廃人
「………。これは……いよいよやばいかな?」
「いや、これはやばいでしょう。」
「うん。ダメだねこれは。」
三つの麗しい顔が1人の廃人を前にしてひそひそと話合う。
ケイド、カイ、レオの前には虚ろな目をして机に突っ伏す微動だにしないシュンが居た。
「………父さん何とかなりません?これ。仕事はちゃんとしてくれるんですけど、仕事してないときはこれで……その、エレンの胎教にも良くないかと。」
「それに、家にナナが来ると凄い顔でアイネスの事を聞くからナナが怯えて家に来てくれなくて……。」
「だって……イディスに言うと僕怒られるんだもん。仕事してくれるならこのままにしておかない?それか良い機会だから仕事与え続けるとか?」
「「父さんそれ母さんに怒られるヤツ。」」
レオとカイの声が重なる。
「ですよねー。」
バース家の男3人は目の前の廃人を見てため息をつく。
アイネスがシュンの前から姿を消して一ヶ月になろうとしていた。
はじめはイラつきながらもシュンは生活と仕事をしてきたけれど、徐々に仕事はすれど私生活では生活する事自体辞めて居た。
最低限の身なりや体調は整えて居るようだが、睡眠は主に机のイスに座りながらとり、食事は気が向いたら摂るか摂らないか。
周りも心配になり声をかけても仕事以外の返答は虚ろな目で会話にならず。
ーーーーーそして今に至る。
アイネスの名前を出そうものなら鬼の形相でアイネスについて問い詰めてくる。
しかし、アイネスについて知っているのはイディスとエレンのみ。
もちろんシュンがこの2人にかなうわけも無くシュンの中でアイネス不足が起こっていた。
アイネスについて知る2人は目下極秘に動いているようで、シュンについては見張り役としてケイド、カイそして時々レオが命じられた。
それと同時に3人にはイディス、エレンから直々にシュンにアイネスが居なくてもちゃんと生活させておくようにも司令が下っていた。仕事をさせ続けるのは絶対駄目だとも言われては居るので時々仕事を取り上げてみてはいるのだが……。
取り上げれば直ぐに廃人になってしまう。
「………レオ。今アイネスがどおしたって?」
「!?」
シュンの眼光がレオに向けて鋭く光る。
「えっ?あ、何にも言ってないよ!!?」
「今アイネスって……」
ユラリと机から立ち上がるシュンを見てレオは思わずケイドの後に隠れる。
「シュン……落ち着いて。大丈夫。レオは本当に何も言ってないよ。だからお願い座ってて。イディスに……ママに言いつけるよシュン。」
ため息を尽きながらイディスの名前をケイドが出せばシュンはまたしぶしぶ座り机に突っ伏す。
そんなシュンを見て再び3人は盛大なため息をつく。
「とにかく、禁止ワードはどんな些細な事でも言わないように。このままとりあえずちゃんと生活させておかないと僕らも今度イディスや、エレンから睨まれてヤバイから。」
バース家の男3人は肯きあう。
とにかく、シュンを生かそう。
3人は再びヒソヒソと今後について話し合いをはじめた。
ここまでお読みくださりありがとうございます。
シュンの廃人とバース家の男3人の絡み。
アイネス不足。
欄外編にするには少し長かったのですいません。1ページ扱いにしました。
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