表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Justice Origin  作者: 黒雨星狩
第二章「衝動は、その身を焦がす」
PR
31/31

第二章「衝動は、その身を焦がす」12話

「はぁ⋯⋯」

大方予想通りの回答に、少しでも緊張した自分が情けなくて、ため息を吐く。

だが、当事者以外の2人は違った。

「凪様が⋯⋯」

「⋯⋯柊様が、“ノヴァ”研究の代表⋯⋯?」

驚きを隠しながら、どこか納得したように頷く美夢と、驚きを押し殺しきれず、驚愕と困惑の表情で埋め尽くされている鈴川さん。

まあ、俺の身近な活動と、〈武天鷺〉の実績のどちらを知っているかで、評価は変わるのだろう。

特に、〈武天鷺〉は〈SDK〉()っての精鋭部隊。

戦闘能力に特化している節もあるだろうが、それだけではないのだ。

一芸だけでは生きてられない。

二芸も三芸も持っていなければ、生きてられない。

だから――というか、それを持っていることが移籍の条件であり、その才能も、何人もいるようなことでは、条件を満たすことが出来なかった。

まともな異能者であれば、不可能だろう。

俺は生憎、普通ではない。

「別に、隠してたわけじゃない」

「⋯⋯言う必要がなかった、と言いたいんですね?」

美夢の言葉に頷き、言葉を続ける。

「知ってると思うが、俺は元々第九番隊(ここ)の人間でな。〈武天鷺〉に移ったのだって、研究結果が買われたからなんだぞ?」

「研究?」

「“ノヴァ”って言うより、異能者に対する研究だな。こことは違う研究所なんだが、そっちに資料は結構残ってるはずだ」

研究内容。

異能者の中でも、俺と似た境遇の人間。

その成り立ちと能力について、2年あまりかけて調べていた。

自分自身で実験することもあれば、遠出をして情報を探ることだってある。

研究結果が認められて、俺は〈武天鷺〉に移籍することが叶った。

「とはいえ、この場では俺以外関係ない話だ。そこは重要じゃない」

俺の研究は、“ノヴァ”の性質が、生命体へとどう影響し、どのように変異させるのか、それを()()()()ものだった。

「皐月、俺の力では、お前の研究を手伝うことは出来ない。俺は、“ノヴァ”を放出できない。お前が作った回路に干渉することすら不可能だろう。機械いじりだとしても、俺よりも腕が立つ人間などいくらでもいる」

「ですが、僕の眼の前にいるのは、凪先輩です。これは、等価交換です。凪先輩だって、少しは興味ありますよね?」

興味がない、といえば嘘になる。

実際、構造についても案はあった。

なら、何故ここまでごねているのか。それが、自分でも分からない。

俺の困惑が顔に出ていたのだろう、美夢少し心配そうに、皐月はどこか苦しげな表情で俺を覗き込む(実際は俺のほうが身長は高いのだが)。

「⋯⋯凪様?」

「凪先輩、忙しいのは重々承知です。ですが、これは、僕たちだけの問題じゃない。今後の世界の問題です。だから、僕は、自分にできることを成し遂げたい。自分が生きている限り」

何とも気高い志だ。

確かに、これは俺達の、俺達だけの問題ではない。

だから――


「英雄とは、世界の味方だ」

「お前はまだ、英雄になることは出来ない」

「お前のいる世界では、英雄になることはない」


「ぐぁっ!?」

突然の頭痛に、膝の力が抜け、崩れ落ちる。

周囲は慌てて俺に駆け寄ってくるが、俺の意識は既に別のところにあった。

この声。

また、この声だ。

どこかで聞いたことがある声。

あれは――


「星は三度(みたび)巡り合う。だが、近くに見えて輝きは違う」

「次に会う時は、その輝きが消えていないことを祈るぞ。柊凪」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ