな殺気を出す男だ理子に手を出してても可笑しくない……クソッ!小学生だからと油断していた。まさかもう理子に手を出しているだなんてッ!!理子の初めてはオレが貰う予定だったんだぞ!
「想定外過ぎるッ……オレが転生したからってここまで変わるのかよ……」
前世の転生二次創作作品ではアニメや漫画の世界にオリ主が転生しただけで原作の流れが変わるというのは良く聞く話だが、ここまで変わるのは聞いたことがないって本当にオレが転生しただけでブタオがあそこまで変わるのか?何か別の要員があるんじゃ………。
「ハァ……ほとぼりが冷めた頃だろうし、取り敢えず一旦戻るか……」
考えていてもしょうがない、オレはトイレに籠もることを辞め気が乗らないが教室に戻ることにした。ハァ……幸いブタオにはオレが糸を引いていたことはバレてはいないが……アイツの顔を見るのが怖い、何かの拍子にバレるんじゃないかと気が気じゃなかった……だが、オレが教室に戻らなければそれこそブタオに勘付かれる。だからオレは不本意ながら覚悟を決めて教室に戻った。が―――
「はぁ?帰った?」
オレの覚悟は無駄に終わった。教室にブタオが現れなかったからだ。あの場に居たクラスメイト曰く理子を連れて勝手に帰ったらしい、オレ最大の危機は呆気なく終わりを迎え拍子抜けする。だが安心するのはまだ早い、今日は帰ったが明日登校して来る可能性がある気を付けないと…………。
「え?征男が来てないだって?」
次の日もオレの覚悟は無駄に終わる、ブタオが来ないのだ。理子は少し落ち込み気味ではあるが学校には来てくれた。しかし殺気をばら撒き佐藤達をビビらせた張本人であるブタオは何故か学校に来なかった。ブタオ不在に安堵してしまったがことはそんなに甘くない、ブタオのせいで佐藤達が使い物にならなくなった。普段ならブタオや他の気の弱い奴を虐めているというのに今日はヤケに大人しい、ブタオの殺気がトラウマになってしまったようだ。特に殴られる直前まで追い詰められた高橋は相当で弱みを握っているオレがブタオの情報を集める為に命令をしたら土下座する勢いで拒否しやがった。これじゃあ暫くは使い物にならん……手駒が暫く使えなくなったという事に歯軋りしたくなったが問題はこれだけじゃない。ブタオが来ないせいで原作ヒロイン達に元気がなくなった。『ブタオが来なくて清々するわ!』と以前ならそう言っていた恋も思い詰めた表情をしている。奴が居なくて清々するオレとしては奴が居なくて落ち込む彼女達の反応は理解出来ない物だが、落ち込んだ彼女達を慰めれば好感を得るチャンスでもあったので利用させて貰った。
佐藤達を殺気だけで捩じ伏せるブタオに対する策を色々と考えたが妙案は浮かばなかった。幸いな事にその日以降もブタオが学校に来なかったので問題は無かったが、学校に来ないで佐藤達を操った黒幕であるオレを探していると思うと気が気じゃなかった。しかし小学校を卒業した今となってはもう関係の無い事だ、奴は原作通り理子と共に秋穂とか言う東北の田舎に引っ越した。これで3年間京極に奴は戻って来ない。今のうちに恋や愛との親密度を高めておこう。理子をオレの物に出来なかったのは残念だが理子一人で性欲の塊であるブタオが暫く大人しくなるのであれば願ったりだ。理子をブタオにくれてやるのは遺憾だがブタオのお手付き女なんて要らない。
そういえば秋穂は『学園0』の舞台だったな。あそこには星川 留美と皐月 薫とかいう清楚系とスポーツ系の美少女ヒロインが二人いたな。原作では中学二年になると添島とか言う彼女達の担任であるロリコン野郎の罠にハマり彼女達は手篭めにされる。神に選ばれた転生者であるオレとしては彼女達も助けてやりたいのだが、小学校卒業したばかりのガキに東北までの旅費がある訳ないそれにこっちの世界の親がそんな辺鄙な所まで行かせてくれるとは到底思えない……まあ、ワザワザ東北まで行くのが面倒くさいってのもあるけどさぁ……取り敢えず彼女達の事は諦めよう。なーに学園シリーズに登場する美少女ヒロインは腐るほど居るんだ。一人二人救えなくても神は多めに観てくれるだろう。それより今は中学の間に恋や愛のフラグをどうやって立たせるか考えないとな……。
卒業式から二〜三日の間は恋や愛とのフラグやまだ見ぬヒロイン達に思いを馳せていたが、ふとブタオの事を思い出した。奴は卒業式の日に東北のど田舎に引っ越し、原作が始まる3年後まで京極に戻って来ない。三日前までは3年間ブタオに悩まされずに済むと思っていたが、冷静に考えてみたらヒロイン達を食い物にするクズ野郎のブタオなんか帰って来ない方が良くね?と思う様になった。てか、あんな殺気ばら撒くような奴に二度と会いたくない。そもそも原作と違い過ぎるブタオが再び京極の地に戻るのは余りにも危険だ。原作通りのブタオなら原作が始まってからでも奴の排除は可能だった、それどころか奴を踏み台にして奴の催眠ガラケーを没収しながら原作ヒロイン達と仲良くする自身すらあった。しかしブタオは、オレがこの世界に転生したせいかあんな殺気垂れ流すヤバイ存在になった。
奴は危険だ。学園いや、この街に戻って良い存在では無い。
「……奴が戻って来ない様に手を打たないとな」
日に日にオレの脳内で増す奴の危険性、危険の芽は早く摘まねばと思い卒業式から一週間も経たないうちにオレは行動に出た。
明け方、まだ人々が眠りについているうちにオレは家の倉庫にあった灯油をクスねオレは家から抜け出した。目的地は秋穂に引っ越し今のうちは誰もいないブタオの自宅、オレはそのブタオの自宅の玄関に灯油をばら撒き火を着けた所謂放火だ。
「は、ハハハ…やった。やったぞ!」
燃え盛る玄関を見て逃げ出すオレ、家にこっそり戻った時には近所でちょっとした騒ぎになっていた。放火なんて初めてだったので玄関が焦げる程度で終わってしまったが焦げた臭いのせいで人が住めなくなったと風の噂を聞いてオレは人知れずほくそ笑む。
原作通りなら3年後に戻って来るブタオは再びこの家に住むようになる。ならその家が無くなったらどうなるか?まぁあのブタオが家が燃えたくらいでビビる様な奴とは思えないが原作通りにブタオ事を溺愛する奴の両親の事だ、幾ら金持ちでもまた放火されるかもしれない家をリフォームしてまで住もうとは思わないだろう。仕事の都合で東京に戻って来るがワザワザまた京極に引っ越す確率はこれで低くなる。京極に来る確率が低くなれば京極学園に来る確率も低くなるという事だ。奴が来なければ京極学園のヒロイン達が不幸な目に合う確率が低くなる。奴が京極に戻らなかった場合、奴から催眠ガラケーを奪えなくなるが、まぁ仕方無いヒロイン達を護る為にもあのガラケーは諦めよう。
「嘘だろ……これ……」
中学二年の春、オレは新聞のある記事を観て呆然としてしまった。
『お手柄男子中学生、淫行教師から女生徒を守る!』
新聞の地方欄に書かれた記事、先の見出しだけなら別に驚く必要も無いわけだが問題は内容で、東北の中学校で二人の女生徒に乱暴しようとした教師、添島 亮容疑者を男子生徒が取り押さえたというものだ。これだけなら良い話で終わっていただろう…………警察から感謝状を貰うブタオの写真が載ってなかったらな!
「あの野郎ッ……原作ブレイクしてんじゃねえよ!添島を倒すってどういうつもりだ!?」
予想外の原作改変に思わず声を荒げる。原作通りならこの時、彼女達は添島とかいうロリコン教師に陵辱されその様子を撮影される。その後も録画データを盾に脅され添島の調教を1年以上受けることになる。それこそ精神がおかしくなってボテ腹になるまで添島に玩ばれる訳だ、勿論その現場にブタオは居ないし添島の行いは添島本人がブタオに暴露するまでブタオは気付く事も無い。だが実際はどうだ?居ない筈のブタオが犯行現場に現れてそこそこ体格の良い添島を取り押さえオマケにヒーローとして感謝状まで貰いやがった。
「ブタオがヒーロー?巫山戯んなァ!ヒーローは神に選ばれたこのオレだぞ!!」
新聞紙を握る手に力が籠もる。クソ!こんな事なら無理してでも秋穂に行くべきだった。そもそも原作とは別者になったブタオが原作通りに行動する訳がないのだ。オレは自分の失策に歯軋りする。ブタオに助けられた薫と留美……この世界がエロゲという点から鑑みて彼女達は間違いなくブタオに惚れているに違いない。チッ!確かにヒロインは、いっぱい居るからって二人を切り捨てたがテメェにくれてやる為に切り捨てた訳じゃねーんだぞ!
「クソがッ!………ん?まてよ……」
だが、冷静に考えたらこれは好都合かもしれない。エロゲのヒロインだけはあり、留美も薫も美少女だ。そんな美少女に好意を寄せられれば幾ら原作と隔離した存在になったブタオといえども悪い気はしない筈だ。原作では3年後に親の都合でブタオは京極に戻って来るが、自分に好意を寄せる美少女が二人もいればブタオも京極に戻るのを躊躇するだろう。ブタオに甘いあの親の事だブタオが戻るのを嫌がればブタオをそのまま秋穂に残すに違いない。
「ハハハ、ブタオが戻って来ないのならこっちのもんだ。アハハ!」
ブタオという邪魔が居なくなれば学園に居るヒロイン達はオレの物になったも同然、そう考えると笑いが止まらない。上手く行けば原作開始時にブタオが居ないという原作改変の影響でブタオに渡る筈の催眠ガラケーがオレに届く可能性もある訳だ。
「フハハハハ……ブタオ、田舎娘の一人や二人くれてやるよ。だが、残りのヒロイン達は転生者であるオレの物だ!」
高笑いを上げながらオレはブタオの写った新聞を握りつぶした。
とある転生者の回想でした。
彼が何者なのか後日明らかになります。




