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「もう何も考えたくない…人間やめて、土に還りたい…」
そう呟く一人の少年。彼は普段から現実逃避をしてはすぐに妄想の世界に浸る癖がある。彼の主な妄想内容は、妄想の中の自分は容姿端麗で完璧な頭脳を持ち、さらには世界中のトップアイドルとも関わり持っていて、男女関係なくみんなから超モテモテで奪い合いをされていたり、また別の妄想では自分は親に愛されずに育ち、周りからもひどい暴力を受けて生きてきたが、それを隠し笑って生きている辛い過去を持つイケメン……という誰が見ても意味不明でやりすぎな妄想である。そんな妄想をしている彼自身は親から愛されているし、周りから暴力など一度も受けたことなどない。全てただの妄想に過ぎない。
「俺がこんな妄想をしてるだなんて誰も考えないだろうな…絶対知られたくないし、知られたら恥ずかしすぎて死ねる自身はある…」
はぁ…それにしても本当に憂鬱だ…心臓が痛い…
現在の時刻朝の6時35分。今日は俺が生まれ育ったアメリカからカナダに引っ越してきて、初の学校。そして俺は今は家から少し歩いたところでスクールバスを待っている。俺は学校が心から嫌いだ。勉強難しいし、人と話すの緊張するし、楽しくないし、妄想できないし…嫌なことだけでもざっと50個、いや100個は出てくる。他人が余裕でこなすことを俺は何回トライしてもできない。本当に脳みそに障害があるんじゃないかってたまに思う。
ネガティブ思考に浸っていると、スクールバスの光が見えてきた。
あぁ…きやがったよ、地獄が。もうやだ行きたくない。
バスが目の前で停止し、ドアがゆっくり開く。俺はごくりと唾を飲み込み、バスの階段を登る。奥の席まで視界に入れるとなんと、俺は迎えに来られるのが最後の方だったのだろうか。
席はほとんど、いや全てか…?ってくらい埋まっていた。
うわああああ…最悪、俺の大嫌いな状況がきたよ。
取り敢えず歩みを進め、座らせてくれそうな心優しそうな人を探す。何故かこういう時ってみんなから睨まれてる気がしちゃうんだよなぁ…
一番後ろから三番目の席の横に来ると、一人で座っているて、彼のリュックらしき物を隣に置いている黒いフードを被った男子らしき人物が窓の外を見つめていた。
くっ…優しいかはわからないが、他の人もほとんど二人で座ってるし、ここに座らせてもらうしかないか…
「あのぉー…ここ、座っていいかな?」
「……」
彼はこちらを見もせずに、窓を見つめたままだ。
あれ、無視?絶対聞こえてるよね?だって今一瞬こっち見たじゃん!
「えと…おーい…あの、聞こえてる?お、俺声ちっちゃいかな…あはは…」
周りの人からの視線を感じる…バスの運転手はどうやら俺が座るまで進み始めないらしい。なんだか恥ずかしくなって一気に顔が熱くなる。
俺が意を決して彼の肩をとんとん、と叩くとやっとこちらを見てくれた、ものすごく不機嫌そうな顔で。
「ご、ごめん…ここ、座ってもいいかな…」
俺が少々小さめな声で言うと、彼は盛大なため息をつきながら、心底めんどくさそうにリュックを退かす。
俺が急いで席に腰をかけると、バスがゆっくり進み始めた。
よ、よかったぁぁっ…‼︎ めっちゃ不機嫌そうな顔をされたけど取り敢えず座れた…たまにいるよなぁ、席もう満員なのに隣に座らせてくれない奴…アメリカにいた頃も体験したよ…
それからそんなに時間はかからず次のバス停まで着き、外に出る。乗り換えのバスに少し迷いながらも、問題なく次のバスを発見し、席に座ることができた。今度は最初のバスとは違って席が結構空いていたので、バスに揺られながら優雅なひとときを満喫した。




