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二度追放された冒険者、激レアスキル駆使して美少女軍団を育成中!  作者: 南野 雪花
新1章

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第4話 盗賊ギルド


「……王宮に盗賊を呼ぶ王様なんて、見たことも聞いたこともないぜ」


 夜半。

 カーテンがふわりと揺れたと思ったとき、すでに目の前に男が立っていた。


 赤茶けた髪、頬に走る一文字の傷。

 不思議と印象に残るのはそれだけ。


「一別以来だな、ナッシュ。元気にしていたか?」

「俺たちが元気じゃないほうが、王様は嬉しいんじゃねえか?」

「そうでもないさ」


 ふっと俺は笑う。

 盗賊ギルドを好いてはいない。それは事実だ。


 保護したストリートチルドレンに、読み書きも教えず、常識も身につけさせず、ただ盗みの技や性的なテクニックを仕込んで、導具として扱う。

 これで子供たちを救っているといえるのかよって思う。


 だけど、それでも、路上で餓死や凍死していくよりはマシ。食べ物も寝るところもあるぶんね。


 結局、よりはマシ(ベター)って選択をするしかないんだよな。

 心ならずも王冠をかぶってしまった今は、とくにそう思うよ。


 伯爵だった時代から孤児院に充分に支援をおこなっていた前王ロスカンドロス陛下だけど、それでも完璧にはほど遠かった。

 そして、それ以上の踏み込んだ政策も難しかった。


 まさか、子供を作るな、なんてお触れを出すわけにいかないもの。


「あんたらがメグを拾って育てたから、俺は出会うことができた。あんたらとの繋がりもできた」


 そりゃあ言いたいことの一つや二つや三つや四つはあるけどね。

 お互い様ってやつだ。


「その繋がりをさ、もう一歩進めてみようかと思うんだ。あんたら、国に雇われてみる気はあるかい?」

「……マジで言ってんのかよ。軍神ライオネル」


 さすがに驚くか。

 目を見開くナッシュ。


 政府は盗賊ギルドを公認しない。それは未来永劫、けっして変わらないだろう。


 けちな犯罪者が増えすぎないように間引き(・・・)したり、街娼が貴族街に入り込んで悪い病気を流行らせたりしないよう、きっちり縄張りをする。


 これらの行動ってのが、たまたま統治とも合致するから、見て見ぬ振りをしてやっているだけ。

 もちろん不利益になるようなことをしたら普通に討伐される。


「斥候部隊を強化しようと思ってるんだよな。人材をまわしてくれないか?」

「……ただのはみ出し者だぞ? 俺たちは」


「知ってる。祝福も受けさせず読み書き算術も教えない最低の連中だとも思ってるさ」

「だったらなんで……?」


「汚泥の中を這いずり回って、最後はドブ川に死体を晒すって生き方も、悪くないかもしれないけどな」


 皮肉げに言って肩をすくめる。

 悪くないなんて思ってない。俺が冒険者になったのは子供たちが笑って暮らせる世界にしたかったからだ。


「盗賊ギルドにいる子供たちを密偵兵として教育しようと思ってる。希望があれば大人でもな」


 これが俺の悪だくみ。

 盗賊ギルドと人材的なパイプを持つ。

 そこから何十人か、何人かでも掬い上げるだめに。


「俺たちがお天道様の下を歩く……?」

「偵察や諜報、防諜が主な任務だ。華々しい武勲とは無縁だろうけどな」


「だが、天下のガイリア王国軍の一員となる……俺たちが……? 騙し脅し殺し、クソみたいな人生を送ってきた俺たちが……?」


 噛みしめるようにナッシュが呟く。


 俺は孤児院に拾われた口だから、捨て子の中では最も上等な部類だ。そのまま死んでしまうというのが最低で、盗賊団に拾われるというのは下から二つ目か三つ目くらいだろう。


 たぶんナッシュだって、元々は孤児だったんだろうしな。


「繰り返しになるけど、楽な仕事じゃないよ。基本的な勉学だって修めてもらうことになるしな」


 勉強しながら仕事もしてもらう。

希望(ホープ)』に加入したばかりのメグみたいな感じかな。


「……ライオネル陛下。我らガイリアの盗賊ギルドは、絶対の忠誠をここに誓います。いかようにも使い捨てください」


 ナッシュが俺の前に片膝をついた。

 うやうやしく。

 ていうか、盗賊ギルドはって言い切っちゃって良いんだ。


「ナッシュってそんなにえらかったんだな」

「じつはギルド長だったんだよ、王様」


 盗賊ギルドは、冒険者ギルトや傭兵ギルドと違って組織図を公開したりしない。トップが誰かなんて、たぶん最上級の秘密だ。


「一応いっとくけど、使い捨てる気はさらさらないからな。子供たちが笑って暮らせる国にするため、協力してくれ」

「御意のままに」


 もう一度、ナッシュが低頭した。




「うち以外の奥さんがぁ、みんな公務をもっちゃったねぃ」


 一日(いちじつ)、執務室にふらりとやってきたサリエリが言った。

 こやつの場合は役職に就かせるより、自由な裁量を与えた方がはるかに活躍する。


 自分で動くこともできるし、他人を動かすこともできる。武芸、学問、人心掌握に宮廷工作まで、おおよそできないことはないってレベルのハイスペックだもの。


 そのサリエリをして「うちは真ん中くらいだよぉ」って言わしめる火消し(ピースメイカー)は、相当やばい組織だよな。


「公務が欲しいなら宰相の地位があいてるぞ」


 こっちゃこーい、こっちゃこーいと手招きしてやる。


「やなのぉ」


 秒で振られた。


「そんなことよりぃ、インゴルスタがちょっときなくさいかもぉ」


 のへのへと告げる。

 宰相の人事ってそんなことですか、そうですか。



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― 新着の感想 ―
>おおよそできないことはないってレベルのハイスペック おっぱいも大きいしね!!!!(ゲス顔)(コミックで思ったより大きかった…)
のへのへ、と断られた旦那の図w
そんなことよりぃ、インゴルスタがちょっときなくさいかもぉ インゴルスタといえば女王ピリムと剛腕アレクサンドラか……女王だから王配関係とかかな?………女王ピリムも嫁さん(結婚)になってインゴルスタを併合…
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