4.突っ込み
「よし、気を取り直して…ステータス!」
Name:今村 仁
Spe:人
Age:17
Job:魔法使い(予定)
Lp:8457117198781084
Mp:8418613016179144017483
Str:98930
Vit:76358
Agi:83592
Int:198945
Min:200471
Luc:6739
Dex:43325
Skill:【創造魔法】、【武神の奥義】、【神技】、【状態異常無効】
Title:【一般人】
Notes:ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…
「怖いですよ!」
帰って来て見せられたステータスが怖かった。
「ん?さっきよりマシだろ?」
今村は笑顔で答える。内心では良い突っ込みだ!と褒めているが、これからによって彼女の真価が問われるぞ…気を引き締めろ。とか変なことを考えている。
「まず全体的に数値がおかしいですよ!改竄するならもっと完全にしておきましょうよ!」
「完全なものなどこの世にはないのだよ」
今村は憂い顔でそう言ったが、ミーシャは納得いかない。
「次に魔法使い予定なら今魔法使いじゃないじゃないですか!」
「細かいことは気にするな。」
「それなのに微妙にラック値が低い!」
「事実だ!」
今村、間髪入れずに言った。
「スキル欄の羅列がおかしい!」
「何を言う。料理も立派なスキルだ。」
「違います…そう言う話じゃないんです…もういいですが…で!ここまでやって称号が【一般人】ってどういうことですか!」
「そんなときもある。」
「それと備考!何があったんですか!?」
「世の中には知らない方がいいこともあるんだよ…」
怒涛の突っ込みに最後軽く目を逸らされた少女は肩で息をつく。今村はこの少女に可能性を見出した。
「素晴らしい才能だ…死を恐れず俺に突っ込みを入れるとは…」
「えっ…」
急に顔を青くする少女。相手が人外だということは分かり切っていたのにもかかわらず激しく突っ込んでしまったのだ。
「…弟子になるか死ぬか選べ!答えは聞かん!弟子決定!」
「結果なんなんですかぁっ!」
耐えられずに突っ込みを入れると今村のローブに捕まった。
「わひゃぁ…」
「とりあえずここじゃなんだから別の所に行こう。」
「そだね~」
いつの間にかみゅうも帰って来ていたので一行は別の場所に移動することになった。
「…さて、祓大丈夫か?『配素氣流』」
今村はとりあえず適当に飛びながら祓の治療を行う。世界を跨いだので「黒魔の卵殻」に粗が出来てしまっていたようだ。
(ん~でもアレだしな。世界越してからだとこれは自力でやってもらうしかないし…)
「ね~ところでどこ行ってるの?」
未だ目を覚まさない祓のことを見ているとみゅうが聞いて来た。それを聞いてミーシャもその話題に食いつく。
「…そう言えばそうですね…今村さんはどこに…」
「…さぁ?俺はあっちの方が眠り姫の体に良さそうだったから向かってるだけだし…」
何度も言うが、今村は地名を覚える気がない。面倒だからだ。
「ふ~ん…パパその子大事にしてるんだ…へぇ~そうなんだ。」
みゅうが心なしか面白くなさそうに祓のことを見る。
「まぁ…アレだな。お前の妹とでも思っててくれ。俺は今親代わり的なことをしてる…」
「ぜぇったいに違うと思うけどね…みゅうが再会の時にパパに飛びつこうとしたときのその子の目は確実に恋してたと思うけどね…」
みゅうは時空の狭間にその声を飛ばして聞こえないようにする。態々余計なことを知らせたくないのだ。
「…まぁいいや。ねぇパパ良さそうで決めるんじゃなくてさ、良い所があるんだけど…」
みゅうがそう言ったところで何者かが急接近してくるのに3人が気付いた。
「…無粋な…」
「な…何者でしょうか?」
「まぁ誰でもいいや。敵なら殺すし、そうじゃないなら用件を聞くだけだ。」
ちょっと待機することにした一行は暇つぶしにミーシャのステータスを見ることにした。
「う…うぅ…ですけど正直今村さんのを見た後じゃ面白くないと思いますよ…?」
「いーからいーから。」
「みゅうのも見る~?」
「い…いえ!私のから先に…【護国龍】様の後何て笑いものにしか…ステータス。」
Name:ミーシャ・ロングアン
Spe:神猫人
Age:14
Job:神姫
Lp:9374
Mp:6327
Str:1297
Vit:1885
Agi:1372
Int:792
Min:655
Luc:2
Dex:132
Skill:【五色魔法】、【武技】、【鑑定】、【威圧】、【気配探知】、【状態異常耐性】
Title:【某国の姫】、【神の寵児】、【災いの子】、【傾城の美】、【超越者】、【ダメンズメーカー】、【苦労人】
「…突っ込みをスキル欄に入れとけ。」
「へ?ってあぁあっ!」
Skill:【五色魔法】、【武技】、【鑑定】、【威圧】、【激しい突っ込み】、【気配探知】、【状態異常耐性】
今村の一言で変えられた。
「何するんですか!」
「【神技】を行使した。」
しれっと言ってのける今村。そうしていると祓が目を覚ました。
「ん…?あぁ先生…」
「起きたか。」
「はい…今、何を…?」
「ステータスを見せ合ってる。…俺の術に悪影響があるといかないから祓に掛けられた術は弾いた。その所為で祓のステータスは見れないけどな。」
今村の言葉にみゅうが少し苛立つ。さっきから今村が祓の事ばかり気にしているのが気に入らないのだ。
(うぅ~守ってもらってる自覚あるのかなぁあの子……アレはあるな…幸せそうな顔して~…みゅうだって…みゅうだって~)
「ステータス!」
Name:今村 みゅう
Spe:時空龍
Age:長生き
Job:神龍
Lp:計測不能
Mp:計測不能
Str:計測不能
Vit:計測不能
Agi:計測不能
Int:91538476198945
Min:2833950487258475869
Luc:928572958
Dex:5325
Skill:【空間魔法】、【神龍族の技】、【神技】、【状態異常無効】、
Title:【神龍】、【最強の種】、【護国龍】、【パパ命】、【甘えん坊】
、【寂しがり屋】、【精神幼体】、【可愛らしさ破壊級】
Notes:これを見ることが出来た人へ。甘えたり、寂しがったりするのは彼女のお父さん相手だけですので、気を付けてください。僕は親代わりを任されたのに何回殺されかけたか…
今村がステータスを見た時、とりあえず答えに困ったので備考の方の話題に触れることにした。
「…何回か殺しかけたのか…」
その話をすると、みゅうは暗い顔になった。
「…だってパパは死んだとか、帰って来ないから僕と番いになろうとか…」
「…前者はともかく後者は殺される覚悟があっての事だろうな。じゃあ問題ない。」
チャレンジャーなこの世界の創造神のことを思い出しつつ今村はみゅうの頭を撫でる。それだけでみゅうの顔には笑顔が戻った。
「えへへ~みゅうがパパのこと大好きなの分かった?」
「…まぁ…」
エディプスコンプレックスを拗らせたか…と苦い顔をする今村。
エディプスコンプレックスとは子供が幼い時に自分の異性の親のことを好きになる本能的な感情の事で、歳をとるにつれて改善されるものだが、一定時期親がいないと拗らせる場合があるものだ。
(…まぁこれもまた一緒にいると時間が解決してくれるはずなんだが…その時間の問題なんだよな…3兆年経っても子供。しかもその期間の埋め合わせって…どんだけかかることか…)
それは少々困る。今村には今後の予定というものがあるのだ。
「はぁ…」
今村が溜息をついたところで、待っていた人が現れた。
「竜騎士…」
今村たちがそれぞれ別の意味を持って竜騎士を見ているとそいつは今村とみゅうを見て槍を構え、今村に高らかに宣言した。
「一騎打ちを所望する!」
ここまでありがとうございます!
自分で出すことが出来ない潜在能力はステータスに表示されないのでミーシャさんのステータスは人外ですが、異常値とはなっていません。
今村くんのは化物の一般的なステータスを殴り得たものです。本来のステータスとはあんまり関係ないです。




