表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Justice Origin  作者: 黒雨星狩
零章「望まれぬ翼」
PR
1/31

零章「望まれぬ翼」

「生きたいか、少年」

 長い静寂を破った言葉は、暗い部屋の中で静かに反響していった。

 そこにあるのは、隅で蹲る少年と、そのすぐ前に佇む、騎士の姿。

 部屋は薄暗く、板が打ち付けられた窓から、月明かりが差し込み、2人の間を照らしている。

「⋯⋯どうでも良い。どうせ俺は――」

 顔を上げながら答えた少年を見て、騎士は思わずたじろぐ。

 その瞳は、光を失い、この世の全てを見たかのように、虚無に染まっている。

 焦点は合っておらず、身体からは完全に力が抜けて、衰弱しているように見える。

 声音は、諦めが宿っていると同時に、どこか激しい感情が滲み出ていた。

「――俺達は、この世界で自由になれない」

「⋯⋯そうか」

 悲しげに、でもどこか満足そうに頷いた騎士は、手に携えていた剣を八相に構える。

「なら、自由にしてあげる」

 そして、無慈悲に、振り下ろした。



 その夢に終わりはあらず。

 夢が死ぬのは、見るものが滅びる時のみ。

 翼がはためく時、誰かに不幸が舞い降りるだろう。

 そして、誰かに救いが訪れるはずだ。

 夢は終わらず、途切れることを知らない。

 ならば、紡ぐことは、間違っていない。

 誰かが憎んでも。

 誰もが傍観していても。

 その時は、いずれ訪れる。

 英雄は、いずれ現れる。

 それまで、この翼を守ることが、私達の役割なのだから。

 私は、この翼を望み続ける。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ